JARL QRPクラブ会報 2014年4月号 Vol.57-1

投稿者: | 2014年4月12日

JARL QRPクラブ会報 2014年4月12日発行 Vol.57-1


No. 2014年4月号 目次 コールサイン 筆者
1 ARRL DX コンテストに参加 実験報告 JG3EHD 西村 庸
2 第22回札幌QRPミーティング報告 JF1ISC(JA8DIQ) 大久保 尚史
3 第179回 秋葉原QRP懇親会 JR1QJO 矢部 伊知郎
4 収納式パドルキーの製作 JA3HKR 吉田 清和
5 QRPなDXの世界  ~海外のQRPer~ JA1KGW 青山 憲太郎
6 DX短信 JA1KGW 青山 憲太郎
7 QRPコンテスト参加記 JH7OZQ/1 荒井 克典
8 私の移動運用記 7L4WHI 諏佐 大介
9 私のFT-817の使い方  ~ALC特性測定~ JO1UBD 丸山 裕二
10 7MHz・CW・QRPトランシーバの製作 JA8CXX 高野 順一
11 アワード発行状況 JK1TCV 栗原 和実
12 編集後記 JO1UBD 丸山 裕二
   JA8IRQ 福島 誠

ARRL DX コンテストに参加 実験報告

#979 JG3EHD 西村 庸

 私は、最近たまにCWコンテストに参加するくらいでほとんど電波を出していません。ローカル局とは時々アイボールやE-メールによるQSOのみです。
春になるとARRL DXコンテストが開催されるのを思い出し3月1日~2日に開催されたPHONE部門に参加し次のような実験(?)を行いました。
その実験とは、現在、いわゆる「アパマンハム」が15mバンドで送信出力5WのAMとホイップアンテナを使用して、DXコンテストで得点を得られるか。です。
 結果は以下に示すとおりスコアゼロ。コンテストとしては失敗やはり無理でした。
ところが、全くの”カラ振り”かというとそうでもありませんでした。
この “実験” の経過を報告します。バカみたいな(後述の通り極めて再現性に乏しい)実験です。


 CQ-WWやWPXコンテストは、CWとSSBの部門に分かれています。ところが、ARRLコンテストでは、SSBではなくPHONEとなっていますので、15mシングルバンド AM 出力5W のQRPで参加しました。コンテストルールを見ると “クロスモードQSOは禁止” とあります。
 しかし、QSOする相手は、間違いなく100% SSB(のはず)です。そこで念のためコンテストマネージャに、SSB vs AMのQSOは有効か否か問合せました。
Eメールを送ったのが現地時間の金曜日の夜で、勤務時間外だったためかコンテスト終了後に回答が来ました。「電話は電話。SSBかAMかには拘りません。」ということなので、ルール違反にはならないことがわかりました。
 また、このコンテストの目的を見ると、W/VEの局とQSOすることにより、

  1. 電波伝播の知識を高める
  2. オペレーションの腕を磨く。
  3. 局の能力を進歩させる。

というような意味のことが書いてあります。

 W/VEの局とQSOするとなぜそう言えるのか・・・・少しウサン臭い気がしますが・・・・2と3はともかく目的1とはそれほどずれていない・・・・のでこれもOK。後は私のやる気次第です。


 曲がりなりにも”実験の報告”なので使用したリグ、アンテナ、及びロケーションを紹介します。

I:送信機

  14MHzと21MHzの2バンド 3ステージ 終段807
  出力 CW約20W AM約5W
  807 のスクリーングリッドに入れたクランプ管 6AQ5による変調
  VFO 原発振 3.5MHz帯 21MHzは6逓倍
  初期変動 約1KHz/3.5MHz

  SSB相手なのでCollins 75A4
  一部のマイカとセラミックコンデンサを除いてリキャップ済
  スタンバイ→受信 立上り時間スピードアップ
  ダイオードは全て半導体 従ってオリジナルよりタマ数は少ない
  VFOの直線性補正 他 少々勝手に変更しています。

III:アンテナ

  ホイップ 全長約2.7m
  先端から1/4 位の長さの所にローディングコイル挿入

IV:ロケーション

  大阪市内ほぼ中心部 高層住宅14階建ての12階部分
  北~西の方角約 90 度は開けています。
  北~東~南東 完全閉鎖ではないが同じ高さの住宅あり
  南側は建物の影
  アンテナは北側の窓から突き出し
  従ってW方面は回折伝播?に期待です。

JG3EHD

【左は75A4、右の棚の下からVFO、送信機、電源】

JG3EHD

【アンテナと手動アンテナチューナ 北の方角】

JG3EHD

【北東方面のロケーション】


 《3月1日 コンテスト初日》

 1:00 UTC過ぎ、まず様子を見るため受信機に電源投入。

 リキャップしたとは言え、まもなく還暦を迎える 75A4 です。しかも2年近く電気を入れず、放ったらかしにしていました。スピーカからは、ブツブツと呟く音?が聞こえます。そこで、全てのツマミをグルグル回転させ、特にロータリスイッチを何度も念入りに回転しました。オーディオ出力トランスの断線しかかり、若しくはレアショートの兆候を心配しました。
 思い付きでこんな事を始めた”ツケ”が回ってきたようで準備不足です。
 アンテナを繋ぎダイヤルをあちこち回して 30 分ほど受信していると、呟きは少し収まってきました。Wの西海岸の局 S9~9+ の信号が、それほどQRMなく聞こえます。これで多分受信機は大丈夫?。 3:00 UTC 過ぎに一旦 QRT。7:00 UTC 頃に再びワッチ、Wはフェードアウトしたようで2~3の東南アジアらしき局が聞こえたのみ。15mバンドはこんなものか?。長期間このバンドは聞いていないので不明です。ローカルの OM から「10mバンドはコンディションが良い。次は15m。20m以下は良くない。」とは聞いていましたが、初日は受信のみ。これくらいにしておいて、本日終了としました。

