2012年7月号 Vol.55-04 7月28日発行
8月は「ハムフェア2012」
JE1ECF 斎藤 毅
今年もハムフェアに出展します。皆さんのお立ち寄りをお待ち致します。
開催日:2012年8月25日(土)・26日(日)
開催場所:東京ビッグサイト西2ホール
会場の中央部(J-48)がクラブブースです。
※7/20に展示作品のエントリーを終了しました。(当日の飛び入り展示は受付いたしません。)
※今年も来場コメントをお書きいただきますのでご自分の会員番号は覚えておいてください。
※当日、お立ち寄り頂いた会員の方にはアンケートに回答をお願い致します。
質問はずばり、「クラブに入会してあなたがやってみたいことは?」です。
関ハム終わる
JS1BVK 山田 哲也
7月14日~15日の2日間,今年も大阪池田市民文化会館で関西ハムフェスティバルが開かれました。今年は前日からのお天気が悪く、逆に例年のような熱中症に罹る心配はありませんでした。
JARL QRP CLUB の今年の展示物は、JA3JJE 南さんが自作Lメーターを、JR3TGS 稲田さんが周波数表示器を、JG3ADQ 永井さんが自作7MHz/SSB トランシーバーとVCHアンテナを、JI3BSB 山本さんが自作のストレートラジオとスーパーヘテロダインラジオを、JG6DFK 児玉さんは,自作Qメーターを展示して下さり、それぞれ多くのギャラリーから質問を受けていました.
今年の出展に際しては、FCZコイルが製造終了した事を受け、コイルを自作する事もテーマの1つに置きました。南さんのLメーターはコイル製作に際してのモノサシとも言える物です。また、コイルを巻くに当ってのノウハウの走りの部分を、単層ソレノイドコイル、トロイダルコイル,10Kボビンに巻くコイルに分け,A4用紙1枚にまとめた物を配布しましたところ、用意した分が総て無くなりました。
毎年思う事は、事前の準備がどうしても思うように進まず、今年ももう少し充実した内容に出来るはずでした。しかし、これは例年のそして永遠のテーマかも知れません。今年は横断幕を取り付けるフレームを製作した事が、昨年の反省点に対する対処とも言えます。
海外のQRPer
JA1KGW 青山憲太郞
IZ7DJR/QRP, Ninoさんと10年振りに彼の50cmアンテナと5Wで2WAY QRP QSO
IZ7DJR/QRP、Ninoさんと5月19日に14MHzで05:58JSTに10年ぶりに2WAY QRP QSOができました。
10年前の2002年10月31日に14MHzで17:01JSTに1st 2WAY QRP QSOをしていますが、そのときも1m程度の“SAMURAIアンテナ”と2.5Wでした。今回は、50cmの”ZIPPIROアンテナ“です。我が国でEHアンテナが出現する以前からこの種の小型アンテナに興味を持って自作を繰り返しているようです。QSLカードの裏面に書かれた手紙です。(原文のママ)
Dear Ken very glad to meet you again after 10 years ! every time with 5xqrp 5W. Yes my little ZIPPIRO Antenna only half-meter length. I contacted you the same weak for 3 times! I used (10 years ago) another version of “ ZIPPIRO-Antenna”. Always half-meter-length! Visit my Web site qnd if you need contact me for DX fests, 73 de IZ7DJR/Nino
因みに、IZ7DJR、Ninoさんの“ZIPPIRO”アンテナのホームページは、 次のWebで設計データーや写真などを見ることができます。
DX短信
JA1KGW 青山憲太郞
この原稿を書いている7月17日には、NICT 宇宙天気に関する臨時情報によるとSC型(急始型)地磁気嵐が発生したようです。しかし、SSNは134ですが、午前中は各バンドともDay and Night何れも“Poor”と予想されていましたが、夕方には、ハイバンドから次第に回復しているようでした。
会員通信
初めてのQRP DX通信
JA4CES 星野 博正
5月26日17時30分に144.106MHzでSSB信号が聞こえてきました。ノイズ交じりで弱弱しい信号です。耳を済ませると室戸岬移動と聞こえてきます。
こちらも耳を済ませてコールサインを確認しました。JF5BPT/5です当局はホームQTHは広島ですが、このときは東京の昭島市にいました。マンションの6階から3エレの八木にFT817ND 5Wで応答が無くて当たり前と思いコールすると見事コールバックがありました。レポート交換を済ませQSOが終わりしばらく興奮していました。JF5BPTさん有難うございました。
2エリアQRP懇親会
JF2TWY 畝山 理史
(この原稿はJF2TWYさんのブログより了解を得て転載するものです)
