JARL QRPクラブ会報 2014年11月12日発行 Vol.57-8
No. | 2014年11月号 目次 | コールサイン | 筆者 |
---|---|---|---|
1 | 佐世保の針尾無線塔と道の駅多良運用データ | JR3ELR/1 | 吉本 信之 |
2 | QRPコンテストで試用した自作機(報告) | JG1SMD | 石川 英正 |
3 | QRPなDXの世界 | JA1KGW | 青山 憲太郎 (Kentaro Aoyama) |
4 | DX短信 | JA1KGW | 青山 憲太郎 (Kentaro Aoyama) |
5 | KX3のパナアダプタキットと 2mトランスバータ |
JO1UBD | 丸山 裕二 |
6 | トラ技11月号のアンプ製作 | JO1UBD | 丸山 裕二 | 7 | アマチュア無線局免許の簡素化 | JI3BSB | 山本 節也 |
8 | 近況報告 | 7K4VQV (AD7TN) | 坪井 望 (Nozomi Tsuboi) |
9 | QRPコンテスト参加のお礼 | ||
10 | 編集後記 | JO1UBD | 丸山 裕二 |
JA8IRQ | 福島 誠 |
佐世保の針尾無線塔と道の駅多良運用データ
#33 JR3ELR/1 吉本 信之
OTの昔話に時折登場してくる佐世保市針尾島の針尾無線塔を見に行ってきました。
(島への交通手段)
1.成田~佐賀空港便
チャンスは突然に訪れます。航空券が往復3k円、来年3月末迄期間限定の県の補助でレンタカーが自己負担2k円/48時間(基本料金)の破格のバーゲン価格が目に入った瞬間、これを逃すと次のチャンスは無い、針尾島打電即時決行決まり!!。もう、次が無いかもしれない齢(よわい)なんです。HI
2.移動コース
佐賀空港から高速道路で針尾島の手前まで直行。そこからはハウステンボスを横目に西海パールライン経由長崎半島の西海岸を回り長崎市冨浜で宿泊。翌朝雲仙の手前から有明海を見ながら北上して佐賀空港に戻る24時間コースです。
3.昼飯・食堂
食料確保を常に心配する離島移動運用と違って、佐賀市は経産牛の廃牛消費食「シシリアンライス」、長崎市はトルコライスと採卵鶏の廃鶏消費食「ざんぎ」に加え集落ごとのローカル食材トッピングちゃんぽんと、味が濃く旨みが深いD級グルメの数々が道すがら目に入りますが食べきれませんでした。(写真1)
【写真1】佐賀シシリアンライス
(QRP運用地点)
1.西海パールライン針尾島高畑パーキングエリア
運用地選びの第一条件はトイレと水、次がロケーションです。googleストリートで机上調査してここを選びました。利用者も少なく安心して打電に専念できました。但し、ここからは丘の陰に隠れて無線塔が見えません。40mLW/5W/10MHz/19分間で13局交信し、見学終了時刻を過ぎてからの金網越しの無線塔見学になりました。(写真2,3,4,5)
【写真2】高畑パーキングエリアで打電
【写真3】針尾無線機室
【写真4】針尾無線塔
【写真5】針尾無線塔
2.道の駅 多良
ここは駐車場北側の展望施設側がガラガラで気楽に運用できます。そして180度に広がる有明海のロケーションは抜群です。40cm長ATX/5W/10MHz/9分間で9局交信して終了しました。(写真6)
【写真6】道の駅多良で打電
(通信遺跡巡礼)
樺太~猿払海底通信線陸揚所跡、根室~国後海底通信線陸揚所跡、落石局跡、依佐美送信所跡、船橋送信所跡、検見川送信所跡、松代大本営象山通信壕、対馬オメガ塔跡、慶佐次ロラン塔、淡水~石垣海底通信線陸揚所跡、豊見城海軍壕通信室、西表島舟浮要塞T字空中線展開跡と数々の通信遺跡を巡り時折実証実験もしてきました。でも、QRPクラブの何人かが目にしたと伝えきく硫黄島のロラン塔跡をわに口クリップでむすんだアンテナで打電だけは終生まぼろしのままで終わりそうです。
編集担当から
吉本さん、投稿ありがとうございます。アクティブに各地に出向いてますね。googleストリートは、移動運用場所の候補地を探すのに便利ですよね、僕も良く使っています。(JO1UBD)
QRPコンテストで試用した自作機(報告)
#988 JG1SMD 石川 英正
11月3日のQRPコンテストには、参加することに意義があると、自作機3台(6mSSB/21MHzSSB/7MHzAM)を持って利根川河川敷(千葉県印旛郡栄町 JCG#12004)へ行ってきました。
21MHzはそもそも出ている方が少なく、コンテスト周波数あたりでは誰もいらっしゃらなくて残念でした。結局、極東ロシア局1局と交信でき、やれやれという感じでした。