 《3月2日》

 0:00 UTC 過ぎに受信機とVFOの電源を、ほぼ同時にON。午前中が狙い目と思い、少し気合を入れてワッチ。スピーカから呟き音は、ほとんどなくなりましたが、AFゲインのツマミをまわすと相変わらず所々で “ガリオーム” 。送信機は、30年ほど前に作ったCW専用機に変調機を追加し、昨年初めて電子申請 Lite によるTSS認定で、新たに送信機の増設申請をして夏に許可になったものです。(電子申請 Lite による TSS 認定は非常に時間がかかりました。)
 AMでのQSO実績は、今までローカル局1局だけです。 S9(メータの読み)で出ている局を呼ぶと・・・・全く反応なし。しばらくして呼ぶと、すでに他のJAの局とQSOが始まっています。同じ事を何局かに繰返しても結果は同じです。
 そのうちにQRZ?と聞こえましたが、私に対するものかどうか不明です。
 やたら”QRZ”が聞こえますが、最近のコンテスト時の流行でしょうか?。こちらでは誰も呼んでいないように思うのですが、CQ Contest というのはほとんど聞こえません。中には “QRZContest” と言う局もあり意味不明。コンテストの名前が変わった!

 2:00 UTC 21.207MHz付近でN6ROが、S9+10~20dB位で入感。誰も呼んでる気配なし。そこでショートコールすると、「J?1EHH」。再度ショートコール。ハラが減るので呼ぶ時はコールサイン 1回だけです。繰返すこと数回、相手から「Try Again」数回、「JE1EHH?」。こんなことを暫く続けているとシビレを切らしたのか、「Very Weak See You Later」・・・・。これでこの QSO はオシマイでした。

 ここでQRTしようかと思いましたが、暫くワッチを続けました。すると 21.270 付近で(時刻不明)W1AW/7が入感、S9+10dB位です。
 どこかで聞いたコールサイン。ARRLの出前?・・・ためしに呼ぶと「JE1EHH?」 と反応がありましたが、ここで少し QSB が出てきたので呼ぶのはやめました。3:30 UTC 過ぎまでダイヤルをクルクル回していましたが、多分この程度だと判断しQRTしました。


 この結果をどう見るか?です。

 コールサイン 6 文字のうち 3 文字はコピーしてくれました。これを実験成功とするべきか? 否か? です。
 G(Golf Germany)と3(Three)それにD(Delta)は発音が悪いのか、2局ともミスしています。
 私は、限りなく失敗に近いと思っています。
 最初に述べたように、「あまりに再現性の悪い実験」だからです。また、タッタ 2局とのQSOでは、あまりにサンプル数が少なすぎて傾向がつかめません。再現性は、リグやアンテナそれにロケーションと言った物理的なものに影響されると思いますが、QRPでやると “相手次第” “運任せ”。これらの要素が大きいようです。

 コンディションの影響はある程度考慮できるとしても、相手が無変調キャリヤによるビート妨害だと判断して無視されたらそれでオシマイです。
 コールサインによる影響もあるかもしれません。JG3EHD だからダメで、例えば3Y1○とかHK0○○だったらどうでしょうか? もっともこんな局が、AMで出てきたら偽者扱いされるかもしれません。
 ”著名なコンテストクラブに事前に連絡し、スケージュールQSOを依頼する” という方法が考えられます。コンテストのルール違反ではないと思いますが、何か “ヤラセQSO” のような感じがしますし、こちらの意図を理解し、相手してくれるかどうかわかりません。


 以上が結果報告とコンテストの感想です。
 短時間の参加ですがそれなりに楽しめました。 N6ROとW1AW/7 の両オペレータには、相手していただいて感謝・感謝です。
 機会あれば次のような “実験を” 企んでいます。 同じアンテナとロケーション、同じ出力5WのSSBとAM(正確にはサイドバンドの出力が同一)とを比べたら、どちらが応答率が高いか? です。再現性の悪さは承知の上ですから、できるだけ多くの局が同種の実験を行えば、少なくとも傾向位はわかると思います。

73 de JG3EHD

編集担当から

 西村さん、投稿ありがとうございます。
写真を拝見すると、FBなロケーションで、QRPでも良く飛びそうですね。
SSBとAMのクロスモードとは、そういう発想がありませんでした。もしかしたら、SSB黎明期では当たり前だったのかもしれませんね。

QRPの場合は、呼んでも取ってもらえない場面がよくありますが、本当に「相手次第」「運任せ」ですね。
これからコンディションが良くなってきますので、たくさんのQSOができるのではと思います。
続報をお待ち致します。(JO1UBD)

※西村さん、マンションのベランダからとは思えない設備でのFBな実験報告ありがとうございます。「実験はうまくいってもいかなくてもデータが取れれば成功」という言葉がありますが、まず思いついてやってみることが大事だなあと再認識しました。(JA8IRQ)


第22回札幌QRPミーティング報告

#822 JF1ISC(JA8DIQ) 大久保 尚史

 3月23日、札幌市中央区民センターにて第22回QRPミーティングを開催しましたので報告いたします。札幌QRPミーティングは、長年JA8IRQが幹事を務めてこられましたが、函館に引越しされることになり、前回の第21回から私(JA8DIQ)が幹事を引き継ぎました。