第13回 名古屋大須QRP懇親会は6月16日(土)13時~16時半まで名古屋市中生涯学習センターで行われました。
今回も雨模様でしたが、14名の皆様にご参加いただきました。
うち3名が新規の参加者でした。
また新たなQRPの輪が拡がりました。
ありがとうございました。
≪参加局≫
JA2FO、JA2AEP、JH2FHX、JH2IRW、JR2FPW、JF2NMY、
JF2TWY、JF2UJG、JG2VSF、JL2AEO、JL2BNP、JM2BDG、
JP2LOA、JP2OMU
以下に一部ではありますが、当日の様子を報告します。
最初は、CQ誌「CQ情報室」掲載の本懇親会お知らせを見て初めてご参加くださいましたJL2AEOさんの作品です。FCZ寺子屋シリーズ#067ポケット・トランシーバーの回路をベースに、ジャンク部品を使用するなど工夫して製作されました。学研のトランシーバーに使用されていたトランスを変調トランスとして使用しています。またアンテナ長を確保するため、ホイップアンテナ基部を延長しています。なおこの工夫は、アンテナ本体と電池端子とのショートを避けることにも役立っています。
TNX JL2AEO
初参加のJL2BNPさん、JR2FPWさんは7MHz、21MHz、144MHz帯などにQRVされているそうです。
お空でもお会いできる日を楽しみにしております。遠方よりのご参加ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
TNX JL2BNP、JR2FPW
JF2TWYはAMラジオと極太フェライトバーを持参しました。
ラジオはCQ誌2010年12月号p100~102掲載の単三電池1本で駆動するステレオ・ヘッドホンを利用したストレート・ラジオです。記事によれば、「左右のヘッドホンに加える信号の高域部に、位相差を持たせて音の広がり感を与えています。」とのことで、音としては気に入っています。またラジオのケースにソーラーパネルを取り付け、ニッケル水素電池を充電しています。
また、「ラジオ少年」から購入した極太のフェライトバーにポリウレタン線を巻き、ラジオのアンテナとしてみました。アンテナ感度の比較をしてみたところ、鉄筋コンクリート建ての室内でも快適に受信ができるほどでした。
重量約1kgもあるバー、中国製だと推察しますが、その用途は??
上の作品はCQ誌付録基板で製作したメモリーキーヤーです。
下の作品は大進無線3D無線クラブの回路図を参考に製作したノイズジェネレーターです。
今回はさらに、500kHz帯送信機の構想をご披露いただきました。
15MHz帯を発振させて、その後分周して500KHz帯の電波を生み出すというものです。また新たなアマチュアバンドでの挑戦が始まりました。送受信機の製作のみならず、新しいバンドでの運用から得られる研究成果発表も待ち遠しいものがあります。
TNX JG2VSF
写真中央で手にしている物は、オークションで入手した2.6mのロッドアンテナです。想像以上に軽く、移動運用にも使用できそうです。
近いうちに、アイデアをご披露していただけるかも?
これは、ジャンクコイルを分解するための道具です。シールドケースを簡単に外すことができそうです。
私のような「無銭家」に朗報です。
なお詳細は冨川OMのBEACONエレクトロニクス工作室№90をご覧ください。
赤外線送受信機もご披露いただきました。
TNX JP2OMU
JG3MVGさんがパーツセットとして頒布されている簡易ディップメーターです。
私としては、一度拝見したかった一品です。丁寧な作りとなっているようです。いずれ使用感についてお聞きしたいと思います。
TNX JH2IRW
TEN・TEC,INCの2バンドCW TRXです。第4回懇親会でもご披露いただきましたが、内部を紹介していませんでした。古いものには自作をする際のヒントがいっぱい詰まっており、とても参考になります。 TNX JH2FHX
RF用パワーデバイスFET、MRF255の実験の様子をご披露いただきました。
6Vで4A、13W強の出力があるそうです。これから暴れ馬をどのように調教されるのか楽しみです。
またこれとは別に、実験のノウハウも教えていただきました。
TNX JA2AEP
JF2NMYさんの今年2台目となるTRXの作品です。
50MHz SSB TRXで、
久しぶりにクリスタルフィルターを使用されたそうです。
回路は部品箱にある手持ちのものを利用して組み上げられたそうで、私から見ればまさに名人芸です。
出力は4mWです。ケース・スペースの関係上、基板を縦にして実装されています。
スピーカーは内蔵できないので、前作品同様、スピーカーマイクを使用しています。
なおこの作品は、ハムフェアのJARL QRP CLUBブースにて展示予定です。
現在は3台目のトランシーバーを自作中とのことです。次回のお披露目が今から楽しみです。
2012年 懲りずにJD1小笠原移動運用
#696 JE1ECF 斎藤 毅
6月14日(木)~19日(火)【島での滞在は6月15日(金)~18日(月)】の期間で、今年もJD1小笠原へ移動運用をメインに出かけました。今回で通算7回目の移動となりました。
1、出かけるまで・・・
