JARL QRPクラブ会報 2014年8月号 Vol.57-5

投稿者: | 2014年8月12日


No. 2014年8月号 目次 コールサイン 筆者
1 札幌QRPメンバーの「2014フィールドディ」参加報告 JA8AVC 高橋 三郎
2 初めての移動運用 フィールドデー参加レポート JA8CXX 高野 順一
3 FDコンテスト JH1HTK 増沢 隆久(Taka)
4 今年のFDは……自宅からの参加となりました JO1UBD 丸山 裕二
5 IARU HF Championship参加 JG3EHD 西村 庸
6 QRPなDXの世界 JA1KGW 青山憲太郎 Kentaro Aoyama
7 DX短信 JA1KGW 青山憲太郎 Kentaro Aoyama
8 FT-8×7シリーズのフィルタ改良……失敗談 JO1UBD 丸山 裕二
9 第182回秋葉QRP懇親会顛末記 JR1QJO 矢部 伊知郎
10 (予告編)自作単球6L6 QRP機 VE3CGC 林 寛義
11 JARL QRP CLUB 全国集会2014のお知らせ JS1BVK 山田 哲也
12 編集後記 JO1UBD 丸山 裕二
JA8IRQ 福島 誠

【コンテスト参戦記特集】

8月号巻頭の特集は、コンテスト参戦の報告です。春のALL JAに始り、秋のACAGまでの間はハムにとっては、一番アクティビティが高まるのでは無いでしょうか。そうした中でのコンテストは、これまでに準備した様々な事が役立ったり、または、欠点として現れたり、何か得る事があると思います。QRPerのコンテスト参戦記を参考に、皆さんも是非参加してみてはいかがでしょうか。


札幌QRPメンバーの「2014フィールドディ」参加報告

#820 JA8AVC 高橋 三郎

 札幌QRPメンバーは今年もフィールドディ(FD)に参加しましたので報告します。札幌QRPがFDで集まるようになったのは2009年からですが、今年は「都合で参加出来ない」「急遽用事ができた」などが続出して結局集まったのは6局だけでした。また、火気厳禁の場所だったため例年お楽しみのBBQができないFDとなりました。
 この日の札幌は気温28度、無風であったため、簡易アンテナもフラつかず最高のFD日和でした。ただ伝搬状況は、関東から近畿にかけて開けていましたが、中国・四国・九州がイマイチという状況でした。

JA8CCR
【ただひとり宿泊して運用したJA8CCRさん】

JA8CCR
【JA8CCRさんのアンテナは14/21/50MHzの3バンド】

JA8CXX
【木陰でキーを叩くJA8CXXさん】

JA8CXX
【JA8CXXさんのアンテナは21MHzのみ】

JA8AVC
【もっぱら受信専門のJA8AVC】

JA8JDQ
【14MHzの釣竿アンテナを自転車に縛り付けたJA8JDQさん】

JH8LDW
【ピコ6を持って自転車で駆け付けたJH8LDWさん】

JL8LJS,JA8CCR,JA8JDQ
【ミーティング中のJR8LJS、JA8CCR、JA8JDQの各局】

編集担当から

 ◆高橋さん、投稿ありがとうございます。
札幌でも気温は28度とは、相当暑かったのではないでしょうか。無風との事で、アンテナ設営には良さそうですね。JA8CCRさんの21MHzのアンテナは、パイプを上から吊って補強しているのでしょうかね、僕も参考にしたいと思います。JA8AVCさんのRigはKN-Q7Aで、JH8LDWさんはピコ6で、QRP機の新旧が集合と言ったところでしょうか。次回の移動運用も報告お願い致します(JO1UBD)

 ◆札幌では自作やQRPの好きなメンバーが「札幌QRPミーティング」という名前で年4回集まって情報交換しており、夏は毎年FDに参加しています。本来、私もメンバーなのですが今年は函館で仕事中のため参加できませんでした。(JA8IRQ)