 さて、札幌QRPミーティングは長・中波からマイクロ波まで、QRPからQROまで、アンテナから測定機までいつも話題満載。今回は16名と多くの局に参加いただき、したがって、話題はいつにも増して多岐に渡りましたので、持ち寄られた作品の中から何点かを抜粋して紹介いたします。

写真1

参加者はJA8AUW、JA8AVC、JA8BQL*、JA8CCR、JA8DES、JA8DIQ、JA8HBV*、JA8JPO、JA8MRH、JA8VHD、JH8BTS、JH8BWH*、JH8LDW、JR8LJS、JE8GNZ、JA3IRCの16名
  ( *印の局は写真に写っていません。JA8HBVさんは第1回(H20.10.12)以来の久々の参加です)

1. 長・中波(JA8VHD)
ミニホイップアンテナ(受信専用)。室内で灯台放送が聞こえたそうです。塩ビパイプに組み込まれていて、耐候も考慮されています。

JA8VHD


2. マイクロ波(JA8CCR)
リターンロスブリッジ。JA8MRHも同様なものを製作されていました。チップ抵抗の空中配線などがあり、製作にはかなり忍耐がいりそうです。

JA8CCR

3. QRP(JR8LJS)
7MHz TX。CQ誌の付録の基板で組み立て、ミートソースの缶に入れたものです。CQ誌にこのリグの写真が掲載されたそうです。

JR8LJS

4. QRO(JA8CCR)
3CX100のハウジング。とりあえず形を作ってみた段階だそうです。冷却や調整機構等、なかなか大変そうでした。

JA8CCR

5. アンテナ(JA8BQL)
80mアンテナ用のローディングコイルです。樹脂ボックスがしっかりしていました。

JA8BQL

6. 測定機(JA3IRC)
昨年から取り組まれていたディップメータがついに完成。ダイヤルが几帳面に作られており、80MHzまで動作するそうです。

JA3IRC

7. アクセサリー(JA8MRH)
これはダミーロードですが、パンチングメタルを曲げて作った放熱板がとても芸術的。パンチングメタルは曲げ加工しやすいので、色々な応用ができそうです。

JA8MRH

8. 諸々(JE8GNZ)
DDS、プリスケーラー、FPGAボード、周波数チェッカーなどなどなど…….。技術レベルの高さには圧倒されます。

JE8GNZ

9. 番外

番外

終了後、狸小路の焼き鳥屋でより突っ込んだ議論中。
左からJA8DIQ、JA8DES、JA8AUW、JH8BTS、JA8MRH、JR8LJS、JA8AVC

《編集担当から》

 大久保さん、報告ありがとうございます。多岐に渡る話題で、楽しそうですね。ちょっと横道の別の工作をするとか、刺激される工作ネタは尽きないでしょうね。自分には持ち合わせて無い分野の新たな知識が入るとか、同じ苦労をしているとか、ここを工夫すると良くなるとか、懇親会ならでは効果ですね。
この報告を見て、自分もやってみようという方が出てくるかと思います。僕はリターンロスブリッジに挑戦してみたいですし、ディップメータも作ってみたいですし………お腹一杯です。次回は秋の開催でしょうか。次回の報告をお待ちしています。(JO1UBD)


第179回 秋葉原QRP懇親会

#725 JR1QJO 矢部 伊知郎

 3月1日第179回 秋葉原QRP懇親会が大雪警報が出ている中、久しぶりの大人数でにぎやかに開催されました。
 JH7KYD/1 影山さんは忘年会に持参した「おじさん工房」のDSP受信機をJA9TTT/1 加藤さんのブログのオーディオフィルターでぱパワーアップして再登場。影山さんのきっちりしたケースの収め、思わず製品として「欲しい!」という声が漏れました。
FPGAでここまでできるのか!現在の半導体技術を目の当たりにしました。

JA9TTT/1

【左がJH7KYD/1 影山さんのDSP受信機(CWフィルター入り)】

 続いて今回初登場のJK1LSE/本田さんがAitendoのチップを使ったオールバンドDSPラジオでデビュー。あの「不親切」で素材は提供するが、あとは勝手にしてというAitendo(失礼!)のチップをここまで完成させるのは相当の技術力です。デザインも素敵なケースに収め、影山さんのDSPラジオとツーショット!(上写真)

JK1LSE

【JK1LSE 本田さんのDSPラジオ】

 次はピコマニアのJE1ECF/斎藤さんがピコの基板をベースにしたトランシーバーの披露です。まだ制作の途上ですが完成が楽しみです。
 72

JE1ECF

【JE1ECF 斎藤さんのTRX】

編集担当から

 矢部さん、報告ありがとうございます。
自作派ハムの最先端は、DSPを上手く使いこなす事が必要になっているようですね。
JA9TTT/1 加藤さんのホームページでは、DSPから真空管まで幅広く取り扱われていて、中学の頃に開局した当時に感じた近所のOMさんの後ろ姿に重なるものがあります。それは、目的とする物が無かったら代替法を探ったり、基本回路からの着実な積み重ねで完成させる。僕はマダマダ追いつけませんので、これからも精進したいと思います。
また、会報をご覧になった皆さんにも、かなりの刺激になったのではと思います。ナマで見ると、更に臨場感がありそうですね。次回の報告もお待ちいたします。(JO1UBD)


収納式パドルキーの製作

#982 JA3HKR 吉田 清和

 メーリングリスト-00100 の自己紹介文のなかで「ベアリング入りのパドルキー」を作ると述べていましたが、その後それらの製作に手をつけたところ、立て続けに4種類も作ってしまいました。それらを並べた写真をQSLカードにしたものをCQ誌のQSLカードコンテストに応募したところ、2013年6月号に小さいながらも掲載されました(図1)。ただし残念ながら入賞はしませんでした。