7MHzAMはそもそも7.195MHzがコンテスト周波数内ではありませんので、まったくの参考ですがニセコのOMさんとhisRS55-my45交信することができました。双三極管である6DJ8を99Vでドライブしていますが、やはり1W出力では厳しいかなという感じです。7MHz/AM/QRPのAJD達成にはまだ少しかかりそうです。
バンド/モード | 変調 | 終段管・出力 | 電源・アンテナ |
---|---|---|---|
21MHz/SSB | 平衡変調 (ダイオードDBM) |
2SC1970、0.5W | 鉛バッテリー(12V) ダイポール |
7MHz/AM | 低電力変調 変調器 LM386 (緩衝増幅段の2SC1815に変調をかけています) |
6DJ8、1.2W | C電源 鉛バッテリー(12V) B電源 006P×11個(99V) ダイポール |
50MHz/SSB | 平衡変調 変調器 TA7368P |
2SC2053、0.2W | C電源 鉛バッテリー(12V) 2エレHB9CV |
編集担当から
石川さん、参加録ありがとうございます。10~11時の間に15mへ覗きに行きましたが、同時開催のJA9コンテスト参加局は入っていましたが、QRPコンテスト参加局は発見出来ませんでした(21.360MHz/SSBでCQ出してましたが1時間くらいで収穫ゼロで撤収)。6mもお昼頃には諦めて、途中で秋葉原散策に出掛けてしまいました。夕方~夜に掛けては入感ゼロでした。
ところでB電源の006Pを11個とは、壮絶ですね、Hi。(JO1UBD)
石川さん、報告ありがとうございます。球式AMでも終段プレート変調じゃなく低電力変調にしたのですね。移動式の球式AM送信機は私も計画しましたが完成しないまま押入に眠っています。(JA8IRQ)
QRPなDXの世界
海外のQRPer
#377 JA1KGW 青山憲太郎(Kentaro Aoyama)
~UA9AAG/QRP, Wladimir(Vlad)さんとの2WAY QRP QSO~
2013年の28MHzのハイバンドのオープンの先駆けは、私のログを調べますと8月21日に28.060MHzで2WAY QRP QSOが出来たUA9AAG/QRP、Vladさんでした。その後暫くは28MHzのオープンがありませんでしたが、10月に入ると連日のハイバンド、特に28MHzがオープンしていました。2WAY QRP QSOが出来たUA9AAG/QRP、VladさんのQTHはMAGNITOGORSKです。
QRZ.COMから引用しますと右上の赤白のマークがQTHを示しています。
【UA9AAG/QRP, Wladimir(Vlad)さんのQSL】
一方、UA9AAG/QRP、VladさんのQSLカードには、ロシアのRU QRP CLUB会員、#311およびウクライナUK QRPCLUB会員、#281になっています。地理的に見ますと目下ロシアが編入したウクライナのクリミア半島や個別選挙が実施され、未だに戦争が激しく行われているウクライナ東部地区とは、地理的には近くになります。アマチュア無線家はロシアとウクライナのQRP CLUBに所属して仲良く相互の理解が出来ているのに比べて、現実は余りにも過酷です。一日も早く紛争の決着が付くようにEUとロシアの歩み寄りを希望するのみです。
編集担当から
青山さん、いつもありがとうございます。夏頃のマレーシア航空機の撃墜からキナ臭い雰囲気がありましたが、最近は報道が途絶えた印象です。あのチェルノブイリ原発は、今のウクライナ国に有ることは、意外と知られてないのかもしれません。
さて、いつも紹介下さるQSLを見ていると、皆さんデザインに工夫されていて、今月のQSLカードは、ちょうとボタンのところがレポート欄で、とてもお洒落ですね。(JO1UBD)
DX短信
#377 JA1KGW 青山憲太郎(Kentaro Aoyama)
~28MHzでのWSPR運用とDL2WB,Tomさんからのレポート~
DX短信では、毎回のようにハイバンド、特に28MHzがEUやWは勿論のこと、南米などに大変良くオープンしているとの報告があります。直近では、ハイバンドのオープンの状態をWSPRで毎日のようにワッチしています。ご承知の通り、毎日の電波伝搬を他局のレポートによらずに、自分自身でバンドをワッチして確認する手段があります。