初めての移動運用 フィールドデー参加レポート

♯971 JA8CXX 高野順一

 札幌QRPミーティング恒例のフィールドデーコンテストに初参加しました。当局にとって初めての移動運用でもあります。
集合場所は札幌市白石区の豊平川桜の杜公園駐車場です。
 8月3日の朝6時ころ現地に到着しました。すでにJA8CCR/阿部さんが駐車場に3種類のアンテナを立てて運用中。前日夕方5時ころから1時間くらいかけて設営して車中泊したとのこと。桜の杜公園は豊平川の河川敷の堤防横手にあり、堤防付近、駐車場、公園内で設営運用できそうです。私は公園内に場所を決めました。
 フィールドデーまでに完成させる予定で21MHz/CW/1Wのトランシーバーを製作していましたが間に合わず、以前作った21MHz/1Wの送信機と中国製BCLラジオ(PL-660)での参加となりました。
 アンテナは逆Vワイヤーダイポールで、中央ポールは4mの伸縮式物干し竿の先端に1mのグラスファイバー管(φ38mm)を半分はめ込み全長4.5mにしたものを桜の小木の添え木にくくり付けました。
 7時ころ設営完了して21メガのワッチ開始、バンドはまだ完全に開けていないようでしたが、2エリアの局が少し聞こえています。
この設備で果たして交信できるのか不安がありましたが、7時半ころからポツポツ交信できるようになり、6、7、9エリア以外の各エリアと交信できました。
 小さな桜の木の木陰で、持参した日よけタープは使用しないでいましたが、昼過ぎて気が付いたら腕が真っ赤に日焼けしていました。今年はこれまであまり長時間紫外線にあたってなかったので敏感に反応してしまったようです。
 以前にもひどい目にあったことがあるので、13時にQRT、撤収作業にかかりました。

 初めての移動運用、正味6時間程の運用でしたが、事前の準備も含めて楽しむことが出来ました。
 場所の選定他、今回のミーティングのセッティングをしてくださったJA8AVC/高橋さん、JA8DES/渡辺さん、ありがとうございました。交信局数は25局、17マルチでした。相手局のパワーはMが24局、Hが1局で、QRPの局は数局聞こえてはいましたが、こちらは呼びまわり専門なので交信のチャンスがありませんでした。LOGは電信シングルオペ21MHzバンド部門で提出しました。QRPのシングルバンド部門があるといいのですが。
 写真は現地での撮影を失念したので、翌日テーブル上の様子を自宅で再現して撮影しました。
札幌QRPミーティングのFDレポートをJA8AVCさんが投稿してくださるので、合わせてご覧ください。

エピソードを一つ。
 運用中は公園内なので散歩する人、ランニングの人、自転車の人達が通り過ぎましたが、へんてこな線を張ってテーブルに機械をならべてヘッドホンで何やら聞いているおじさんに関心を示す人はほとんどいませんでした。
 ただ一人、声をかけてきた老人がいました。以下その方(老人A)と私(CXX)の会話。

老人A:「何やってるんですか。」
CXX:(椅子から立ち上がり)「これはアマチュア無線で、きょうは屋外に移動して通信するコンテストなんです。」
老人A:「ハァ、あんた人と話をするのが好きなんだね。」
CXX:「そういうわけでもないんですけど。」
老人A:「あんた、観光ガイドやらないかい? ワタシはスーパーのレジで働いているんだが、ボランティアで観光ガイドをやっているんだ。北海道庁へ行ってスーパーのレジをやっている観光ガイドと言えば通じるよ。」
CXX:「・・・・・」

 そのあとも、老人Aは「フランス人にフランス語で案内したら「日本人なのになぜフランス語をしゃべるんだ。ここはフランスの植民地なのか。どこの国だってガイドは自国語でしゃべるものだ。」と言われた。」とか、「キーキーなる古い階段をこれは鴬張りと言うのだと冗談で説明したら、「北海道のウグイスはキーキーと鳴くのか」と返された。」とか、延々としゃべり続け止まるようすがありません。

CXX:「ぼくはしゃべるのは得意じゃないから、こうやってモールス信号で交信してるんです。ボランティアをやるとしたら物を作ったり、修理するのが好きだから、おもちゃの病院で子供たちの壊れたおもちゃの修理でもと思ってます。」
老人A:(心なしか、気の毒そうな顔をして何か説教めいたことしゃべった後)「今度会っても、挨拶だけにしとく。」
と言い残して立ち去ったのでした。