図1

(図1)

 今日は、この4個のうちの左上のレバー収納式のものについて簡単に紹介したいと思います。ただし、これにはベアリングは用いていません。

 パーツ屋さんで部品を物色している際、タカチのSW-130というケースが目にとまりました(図2)。これを見た瞬間、レバー収納式パドルがひらめきました。早速このケースと、必要になると思われる部品を揃えて購入してきました。おおよその構成は、まずケースの内側に入るベースプレートを作り、これに必要な部品を付けていきます。長さはレバーを収納する分短くしておきます。ベースを固定するネジを緩めるとベースが移動できるようケースにはネジの部分に長穴をあけます。ツマミのついた固定ネジは、ネジ専門店で、袋に詰め放題100円で購入した中に入っていたものです。

図2

(図2)

図3

(図3)

図4

(図4)

 ベースプレートにはレバーを取り付ける基台になるサイコロ状のブロックを取り付けます。これはプリント板のスペーサーなどの売り場にあるものです。これにレバーのバネになるガラスエポキシ基板を短冊状に切ったものをネジ止めします。これの先端には操作する部分として塩ビ板を切ったものをネジで接続しました(図3)。接点は当初マイクロスイッチを用いる予定で、いくつかのものを集めてみましたが、適したものが見つかりませんでした。そのため金メッキのビスとコネクタピンを用いました(図4)。その他、外側へ開く位置決めのためのネジを立てています。

 これで完成と言いたいところですが、操作してみるとどうも感触がよくありません。なにかグネグネするのです。そこでエポキシ基板の部分の長さを短くし、その分をアルミ板の短冊に置き換えました(図5の下側)。これでカチッとした感触になりました。最後にネジが緩まないようサイコロの部分は瞬間接着剤で固定しました。

図5

(図5)

図6

(図6)

図6が完成後の外観です。

 通常市販されているキーは、ターミナルネジで接続するタイプが多いようですが、私は3.5mmのステレオジャックで統一しています。
その後、超小型のマイクロスイッチや光センサーを入手したので、これらを用いたものにも今後挑戦する予定です。2014.03.14

編集担当から

 吉田さん、いつも投稿ありがとうございます。今回報告いただきましたパドルは、移動運用の際に便利そうですね。収納状態にしてあれば、多少手荒く扱っても破損は避けられそうです。僕も以前自作しようと挑戦しましたが、途中で挫折して、市販の同じような機能のモノにしてしまいました。数年前まではGHDキー社で販売されていたタカチSW-90を使ったモノで、今はCQ出版社から「パドルトレーナ」として販売されています。
 さて、そのパドルを使った際(99.999%マイクですので、滅多に出ませんけど)に難儀したのが、ギャップと堅さの調整でした。吉田さんの報告から、何かヒントを得た気がします。素材と、その長さが肝のようですね。
 図1の自作パドルを拝見しますと、金属素材を加工してのオリジナルパドルは、CWマンの憧れではないでしょうか。素晴らしいモノを見せていただきました。(JO1UBD)


QRPなDXの世界  ~海外のQRPer~

#377 JA1KGW 青山 憲太郎 (Kentaro Aoyama)

ON4PS/QRP

ON4PS/QRP
(ON4PS/QRP,PierreさんのQSL)

 ON4PS/QRP, Pierre さんとの2WAY QRP QSOからの疑問

 2014年2月13日、夕方の17:00(JST)頃、相変わらず28MHzのEUがオープンしていました。17:10にOK1ZG/QRP、17:22にON4PS/QRPの2局とQSOができました。この内ON4PS/QRP、PierreさんからQSLカードが届きましたので、紹介をします。“一匹狼?”のPierreさんのQSLカードの裏面にも書いてありますように15Wと84m Delta Loopの組み合わせでした。

 ご承知のように、当クラブのQRP アワードの第2条に “QRP局とは、送信出力が5W以下または、終段入力10W以下の送信機で運用したアマチュア局であり、得たQSLカードに送信出力5W以下または入力10W以下と明記してあること。” 規定してあります。
私の所属するG-QRPクラブのメンバーではこのように5W以上の局とは未だに2WAY QRP QSOしたことはありません。しかし、海外局の中には、このように15WでもQRPと称してQRVしている局もたまにお目にかかります。

 閑話休題:私のQRPの師匠であるJA6PA, 原田OMのお話では、かってW局の中に25W出力でもQRPと称した局がQRVしていたそうですが、多くのビックガンの中では25W出力もQRPでしょうか?

《編集担当から》

 青山さん、再び連載を引き受けていただきましてありがとうございます。青山さんの報告を見て、多くの方がQRPでもDXができるという自信に繋がるかと思います。
さて、25WでQRPの件、難しいですね。僕は、アワードには使えないですが、それも有りかと思います。厳格にすると、途中の損失を除いた空中線入力と空中線利得を含めたERP/EIIP値で……堅苦しい事になりますが、運用者がQRPだ!という目的意識があれば、同じ(広義の)QRPerとしても良いのかと思いました。でも、アワードには使えませんね。
QRPerには、様々な哲学をお持ちだと思いますので、他の皆さんの思いをお聞きしたいと思います。(JO1UBD)


DX短信

#377 JA1KGW 青山 憲太郎 (Kentaro Aoyama)

 直近の30日間(2月20日~21日)の黒点を見ますと150以上で特に、24日、27日および28日は、200を超える状況でした。早朝のW、カリブ方向および夕方のEU,アフリカ方向でハイバンドよく開けていますサイクル24は、これから下降期に入るというのに一体どうなっているのでしょう。