まず思い出すのは、CQ誌の毎月号に掲載されている“今月の電波伝搬予報”の欄に掲載されているIPB(International Beacon Project)を利用する方法です。指定された周波数(14~28MHzまでの5波)が決められた時間間隔で4U1UN~18局(日本ではJA2IGY)から毎秒ごとに100/10/1/0.1Wでキャリア送信が行われています。このキャリアを受信すれば、自分が希望する周波数、地域への電波伝搬が予想できます。
一方、WSPRは、もう少し積極的に指定した周波数(28MHzであれば28.1261MHz)の電波を発射して、世界中でこの周波数をワッチしている局からのレポートおよび同様に世界各地からの電波の受信状況をセンターへインターネットを介して送信したデーターをほぼ同時刻で見ることができます。最近1ヶ月ほどJA2OPのコールサインでWSPRを運用しています。
先日、11月9日に、DL2WB,Tomさんから下記のメールが届きました。
Good evening Aoyama-san,
what a pleasure to see that you copied my WSPR beacon!
I am running a very modest WSPR setup on this side:
– Ultimate 2 kit (designed by Hans Summers, G0UPL)
– with additional GPS receiver and active indoor-antenna
– power output is ca. 200 mW into a
– horizontal 28 MHz quarterwave on a Bamboo whip out of the kitchen window.
My homepage shows some images: www.qsl.net/dl2wb
Thank you very much for running your WSPR setup and uploading the spots!
Let me know whether you would like to receive a QSL card that confirms your reception report (paper, PDF or other format).
Best regards from Bavaria,
Tom, DL2WB
28MHzバンドで、出力電力が200mW、しかも手作りの1/4λ竹竿アンテナをキッチンの窓から突き出して運用しているようです。WSPRでの受信のQSLカードを送ると言うことですから調べてみました。併せて、DL2WB,Tomさんのホームページを参照してください。
【図1】WSPR Spot Database
WSPRデータ・ベースを調べてみると上の画面のように、11月5日、00:56および09:02UTCでDL2WBの信号をそれぞれ-24および-20dB(CWのRSTに相当)でJA2OPが受信できていることが判ります。これらは、全て自動的にアップロードされたデータです。
DL2WB,Tomさんには、WSPRのSWLカードを送ってくれるように依頼をしました。JT65でカントリー数を増やすことの助けに是非ともWSPRの運用をトライしてみは如何でしょうか?尚、私のWSPRへの入門は5年ほど前にJA5EA 間(あいだ)OMからのご指導で入門し、引き続きJT65へと運用を広げて現在に至っています。
編集担当から
ベランダアンテナでは、IBPの5波、14.100MHz、18.110MHz、21.150MHz、24.930MHz、28.200MHzはノイズに埋もれて全滅で、東京都大田区の50.490MHzビーコンですら、たまに聞こえなくなります。さて、時間帯によって開ける方面がが異なりますが、地球上の様々な地域と交信が出来るDXerの皆様にとっては、地球は小さく感じるのでしょうかね。僕には23区すら広大ですHi。(JO1UBD)
KX3のパナアダプタキットと2mトランスバータ
#993 JO1UBD 丸山 裕二
春に予約したパナアダプタ(PX3)と2mトランスバータが到着しましたので、使用感などを簡単に報告します。
キット版のPX3を選びましたので、簡単な組立てが1時間弱かかりました。その中で一番難しかったのは、電源ボードを差し込む箇所で、ピン数の多いコネクタが固くて最後まで押し込めず、また、変な処を押すとピンが曲がってしまいそうでした。
【図1】PX3キット
【図2】ここのコネクタが固くて難儀しました