JA8CXX
【FD参加時のRig構成】

編集担当から

 ◆高野さん、報告ありがとうございます。
 移動運用の場所探しは、なかなか難しいですよね。優勝狙いな方は、前日、前々日には場所取りも兼ねて移動するようです。
移動運用中に通行人から話し掛けられる機会は、僕も多々あります。たまに警察官からも(その警察官もハムやっていると話が早いです)。僕はSSBが主ですので、交信音を聞かせて上げても、普通のラジオとは違った音のため、何を言っているのかは聞き取れないようです。移動運用のベテランの方々は、アマチュア無線の交信実験中なるプレートを予め目立つところに置いてPRされていました。
 今回使われた受信機はBCLラジオですね。僕も最近BCLラジオ(ICF-SW11)を調達しました。その契機は、近所の局が7MHz/CWで運用中に、ご近所様からラジオNIKKEI(6.115MHz)へ妨害が入るとの申告でBCI対策に難儀しているとの事で、僕も追試をしてみようと思いました。ラジオを分解するとまずはシールド対策と思いましたが、構造的に困難(ダイヤル選局板の裏面の隙間無し)で、取り合えず7MHzのトラップを作ってみたり……気長に対応しております。最終的にはQRPを薦めようかと思っています。(JO1UBD)


FDコンテスト

#3 JH1HTK 増沢 隆久(Taka)

 FDコンテスト、7MHz、CW、30mWで(一応)参加です。
(移動せず、自宅から)
 土曜日夜からちょこちょこ覗いてみたものの、いつもと違ってS9の局が少ない!
FDの場合、こちらQRPppとしては、S9で来ている局以外は対象外です。
その晩はとりあえず2局(1エリアと3エリア)をゲット。
翌朝も早くからワッチするも、国内は全般的にスキップ気味。
しかし、8時台になって呼んだJH8ZXN/8から応答あり!!
その後は片手間的オペレーションだったせいか全然ダメで、結局合計3局のみ。
参加したコンテストとしては自身の最低記録樹立かも。
でも、当局としては最DXに近い8エリアと出来たので、満足です。

編集担当から

◆増沢さん、投稿ありがとうございます。
今年は暑かったですね。僕もヘバッて自宅参加となりました。僕がワッチした23時過ぎには、既に閑古鳥状態(ベランダのモービルホイップ)でしたので、開始直後の21時台ならばもう少しQSOできたのかもしれませんね。7MHz帯の移動局は、アンテナを展開できるだけの広場が必要な為に、お手軽移動にはちょっと困難ではあります。(JO1UBD)


今年のFDは……自宅からの参加となりました

#993 JO1UBD 丸山 裕二

 今年は連日の猛暑により、屋外での移動運用に耐えれる体力が無いと判断して、常置場所から参加しました。今回も入賞をめざす訳でも無く、いつも聞こえてくるQRPerを探して様々なバンドを渡り歩いての呼び回り参加です。また、コンテストの時だけ賑やかになる1,200MHz帯では、久々にCQを出してみました。
 常置場所からの参加(Home Station)なので、1,200MHz帯で呼んで来るの方々は、ほぼQRPerと決まっています(Home Staion同士の交信は得点0な為)。1,200MHz帯の面白いところは、反射による伝搬です。常置場所のアパートからは、南側ベランダからスカイツリー方向のビーム固定のままの状態で、アパート反対側の北関東方面とのQSOが可能となります。このような伝搬特性は、波長が長くなるに従って効き目がなく、北関東方面とのQSOは厳しくなります。
以前に1,200MHzロールコールに参加した際に、埼玉県のキー局に飛来方向を探ってもらった際は、スカイツリーの手前に見える送電鉄塔でもだいぶ反射しているようでした。

さて、1,200MHz帯FMでのQSOでは、1~2KHzのFズレが多いために何か聞こえるなぁーという弱電界状態であれば、周波数の微調整でだいたい聞き取れるようになりますが、AFC機能の付いているID-1の場合は、別の目的波へ微調整されてしまいますので、この機能はOFFにしておく事が良いと思います。今回はSSBでもCQを出しましたが収穫はゼロで、全てFMモードのQSOでした。1,200MHzで呼ばれなくなると、他のバンドへ行って呼び回りをしてコンテストを終えました。いつも山岳運用されているJA1TAZ/1 西村OM(#491)が八王子から移動運用されていて、今回もたくさん呼ばれていました。