ここ数年、年明け早々1/4の仕事はじめに上司や同僚から「今年も行くんでしょ?」の一言から新年が始まります。例年4月に入ってから行程決め(乗船する客数が多いと言われる八丈島寄港便を避ける)を行い、自分の利用する1つ前の便(1週間前)で機材を宿に送っておきます。
島のシャックにも工具はあるようですが欠品等状態がわからないため、はんだから一通りの工具、コネクタ等のパーツ一式を用意します。今年はボストンバッグ3つ、固定機ダンボール、折りたたみ自転車、移動用アルミポール等の6つです。(帰りは洗濯物等を入れたバックや土産が追加となります。)
4月に入り、小笠原協会の会員更新(3,000円)を行います。理由は船賃の割引制度(2等船室(雑魚寝)20%引、特2等船室(2段ベッドの蚕棚、列車で例えるとB寝台)10%引)を活用するためです。2等船室だと往復5,000円程度の得となります。それと小笠原海運本社へ出向き、チケット購入と船上での無線運用の申請を行います。
実は、今年は出発日の前日に出張(予備日は出発日)がありヒヤヒヤものでした。過去に仕事の都合で直前になって7月に変更したことがあります。もし、このようなことになっていれば、今年は移動を断念しなければならなかったでしょう。(7月、8月のおが丸は旅行会社がツアー用に確保しているため、常連の個人客が乗船券を手に入れることは難しく、キャンセル待ちとのこと。)
今回、先発便で郵送したTS-690Vは10年程前に受信不能になり、以来使用していなかったものを再生しました。TS-690Vお約束のC104(470μF/10V)の液漏れが原因の症状です。C104は470μF/16Vに交換しました。また、部品交換時に周辺パターンとC103(チップコン0.01μF)を損傷したのでジャンパー線と通常のセラコンにて修復しました。
2、無線の運用
出かける前は行程(島に滞在する期間)に土日が含まれるため、今年は過去に作成したQSLカードを使い切るつもりでした。しかし、コンディションに恵まれず、島でのQSO数は100局に届きませんでした。それでも、おがさわら丸、ははじま丸での船上運用、父島と母島での運用を楽しみました。
島ではTS-690Vを5Wで使用しました。アンテナは父島ではHF帯のハイバンドと50MHzはシャック常設のアンテナを、ローバンド(3.5MHzと7MHz)は自作3.5MHzウィンドムアンテナを使用しました。
母島ではJD1BMG初見さんが設営したアンテナファーム?を使用しました。父島でウィンドムを使用しての3.5MHzの運用では、2年越しの初QSOができました。相手局は50キロ離れた母島のJD1BMG初見さんでしたが・・・。
その他、自作アンテナの給電部分が断線したため、今回はじめて持参したハンダゴテを使用することとなり、よかったのやらわるかったのやら・・・。
ははじま丸での船上運用ですが前もっての許可を得ていませんでした(天候により母島行きを断念することを視野に入れていたため)が、当日、口頭にて申請したところクルーから快く承諾を得ることができました。(他のお客さんが高齢の方が多く炎天下のデッキに出る人が少なかったからと推測します。)
3、母島来島
かねてより、初見さんから「母島にも着なよ」と誘いを受けており、今回初めて訪れました。
母島は父島からさらに50キロ南下した位置にあり、面積は20.21k㎡、高さは462.6mの島です。来島手段は父島二見港と母島沖港を約2時間で結ぶ「ははじま丸」です。
島内の移動は父島のようにコミュニティーバスの運行はなく、徒歩、レンタサイクル、レンタルバイク、レンタカー、乗り合いタクシーになります。私はレンタルバイクを使い、初見ガイドの案内で1時間半程、島の南部を周りました。レンタルバイクはガソリン満タン返しが不要で港に乗り捨て自由な「ナンプー」を利用しました。今回の母島来島目的の1つに無線運用のほか都道最南端の地をめぐることが有りました。
4、今回のQSO
項目 | おがさわら丸 | 父島 | ははじま丸 | 母島 |
3.5MHz | 1局 | |||
7MHz | 5局 | |||
21MHz | 43局 | 33局 | 16局 | 23局 |
50MHz | 2局 | |||
小計 | 45局 | 39局 | 16局 | 23局 |
合計 | 123局 |
※今回使用したウィンドムアンテナは、撤収前にアナライザで測定してみると共振周波数は3.2MHzとなっていました。草木やエレンメントの高さ等多摩川の土手より条件が悪すぎました。というより、アンテナチューナーに頼りすぎたことが間違いでした。
5、おまけ
復路の「おが丸」から望む太平洋の夕日。【この2日後、内地(都内)は台風が・・・。】
以上
編集後記
JI3BSB 山本 節也
関ハムに参加してきました。中高年が多いのは、こういう集まりの常かもしれませんが、時々、親子連れがいたりします。「お父さんはアマチュア無線をやっているのかな」と思いました。2ndさんが、後継者になってくれると、この業界も存続していくのでは、と考えました。
原稿はji3bsb@yahoo.co.jpまで。次号の締め切りは、8月10日です。