それ以外の箇所は難なくプラモデル感覚で組立ては終わりました。調整箇所は多いので、これから少しずつチューニングして行く計画で、取り合えず出荷時の設定で使用しています。調整には、XG3とXG50(まだ組み立ててません)が必要です。
使用感ですが、KX3+KXPA100+PX3を並べるとケーブル結線が多いので、決してスマートとは言えません。特にKX3~PX3間のI/Q信号が通過するケーブルは指定されていますので、これを変えると特性が大きく変わる可能性があります。また、電源ケーブルは、2股分岐を作成して、安定化電源からは1系統で済むようにしました。
次に実際の動作具合ですが、一度使うともう手放せない便利さで、バンド内のどこかで誰かが出ているのかが一目で判ります。帯域を絞って行くと変調の具合などが判ります。ただ、外来ノイズの影響なのか、時々PX3はフリーズします。その際は、KX3~KXPA100間の通信も途絶えていますので、復旧方法としては、PX3の電源OFF/ONとKX3のメニューの「PA MODE」を再びONにする必要があります。機器間のケーブルにパッチンコアを取り付けながら、原因を調べたいと思います。(なお、単体で、内蔵CQマシーン使用の送信でも、たまにフリーズがあります)
さて、使用感としての良いところは、AMモードのゼロインが可視化され、非常に簡単になりました。また、ACAGコンテストでは、バンド内の隙間やCQ局の出現発見など、非常に便利だと感じました。CQ局が出現すると、その前後でATUチューンを一旦取る様子などが見えます、Hi。11/3のQRPコンテストでは、バンド内を見ていましたが(見張っていました)、残念ながら僕の常置場所では筑波山移動局しか見付けられずでした。
短期間の使用で感じたのは、ノイズフロア付近の音には出て来ない信号分が、PX3では見えるという事でした。特に僕のベランダアンテナはノイズレベルが高く、聞こえてこないような低電界レベルな信号でも、何か居るなぁーと見えていました。
次に2mトランスバータは、TSS申請を未だ提出して無いので、組み込みは未着手です(泉州サバイバルに間に合わなかったので)。カタログ写真ではクレジットカード程度の大きさで数W出力との事で、ボードを見る限りはどうやって増幅しているのか疑問でした。実際にボードを手にすると、なるほど、基板裏面にFETが飛び出ていました。2mトランスバータを内蔵すると、アンテナ端子はKX3のSMAになりますが、Elecraft社からはBNCコネクタへのリプレース改造が49ドルのオプションで販売されています(KX3BNCMDKT)。詳細が不明なので、どのような改造なのか判りません。側面カバーの交換なのか、リーマーで穴を大きくするのかなど、様々な方法が考えられます。当面はワッチしていたいと思います。
【図3】2mトランスバータ
【図4】裏面にファイナルFETのRD15VFH1が取り付けられている
【図5】ACAG時の50.275MHz付近の様子
【図6】AM変調のスペクトラムの様子
トラ技11月号のアンプ製作
#993 JO1UBD 丸山 裕二
最近の月刊トランジスタ技術誌は、ハムに関する記事が増えている印象で、特に9月号の『フルディジタル無線』で製作しているHF機、TRX-305はコンパクトながら実用性も十分そうです(値段も凄いですけど Hi)。
また、QRPクラブ会員の方の執筆記事もあり、目が離せない状態です。そうした中で11月号の『私の部品箱』に掲載された「シンプル/調整不要/一発動作!三拍子揃った高周波FET 2SK241」について簡単に追試してみました。
【図1】トランジスタ技術誌(2014年11月号)
【図2】私の部品箱(トラ技226頁、2014年11月号)
2SK241は既に生産終了ですが、比較的に安定して、また安価に入手出来ていたFETで、皆さん一度は使った素子ではないでしょうか。受信系の初段に使っても良し、送信系のMixer直後に使ってもよし、また、トラ技記事でも触れられていますが周辺部品が少なく、簡単に所要の性能を得ることができます。これまでに作っていた構成では入力/出力にそれぞれFCZコイル(または代替コイル)を使っていましたが、トラ技記事では、出力側がトロイダルコアになりますので、ちょっと試してみたいと思いました。(手頃な気分転換な工作として、アンプ作ったり、バラン巻いたりと、秋の夜長は忙しくなります、Hi)
【図3】トラ技11月号の2SK241アンプ