 少し前にあったALL JAに比べると、聞こえてくるギリギリな電界強度の局に対して5W QRPで呼んでも振られる事は無かったです。それは上下の電界強度レベルのインバランスが解消された状態にあるのかと思いますが、相手局は”M”です。それなのに何故か? 恐らく相手局が受けている環境ノイズを抜きん出る状況にあるのかと思います。つまり、相手局の移動運用先の環境ノイズの少なさによるものだと想像します。

JO1UBD
【相手局への上り方向の電界レベルダイヤ想像図】

JO1UBD
【ベランダからスカイツリービーム】


IARU HF Championship参加

#979 JG3EHD 西村 庸

 IARU(国際アマチュアラジオ連合)HFチャンピオンシップコンテスト。何とも恐れ多い名前です。これに20mモノバンドCW QRPpで参加しました。

 Webサイトを見るとIARUは来年設立90年です。ARRLより若いですが,ITU(国際通信連合)にも物申すことができる老舗団体の
ようです。アマチュア無線は私の想像以上にステータスが高いです。
 そこがスポンサー(実際の運営はARRL)になっているコンテスト。部門はCW。交換する情報はコールサイン、RPTそれにITUゾーンナンバ(2桁の数字、1部アルファベット3文字)タッタこれだけです。
 100年も前の通信方式を使用し、情報量も多分当時と同じ位でしょう。この程度の事をするだけのために現代のメーカー製ハイテクリグを使ったら、短波を開拓したご先祖様から「お前はそれでもハムか?」と、お叱りを受けそう・・・・・・(と私は勝手に想像しています。)

 そこで今回は写真のとおりスピーカ、SWR計、電鍵以外の、送信機/受信機、ANT全て自作の機器で参加することにしました。インチキな改造受信機も今回は登場させません。(本当はスピーカ,SWR計,電鍵も自作が理想)
 左端のスピーカの隣より、ダイレクトコンバージョン受信機、クリスタルコンバータ、送信機(公称出力400mW)。いずれも以前の会報で取り上げていただいたものです。ANTは長さ約2.90m、地上高約35mのホイップです。

JG3EHD's handmade TRX
【使用機器】


 コンテスト開始直後からハリキッても経験上疲れるだけ 従って7月13日の午前中に準備し5:30UTC頃からスタートしました。あまりQRMもなくそれほど強力な信号も聞こえません。ダイレクトコンバージョン受信機は信号が実際の2倍聞こえて賑やかなのですがチョードイイくらいです。

 結果は運用約2時間半で、0552UTC RT0F を皮切りに以下VE7ZO、BG2AUE、AZ0Hの合計4QSOです。
AZ0H以外は1~2度呼ぶだけで応答があったので、これには少しビックリしました。

 増沢OMの30mWには遥かに及びませんが、太平洋横断に成功して思わずニンマリ・・・久々です。
お互いビートさえ聞こえればQSOが成立するのがCW、再認識しました。(S)などどうでも良いです。
他の局と同時に呼ばない限り全く問題はありません。私は最近持久力が衰えこのくらいの運用時間が限界です。
特にダイレクトコンバージョン(オートダインも同じ)ですが、受信するのに集中力が必要です。
 さらに相手の周波数にキャリブレするのにも神経を使います。(CQは出しません。)
 ですからあまりコンディションが良すぎて沢山の信号が聞こえても嫌になります。


コンテスト雑感

 私は、QRPクラブに入会して以来ここ最近はコンテスト専門ステーションになってしまいました。ARRLやWPXコンテストなどにQRPで参加すると別世界の雰囲気を感じます。
以前は20W出力位で運用し、開局直後はCWでDX QSOばかりやりコンテストにもよく参加したのですが、暫くすると面白くなくなりコンテストにもあまり参加しなくなりました。それは「コールサインと数字だけのQSO」が馬鹿らしくなって飽きはじめたからです。
 現在では、「コンテストのようなQSOが無線通信と言えるか?」と一般的に聞かれると・・・・・・異論が出るでしょう。
携帯電話を使って「もしもし、私は○○です。S9で聞こえます。あなたが3人目です。TU」とやれば 相手は「・・・?・・・」でしょう。これは単なる「生存確認」通信です。
 コンテストでのQSOはハムだけに成り立つ特殊通信、プロの通信、一般社会ではおそらくありえない通信でしょう。