 どうもDXerの友人は、サイクル24の黒点のピークが2つあるようだといっています。サイクル24と25の端境期には味わえない伝播状況ですので、時間が許す限り28MHzを中心にハイバンドを聞いています。

2月16日から3月16日までの間の2WAY QRP QSOは次のとおりです。

日時
局名
 周波数 
 OP 
 リグ 
2月23日 17:25(JST) I5QNJ/QRP 28.060 Max 5W,3Y
2月23日 17:35(JST) UT0IW/QRP 28.060 Sergey 100mW
3月 1日 16:35(JST) RA9UWT/QRP 28.060 Vald 5W
3月 2日 15:20(JST) YO5CRR/QRP 28.060 Gelv 5W
3月 6日 17:15(JST) SM7FHO/QRP 28.060 Lars 5W,3Y

この内、1st QSOは、2局でした。
各バンドでアクテイブにQRVされているOMさんから、バンドの伝播状況をぜひお教えください。レポートは、kenawoyama@nifty.comまでお願いをします。(@を半角に変えてください)

《編集担当から》

 ハイバンドは、4月に入っても開けているようですね。先日は、太陽活動によりGPS測位に影響が出るとのニュースがありましたが、GPSには特に影響は出てなかったようです。(JO1UBD)


QRPコンテスト参加記

「使用リグ 6m DSB-DC 0.5W トランシーバ」

#625 JH7OZQ/1 荒井 克典

JH7OZQ/1 6m DSB-DC TRX

(6m DSB-DC 0.5Wトランシーバ外観)

JH7OZQ/1 6m DSB-DC TRX

(6m DSB-DC 0.5Wトランシーバ内部構成)

 コンテストはいつも参加するほどに熱心ではありませんが、QRP・AM・自作などの言葉にはつい反応して参加することがあります。その上に今回は自作機の規定が絞り込まれたことで、最近お気に入りのローズキットによる参加が出来ないことも、かえって参加しなくてはという思いに拍車がかかりました。そこで手近に何か無いものかと、10年以上も前に作った6mのDSBトランシーバを改修し、参加することにしました。

 回路構成は、マイクアンプ2SC1815、発振2SC1906、平衡変調SN76514N、送信アンプ2SC1906-2SC1906-2SC1970、コンプレッサーSA2011を使用しています。
スプリアス対策はもちろんしていましたが、最近手に入れた測定器で見るとやっぱり気になりだして、キャリアの質を改善すべく発振回路を組んで実験しました。このリグでは水晶を3倍で発振させて50MHzを取り出していますので、FCZコイル1個の同調回路ではどうしても上下の倍数が切れず、以前から複同調にしてはいました。それを今回さらにもう一段同調回路を追加してそれらを3pFで連結し多段化しました。大ざっぱな実験で出来上がった回路にも違和感がありますが、追加した方が結果がいいので採用しています。

JH7OZQ/1 6m DSB-DC TRX

(スプリアス特性 VXOコイル1個)

JH7OZQ/1 6m DSB-DC TRX

(スプリアス特性 VXOコイル2個複同調)

JH7OZQ/1 6m DSB-DC TRX

(スプリアス特性 VXOコイル3個複同調)

 送信時に平衡変調用ICに入れるキャリアの量は、たとえヌルポイントの調整を行ったとしても、少ない方が送信波に含まるキャリアの漏れなどを少なく出来ます。ですからなるべく小さな容量で接続します。

 受信時はダイレクトコンバージョンのためキャリアの量が少ないと途端に感度が悪くなりますので、高周波は2段にして、低周波の部分でもスピーカーを駆動するLM386の前に1石入っています。増幅度が大きいのでキューッ!とかいいそうになりますが、高周波段FETのソースに入れたVRやLM386手前のVRで静かにします。ここまで無理しなくてもいいはずですが、たとえQRPであっても受信の耳は大切です。最近では自分の耳が遠いのか?微弱な信号でも実用的に十分な音圧がスピーカーから欲しいと思っています。

 送信時の被変調波は、おもちゃのようなトランシーバであっても歪を少なくするように考えますが、やはり過変調にしないことが大事です。過変調を防ぐことは相手にとっても聞きやすくて、付近の交信を妨げるような電波を出すこともないと思います。そんなわけで、もとからあるマイクアンプの1石は生かして、手前のマイク側にコンプレッサーを入れることでリミッター的役割を期待して音声信号が歪まないようにしました。マイクアンプの段階でLPF特性があってもSSB機と違いしっかりしたフィルタがないため、この辺は何かしら必要と思います。

 VXOでは周波数を可変する際、水晶振動子のもとの周波数をコイルとバリコンで下方にずらしますが、このトランシーバは水晶を2個使ったスーパーVXOを採用しています。可変出来る周波数は個々の水晶の特性に左右され、もとの発振周波数が50.6MHzであれば50.1~50.5MHzあたりの可変範囲で、このリグでも同様です。VXO専用の水晶振動子の方が周波数を動かしやすいので、もしかしてそれかも知れませんが今使っている水晶の詳細は不明です。可変範囲を欲張ったので途中50.47あたりで周波数が飛ぶところがあります。研究されている方にはそのへんの改善策があると聞きますが、今回はその近辺の周波数は使わないようにしました。バリコンを動かさなければ一応勝手に飛ぶこともありません。また、コイルは秋葉原で入手した安物をいろいろ試して選んでいます。VXO50などを使ったこともありましたが、今では実際に安定度のいい適当な物を組み合わせて使っています。バリコンは前にポリバリコンを使っていましたが、最近はすぐ壊れるものが多く、入手しやすかった壊れにくいタイト製のエアバリに交換しました。