50MHz版で作成し、完成後は10月号会報に紹介したエレクラフトのシグナルソースを信号源として2SK241アンプに加え、出力はスペアナに繋いで調整を行いました。利得は約20dBでした。また、「ちょっとパワーが欲しい時」の2SK241並列接続では、約23dBでした。ついでに後段に2SC2053、2SC2078と……。
【図4】2SK241×2+2SC2053
【図5】2SC2078
また、秋葉原店の限定なのかと思いますが、「2SK161-O」がレジ横に並んでいましたので、同じように製作してみました。周辺部品の定数をそのままとして1セット、”O”でしたのでソース抵抗は無しの接地直結で5V動作用としてR1/R3を小さくしたモノをもう2台作りました。いろいろイタズラしていると、15dBの利得で意外と使えるかもしれないと気を良くしたのですが、その時のドレイン電流は6.67mAで、ちょっと流し過ぎでしたのでOランクの範囲内(1.5~3.5mA)へ再調整したら約10dBの利得になりました。今のところ何に使うのかのアイディアはありませんが、秋の夜長は特性を測ってニヤニヤして終わりです、Hi。トロイダルコイルの固定方法は、スポンジ型の両面テープで粘着しましたが、バラック工作には、今のところのベスト方法かと思います。実験中に2SK241は6V程度の低電圧では不安定であったとの指摘により、5V動作でイタズラしていましたが、今のところ悪い点は見当たらず、動作も安定していました。
【図6】2SK161アンプ 3セット
【図7】2SK161-O、-44dBm入力時(ドレイン電流2.33mA/DC5V)
【図8】2SK161-O、-44dBm入力時(ドレイン電流6.67mA/DC5V)
トラ技記事による影響かと思いますが、10月中旬以降に秋月電子通商の店頭から「2SK241-Y」が消えてしまいました。普段の秋葉原店ではチャック袋入り商品が無くても在庫として有った店頭展示品(カウンターの1個売りの処)すら無く、11/3時点では通販、八潮店も全滅でしたが、秋葉原店限定で「2SK241-GR」が復活していました。秋の夜長の電子工作、皆さんも同じように追試されているように思いました。
【図9】左から2SK241-Y、2SK241-GR、2SK161-O
【図10】2SK241と2SK161の比較
【図11】現用品な2SC3356だと、目が疲れますHi
アマチュア無線局免許の簡素化
#364 JI3BSB 山本 節也
既に、メーリングリスト(ja_qrp)でご承知の方もおられると思いますが、総務省内で、アマチュア無線局の免許について、簡素化の方向が検討されているようです。
評価は様々あり、私自身、危険な方向も含まれているような気もするのですが、簡素化が検討されている事実そのものは、大事だと思っています。
そこで、QRPクラブとして、これについて、要望、つまり、真にアマチュアの立場にたった簡素化を総務省に要望したらどうかと考えます。
参考になるのは、1978年に当時の当クラブが、AM保存会とともにJARLへ出した要望です。
この要望は、「HAMの原点は自作した無線機でQSOすることにあるのだが、現在は無線機を変更するたびになうにはその都度変更申請(届)を提出しなければならない」、「自由に実験できる包括免許を採用している国もあるが、我が国の電波法規上すぐに許可される可能性は低いと考える。しかし、無線局の指定事項の変更をきたさない電力ならば現行法の精神から見ても可能性はあるように見える」、「これが実現すれば、JAのハムの健全な発展に寄与すること大であると考える。私達はここにJARLがこの制度の実現のために主体的に(会員の協力によって)行動を起こされるよう要望する」との内容です。
1978年の第2回ハムフェス(晴海でおこなわれた)の会場で提示され、190人の方から賛同があったそうです。残念ながら、JARLはこの要望に応えず、今日に到っています。
この精神を今日、再度生かすべきではないでしょうか。
なお、この要望書を調べることにつきましては、前会長のJH1FCZ 大久保 忠さんに大変ご尽力いただきました。紙面を借りてお礼を申し上げます。
編集担当から
山本さん、投稿ありがとうございました。非技術基準適合機の変更申請は保証認定を経ての手続きな為、約1ヶ月くらいの時間が掛かり、製作した時の熱が冷めた頃に免許が下りて、その頃には次なる改良が進んでいて更に変更申請を既に出して、途中で訳が分からない状態に陥りました。では製作に取り掛かる前に予め申請をしておいて……計画していた水晶が入手できず、更に変更申請という悪循環に。今年最後の分は11月末に纏めて申請しようと溜め込んでいます。(JO1UBD)