 ところが、QRPを始めたら世界が変わりました!。別に当クラブをヨイショしているわけではありません。クラブの理念「より不便(不確実な通信)に より楽しく」が実感できます。(プロの通信士の世界では有り得ないし,もしやったら間違いなく会社をクビになるでしょう。)

 昨近では、「より不便に・・・・」を体験するにはQRPしかないのかと思っていたら次のようなのも存在します。
WにElectric Radioという雑誌があり特殊?なコンテストの開催も支援しています。詳細はWebをご覧ください。
 ここの理念は「自作やヴィンテージ機器(還暦を遥かにオーバーはザラ)はシャックの飾りではなく実用するものです。」とあります。
 少し前にもエディターが、
「QSO中に急に相手が応答しなくなっても驚かないでください。ヒョットしたら送信機から煙が出ているのかもしれません。」
と書いていましたので、QRPクラブの理念とも通じるところがあると思っています。

 おそらくハムでしか経験できない特殊なコンテストでのQSO、アマチュアの特権、短波の開拓時代(想像しかできません)を考えると自作QRP機器でのコンテスト参加は今後も楽しめそうです。

 私の経験では少々ズッコケリグでもQRHがあっても使用するのにほとんど問題がありません。
入賞や優勝を狙って参加する局がいる限り,必ず相手はいますし相手してくれます。
「聞こえるのに呼んでも応答がない。」場合は、相手の受信機がボロイだけ、と思えばストレスが溜まりません。
これがコンテストです。せっかくご先祖様が考え出してくれた遊びを大いに楽しまないと・・・・感謝感謝です。

編集担当から

 ◆西村さん、投稿ありがとうございます。
 QRPの楽しみを実践されているようで、また、QRPとは何かを体験を通じた内容で、とても説得力があります。
 実は今月号には、QRPクラブが過去に発刊したハンドブックの内容を紹介しようと思っていました。しかし、QRP道を本当に理解していない限りは、表面上を触る程度になってしまうと、西村さんの投稿から気付きました。ハンドブックは別の機会にします。
 さて、友人曰く、1アマ取って1kW出してコンテスト上位に行くと、いずれ飽きてQRPに行くんだよと。僕は1kWは未体験ですが、QRPに辿り着いてしまいました。自分の手で作って、それを使っての交信という子供の頃の成功体験を追っています。でも、上手く動かなかった時の代替手段として、メーカー製の最新機を手元に置いておきたいと(飾りに)。でも、アマチュア無線の原点、そして、不確実な通信への挑戦。これらには未だ自分自身は未熟であると思いました。流行に乗って記念局の追っかけや珍局パイルへの参加など若気の至りとして、そのうち覚醒するともう少し見守っていただきたいと思います。
QRPに対する思いを、今後とも投稿お願いします。また、他のOM諸氏も、同様に投稿お願いします。(JO1UBD)

 ◆無線機の写真で昔のIBMパソコンの付属のスピーカーが目に入りました。たしかパソコン付属ながら24Vの電源アダプタで高出力のスピーカーセットでした。私もこのパソコンはとっくに処分しましたが、スピーカーや電源アダプタは使い続けてたりします。(JA8IRQ)


QRPなDXの世界

海外のQRPer

#377 JA1KGW 青山憲太郎 Kentaro Aoyama


DIGITAL MODE QRPerのK6RF/QRP、HalさんとJT65-HFによる2WAY QRP QSO

 7月になり、次第に14MHz以上のハイバンド周波数でのQRPerの信号が聞こえなくなりました。そこで、数年前に始めたデジタル方式の微弱信号による通信、JT65のバンド、特に14.076MHzをワッチして見ました。

 7月6日にK6RF、HalさんとのJT65-HFでのQSOをして、最後にHalさんから2WのQRPだとメッセージを送ってきました。早速、ダイレクトメールでQSLカードの交換をしました。QSLカードに記載の通りHalさんは、主としてDIGITAL MODE、JT65-HF,JT9,PSK32によるQRPerでした。最近このJT65-HFにより運用する局が多くなりました。パソコンに依存する微弱信号によるQSOは、これからも更に新しいJT9を初め多くの新しい微弱信号によるDIGITAL MODEのQSOが可能となる様です。

 K6RF/QRP、Halさんは、FT-817ND、2Wと2エレメントの八木アンテナとの組み合わせでのQRVでした。尚、当局は、5WとTH11DXの組み合わせで交換したレポートは、-16/-09でした。