JH7OZQ/1 6m DSB-DC TRX

(VXO回路)

 実際の交信では、DSBはAMと同じく帯域が広いため付近に迷惑をかけないように運用周波数を慎重に選びました。しかし、コンテストでは受信部に特別なフィルタをもたないDCなので、受信には困難さがありました。はっきりと聞こえるポイントはありますが、かなり広い帯域の交信が聞こえます。具体的には、「周波数チェック、混信を与えませんか?」という少し離れた周波数で送信する声が聞こえても成り行きに任せるのみです。ただしアッテネーターを調整してRFをしぼった後、AFで聞こえる程度に増幅することで、ある程度は聞き安くすることが出来ます。何だかTS-510で混信の7メガを受信した頃を思い出します。これにビームアンテナを併用すれば随分受信は楽です。もう一つの苦肉の策としては、混信している局の送受信タイミングの癖をつかんで送受の裏を使いました。タイミングの見当が外れたときには、慌てずコールサインの再送や確認とコンテストナンバーの再送や確認などで時間を稼ぎ、自局と交信中の局に不安を与えないようにしました。

 今回は参加記としてまとめたつもりでしたが、余計なこともついつい書いてしまいました。理論や物理法則は無視できませんが、アマチュアなので・・楽しみ方は多様ですし、アイディアや工夫はどこにでも発見できると思っています。

編集担当から

 荒井さん、報告ありがとうございました。
ハムフェア後にEBした際にお教え頂いた、スプリアス対策の複同調の件は、多いに参考になりました。僕の方は完成が間に合いませんでしたが、変更申請は下りてますので、のんびり仕上げたいと思います。今回は、あの時の会話を少しでも会員の皆さんと共有したく、投稿のお願いをしました。
僕はあの後すぐにスペアナを調達して、コイル工作を楽しんでいますが、予め計算せずに取り合えず巻いてみてCut&Tryで調整と、かなり作業効率は向上しますね。これからも刺激物の紹介をお願い致します。(JO1UBD)


私の運用記

#1063 7L4WHI 諏佐 大介

《高尾山での移動運用》

 各局 こんにちは。
最近行った移動運用の話をします。
高尾山に行く為に、色々と準備して、ガスコンロとガスカートリッジと食材を持って11月に
山に登った。
 城山茶屋でなめこ汁を注文したのと引き換えに「火器使用許可証」を貰い、食事をしながら、ID-31で無線交信して、たった3局だったが、なぜなら、あるじに「混んで来たからもう止めて」とやさしく言われて、撤収したが、色々な情報を得る事が出来た。
帰り道は紅葉の季節で、高尾山山頂が人の山で、ケーブルカー乗り場は大混雑で整理券を配るほど混雑をしていた。
将来的にはFT-817ND一式を購入したら、ソロキャンプのついでに移動運用する事を計画しています。

《16年前の移動運用》

 私が富士山山頂で移動運用した経験を書きます。
現役時代、会社のレクで富士山頂に登って、御来光を浴びるので、当日はハムフェアの日で、移動中の車から知り合いの局長と交信し、富士山に向かった。
 そして、山頂に着いたとき、ログ帳を忘れたので、落書き用ノートに交信局を書いて、驚いた事に、茨城県の猿島まで届いた時は驚いた。
なにしろ、C701で0.28Wの出力で届くとは思っていなかったからである。
いぜん、QRPでない大がかりな移動運用をした事があったが、失敗してリベンジを果たしたのである。
今あるリグは2台あるが、QRP機はID-31であり、地元の無線クラブのロールコールや、D-STARに 使っている。

編集担当から

 諏佐さん、報告ありがとうございました。また、入会おめでとうございます。
高尾山での移動運用は、登山客がもの凄い多いようですね。いつかのコンテスト参加局が屋外で「登山客に囲まれて、大きな声でオペレーションできない」と、恥ずかしそうに嘆いていました。お手軽な登山ブームは、そろそろ終焉するかと眺めていましたが、依然と続いているようですね。
山岳移動なら、D-STARのシンプレックスも良さそうに思います。陽気が暖かくなりますと、これから益々の移動運用日和。続報をお待ち致します。(JO1UBD)


私のFT-817の使い方  ~ALC特性測定~

#993 JO1UBD 丸山 裕二

 仏壇や冷蔵庫のような増幅器には縁遠いため、ALC信号とはどのようなものか、勉強のために少し測定をしてみましたので、報告したいと思います。QRP用出力の調整としても利用できるかもしれません。

 50MHz帯にQRVしている”6mマン”でも、AM変調にアクティブなOMさん方は、FT-817のAM変調改善をテーマに様々な研究が行われています。昨年のQRP NEWS 2013年3月号にJH7OZQ 荒井さんが報告した解決策もその一つで、その効果は私も実際に耳にしまして大変魅力的な方法です。

 さて、FT-817のAM変調は、マイク入力レベルを大きくして行くと、搬送波出力が低下してゆき、とてもBFな変調音になります(図1から図5)。

図1

【図1】ちょうど良く調整した変調状態

図2

【図2】マイク入力レベルを高くした状態

図3

【図3】更に高くした状態

図4

【図4】ちょうど良く調整した変調状態

図5

【図5】マイク入力レベルを高くした状態(搬送波が落ち込んでいます)

 この現象は、発声に合わせて搬送波自体が落ち込むため、相手局にはかなり聞きづらい状態になります。そこでFT-817本体のALCが効かないように、予め搬送波出力を内部レジスタの調整により低下させておいたり、また、荒井さんのようにマイク入力にリミッタを設けて最適値へ調整したり、また、それらの合わせ技であったり、皆さん様々な改善が行われています。