山本さん、提案ありがとうございます。山本さんたちの提案を受けて、いま、QRPクラブの会員有志で非公式にこの問題で何かできないかをMLで議論しているところです。興味のある方は福島(ja8irqアットマークjaqrp.net)にメールをください。
近況報告
#525 7K4VQV (AD7TN) 坪井望 Nozomi Tsuboi
1年振りに仕事のため日本に1時帰国いたしました。
宿泊した横浜のホテルの部屋は35階で、富士山から東京スカイツリーまで見える好ロケーション。
アメリカから持参したアイコムのハンディ機 IC-Q7 (出力280mW)で部屋から430Mhz FMにオンエアしてみました。
午後10時ころからの運用でしたが、5回の運用で東京、神奈川の局、合計12交信することが出来ました。
クラブメンバーのJA1UNS 笈川さん、JG1EAD 仙波さんからコールがありました。
数キロしか離れていないはずのJL1KRA 中島さんの信号は残念ながら取れませんでした。
久し振りの日本での運用を楽しむことが出来ました。みなさんコールありがとうございました。
前後しますが、8月に引越しました。前の住まいから5キロくらい離れたところですが、新居でのアンテナの準備が整うまで、ミラクルホイップというアンテナでワッチをしていました。
家は木造、シャックは2階の東向きの部屋ですが、7.076 JT65モードでアメリカ国内局が見えました。強く入感していたN4CEを呼ぶと一発でコールバックがありました (HIS -7dB/MY -18dB)。
約800キロ離れていましたが、このようなアンテナに5Wで交信出来るとは思いませんでした。日本とアメリカでQRPを楽しめた9月~10月でした。
10月中旬に屋根裏に28m長のロングワイヤーを設置しました。
受信、交信のデータがもう少し集まってきましたら、会報で報告したいと思います。
【写真1】自宅シャックで使用中のアンテナ
【写真2】自宅シャックで使用中のアンテナ
【写真3】使用状態
【写真4】日本滞在中のホテルからのQRV
編集担当から
坪井さん、報告ありがとうございます。屋内の高層階からのQRVは、関東一円に飛んだのではと思います。でも先日に、東京駅前の丸ビル展望台からハンディーでQRVされている方が居まして、RS59で入感していましたが、何故か呼んでもNGでした。意外とQSOできない状態があるようです。もしかしたら、窓ガラスに含まれているUVカット成分が効いているかもしれません。(JO1UBD)
UVカットでもHFなら大丈夫かも・・・(JA8IRQ)
QRPコンテスト参加のお礼
11月3日に開催しましたQRPコンテストには、多数の方々に参加頂きましてありがとうございました。
e-mailでログを提出された方には、折り返し受領確認のメールを差し上げいていますが、受領確認メールが届いていない方はロストメールの可能性がありますので下記までご連絡ください。
ja8diqアットjarl.com (アットは@に変換のこと)
尚、ログの提出締め切りは、11月23日(郵送の場合は必着)となりますので、お忘れなく提出をお願いします。
編集後記
JO1UBD 丸山 裕二
★11月号をお届けいたします。今月も皆様のご協力により発刊できました。ありがとうございます。
★だいぶ寒くなってきましたので、移動運用は来春までお休みになります。しかしベランダからのモービルホイップは、ノイズが多くて、自然と半田コテを握る機会が多くなります。
★以前に家庭用録画機のベータについて、大々的に新聞広告が出ました。その後の経緯は皆さんご存知の通りです。最近見たHAMの広告で、1,200MHzに関するモノがありました。1,200MHz帯の動向が心配です。
★QRPコンテストの参加レポートやRigや周辺機器の製作や工夫など、皆さんからの投稿をお待ち致します。
投稿の宛先は、qrpnews@jaqrp.net です。(@を半角に変えてください)
JA8IRQ 福島 誠
★街にクリスマスソングが流れる季節になってきました。QRPクラブは再来年が発足60周年となりますので、そのための準備をそろそろ始めなくてはなりません。QRPという面白い遊びを、年若い人たちにも楽しんでもらいたいと思っていますが、この会報で楽しさが伝わっているでしょうか?
★来月は、いつものブログ会報以外に会員(正員)向けに紙版会報も発行する予定ですので年末の忙しさが倍になります。会報への投稿をお待ちしています。