 今回報告の契機となったのは、別の改善手段を検討した際の仮説が、外部からALC信号をある程度与えておけば、FT-817の搬送波出力の低下は、あるレベルまで低下したサチった状態になる事を期待しました。この状態であれば、内部レジスタには触らず、また、マイク入力レベルを高めても、既にALCはサチっているので搬送波はこれ以上低下しないのではと想像しました。なんせこれまでに外部からのALC信号を取り扱った事が無いので、勝手な想像で実験を行いました。ところが、ALC電圧を高めてゆくとFT-817からの出力が完全にゼロになってしまい、仮説証明は破綻しました。(図6が当初の測定構成)

図6

【図6】当初の測定回路(グラフは期待特性)

 そこで今回の報告は、FT-817に対する外部ALC電圧と、FT-817のRF出力の関係を測定しましたので報告したいと思います。

 まずFT-817のALC回路がどのようになっているのか、回路図を参照しました………。しかし、細かい線ばかりで、追って行くと別の線にジャンプしてしまい難儀しました。(図7)

図7

【図7】ALC回路部

 そこで回路図を拡大コピーを、お茶の水の『レモン画翠』の地下の出力コーナに依頼しました。A0版のトレーシングペーパー出力で1枚500円。リップチャージがありませんので、以前から利用しています。A0版はさすがに大きく、大変使い易くなりました。(図8/図9)

図8

【図8】両手を広げた大きさの回路図

図9

【図9】タバコと大きさ比較

 さて、外部から加わるALC電圧は、図7の通り、5.6Vのツェナーダイオード(UDZS5.6B)と、極性保護のダイオード(BAS316)を経てオペアンプ(NJM2902V)に加わります。これらより、FT-817に対するALC電圧の極性と最大電圧が判りましたので、後は図10左側のようなALC電圧発生治具を作成しました。FT-817のマイク端子には、図10右側のようなピンヘッダ治具にしてありますので、ジャンパー結線でマイク入力までの結線は準備完了となります。マイク端子に対するAF信号は、1KHz正弦波で10mVを加えてあります。一昨年に購入した秋月のキット「mini DDSオシレータ」で、周波数と出力レベルはある程度正確ですが、過大入力になりますので、ATTで落としました。(出力を0.0V/オフセット0.0Vでも、図xの通り100mVは出てました。)

図10

【図10】ALC電圧発生回路とマイク端子治具

 FT-817のRF出力は、今回はALC動作の様子が判れば十分でしたので、方向性結合器を経由してスペアナで送信出力をそのまま測定しました。また、同時にFT-817のALCレベル計の表示も記録しました。

 以上の構成で測定した結果は次の通りでした。

図11

【図11】ALC電圧は-4V時

図12

【図12】ALC電圧は-4.5V時

図13

【図13】総合結果

 最後に、測定結果から明らかなように、0Vから5Vまでの間はリニアな特性にはなりませんが、4から5Vの間で精密に調整すれば、FT-817の出力調整が可能になると思いますので、例えば0.5Wから更にQRPpp化が可能になるかと思います。

(補足)秋月mini DDSオシレータは、大変良く出来ていて、1KHz/1.0Vで出力すると図14の通りオシロで測定しても1kHz/1.0Vですが、1kHz/0.0Vにしても図15の通り出力は完全にゼロにはなりませんでした。

図14

【図14】1KHzサイン波で1.0V出力/オフセット0.0V時

図15

【図15】1KHzサイン波で0.0V出力時


7MHz・CW・QRPトランシーバの製作

♯971 JA8CXX 高野 順一

 QRPの自作TXとRXについて、クラブ会報の2013年5月号と2014年1月号に掲載していただきました。
実はトランシーバを作りたかったのですが、なかなかうまくいかずセパレートのTX、RXで妥協したという経緯でした。
相手局の周波数に自局の周波数を合わせるキャリブレーションは 通信機を操作しているという感覚を味わうことができて楽しめますが、
コンテストの時などはやはりトランシーブ機能が欲しくなります。
そんなわけで、今年の1月から製作を開始しました。
旧TX、RXはそのまま残しておきたかったのですが、節約のため解体してパーツを再利用しました。

JA8CXX 7MHz CW QRPトランシーバ

(ブロックダイヤグラム)

JA8CXX 7MHz CW QRPトランシーバ

(回路図)

 TRX化にあたって、RIT回路を追加しました。
DXからのUP指定に対応できるように、+-2kHZほどシフトできるようにしました。
RIT追加によりVXOの上限周波数が下がってしまいました。VXO回路のコンデンサの値を小さくしたり、水晶を2個パラにして上限は7,034kHzになりました。
ケースはIDEALのCA-80W ( W200,H81,D180 ) で QRP機としては大きなサイズですが、スイッチやツマミの間隔をこれより小さくすると使いづらいような気もします。

JA8CXX 7MHz CW QRPトランシーバ

(外観写真)

JA8CXX 7MHz CW QRPトランシーバ

(内部写真)

 3月3日のJLRS雛コンテストにプチ参加しました。
相手の周波数にちゃんと合って送信しているか心配でしたが、順調に応答がありました。
これまでコンテストでCQを出すことはほとんどなかったのですが、CQを出してみると間違いなく同じ周波数で呼んでいただけました。
そして、19時27分、CQ HINA TESTを送信すると、N6TI (カリフォルニア州 秋家OM)からコールしていただきました。
このトランシーバでの初DX交信となりました。秋家OM、ありがとうございました。
別の日、海外のDXコンテストの夜に受信してみました。ビッグガンのシグナルを受信すると、スピーカーが壊れるのではないかと思われるほどのひどい音が出ます。
AGCをなんとかすると更に使いやすくなるのでしょうが、しばらくはこのままで使ってみようと思います。

 製作にあたって、JF1RNRさんの本、JG3ADQさんのホームページ、JG1EADさんのホームページ他からたくさんのノウハウをいただきました。
この場をお借りして、御礼申し上げます。ありがとうございました。

《仕様》

 送信出力   1W
 送受信周波数  7.000から7.034MHz
 電源電圧    DC12V
 送信時消費電流 265mA
 受信時消費電流 35mA(最低音量時)
 外形寸法  200(W)×81(H)×180(D)(突起物含まず)

編集担当から

 高野さん、追加報告ありがとうございました。
ケースのレタリングが、キット機のような仕上がりで綺麗ですね。また、メータ穴の仕上がりが上手くて、僕には真似できない仕上がりです。僕もこういう自作機が有ると、知人には「ハムやっているんだよ」と、胸を張って紹介できるのですが、ケースはいつも裸のまま(無塗装)です。
さて、RIT回路は送受切り替えと更に半固定抵抗でのオフセットなど、ダイオードスイッチを使うあたりが、苦労の箇所でしょうか。RIT OFFでもバリキャップには通電している構成と、また、VXO部との接続コンデンサに、苦労の跡が見えますね。手巻きのVXOコイルは、ツボコアとケースは未使用という構成も、皆さんの参考になるかと思います。(JO1UBD)


アワード発行状況

JK1TCV 栗原 和実

【アワード発行状況】*敬称略

以下のアワードを発行しました。

《QRPアワード Q賞》
No 10 JA0BYV 佐藤敏夫 発行日2014年3月17日
No 11 JM1ATF 伊南栄治 発行日2014年3月17日

《QRPアワード P賞》
No 4  JA0BYV 佐藤敏夫 発行日2014年3月17日

《QRP100局/W 賞》
No 42 JA0BYV 佐藤敏夫 発行日2014年3月17日
No 43 JG7UVO 我妻明文 発行日2014年3月17日

【アワード発行者からのお知らせ】
QRPクラブ員の皆さん、アワード発行担当のJK1TCV 栗原です。
このたび、都合により今年の3月をもって、アワードの発行担当を辞することになりました。
2005年から9年間担当をさせていただきました。
ありがとうございました。


編集後記

JO1UBD 丸山 裕二

★新年度1号目となります4月号をお届けいたします。これまで連載を頂いておりましたOMさん方へお願いして、以前のようにQRP運用やアイボール会の話題も再開しました。これらの活動報告を見て、会員の皆さんも取り組んでみようという刺激になればと思います。

★各種キット販売でおなじみのキャリブレーションさんは、4月よりJCC3508市へQSYされて営業が再開しました。復活HAMな方は、FCZ/Calキットで軽く腕試しは如何でしょうか。

★先月号でお伝えした、エレクラフトのKXPA100の移動局50W申請は、現在はKX3本体とともにROM書き込みが必要でドック入しております。免許が下りましたら報告しようと思います。PX3は、夏までには導入したいと思います。

★これからコンディションも上昇してきますので、5月連休の頃には15m SSBで1から8エリア間のQRP交信も可能になるのではないでしょうか。ALL JAでは期待したいと思います。(昨年は5W SSBでも十分に届きました)

★消費増税直前の駆け込み需要は、ハムの世界でもあったようですね。3月末にあったセールでは、大変賑わっていました。そういう場面に居ると、催眠術にかかったように感染してしまいました。

★災害時の非常通信手段の確保として、1,200MHz帯のD-Star Digital Dataモードでイタズラしています。スカイツリー反射伝搬なためなのか、QRPにすると上手くアクセスできず、また、見通しな位置関係でも何故かQRPでは上手く行かず。雨が降ると上手く行かず………。RTTが100msくらいありますのでピンポン通信では転送量は見劣りしますが、電子メールなどテキストベースでは十分な通信手段です。ネットを巡回していると、ID-1の生産が終了したようです。

「きゅうあ~るぴぃ~コミュニティ」主催の第5回 QRP Sprintコンテストが5月11日に開催されます。2wayQRPでのQSOがルールですので、製作中の機器テスト運用などには、貴重な機会ではないでしょうか。詳しくは、コンテスト規約をご参照下さい。僕もこのコンテストでQRP運用にハマりました(聞こえるんだけど届かないもどかしさ)。

★全国のQRP愛好者によるQRPデー特別記念局の運用が4月26日から始ります。今年は次の4つのエリアで運用されます。

 〇8J2VLP

 〇8J4VLP

 〇8J6VLP

 〇8J9VLP

★QRPクラブ会員の皆様からの投稿をお待ちします。移動運用の予定、これまで会報に載った記事に対する追試など、また、昔の秋葉原での回想録(信越、国際、九十九、亜土など)、また、開局当時の思い出など、QRPを通じたハム活動の結果をお待ち致します。投稿の宛先はqrpnews@jaqrp.net です。(@を半角に変えてください)

JA8IRQ 福島 誠

★QRPクラブでは年度末に行われた役員選挙で以下の役員が選出されました。

会長 JA8IRQ 福島  誠
副会長 JE1ECF 斎藤  毅
事務局長 JR1QJO 矢部伊知郎
会計担当 JS1BVK 山田 哲也
監査役 JR7HAN 花野 峰行
監査役 JE1UCI 冨川 寿夫

任期は2017年3月末までになります。
QRPクラブ会員およびアマチュア無線愛好者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。