K6RF's QSL
【K6RF/HalさんのQSLカード】

編集担当から

 ◆青山さん、報告ありがとうございます。
 HF帯をワッチすると「ヒュルヒュル~」という音が、JT65でしたよね? この程度しか知識が無く。なぜノイズに埋もれている信号が解読できるのかも、いま一つ理解できていません。QSOは、ゆっくりと約1分毎に交互に送受をするという事は、時間積分するエネルギー量は多くなると。また、無相関であるノイズの中に特定の相関のある信号を時間を掛けて取り出す。こういう技術なのかなぁと思いました。僕も近いうちに挑戦してみたいと思います。昨夏に一緒に移動運用した方がJT65モードでQSOしていたのを見ていましたが、何が何だか理解できませんでした。HiHi。(JO1UBD)


DX短信

#377 JA1KGW 青山憲太郎 Kentaro Aoyama

 SWC 宇宙天気情報センターの平成26年(2014年)7月17日の発表は、「太陽は無黒点になっています。太陽風、磁気圏も穏やかです」と言う可なり衝撃的なことでした。
 記録によると前回の無黒点日は、2011年8月14日と3年前のことだそうです。予報では、「これから長期的には、無黒点の日が次第に目立つ様になるのでしょう。」とのことです。下記は、NOAA衛星の太陽黒点の2112/12/29~2014/07/31までの推移です。右下に”0”(白地)が、平成26年7月17日を示しています。(SWC 宇宙天気情報センターにリンクしている資料より抜粋)以後少し回復基調にありますが、これから先の状況が思いやられます。

sunspot
【Sunspot】

 この1ヶ月(6月16日から7月15日)は、7月7日に21.06MHzでのDL7YY/QRP、7月15日に14.060MHzでのLA0CX/QRPの2局とのQSOのみでした。何れもそれぞれの周波数での1st QSOでした。又、JT65では7月8日、14.0760MHzでのK6RF/QRPおよび7月8日、14.0760MHzでのNU6K/QRPとの2局のみでした。海外との2WAY QRP QSOをしているOMの皆さんに最近の状況をお伺いしたいと思います。

編集担当から

 ◆太陽黒点がゼロになった件は、ネットニュースhamlifejpの記事で知りました。その記事の追記によると、『……コンディション(サイクル24)は、SSNと連動しないケースが多い……』との事。HF帯に日々アクティビティが無いと、違いが感じられないのでは思います。僕はHF帯はモービルホイップ運用なため、今日はノイズ(環境雑音)が多いかな、少ないかな程度しか感じられませんので、まったく参考にはなりませんが、他の会員の方はどうでしたでしょうか?報告をお待ち致します。(JO1UBD)


FT-8×7シリーズのフィルタ改良……失敗談

#993 JO1UBD 丸山 裕二

 以前に報告したFT-8×7シリーズのフィルタ改良は、第二IF(455KHz)のコリンズフィルタで気を良くして、次に着手したのが第一IF(68.330MHz)のフィルタでした。ネットを検索してちょうど同じ周波数のフィルタを見付けましたので、正月セールの際に注文してみました。大きさの記載や実物写真が無かったので、不安はありましたが………。

 到着したフィルタは図2の通りで、FT-8×7シリーズの実装されているフィルタは図3、実物比較をすると図4の通りとなりました。単純な交換には困難な、高い買い物となりました。

INRAD #917
【図1:INRADの注文画面】

INRAD #917
【図2:下側が#917 68.330MHzフィルタ】

INRAD #917
【図3:FT-8×7の純正フィルタ】

INRAD #917
【図4:FT-8×7への実装は大きすぎてNG】


第182回秋葉QRP懇親会顛末記

#725 JR1QJO 矢部 伊知郎

 台風8号の接近が危ぶまれた7月12日に7月の秋葉QRP懇親会が開催されました。何時もは第一土曜日での開催ですが、今回会場確保の都合で第二週の開催になりました。

 JG6DFK/1 児玉さんは、真空管アンプの試作基板を持ち込みました。ガラスエポキシ
の素晴らしい出来に完成時の姿が楽しみです。

JG6DFK's Tube AMP
【真空管アンプの試作基板】

 JA9TTT加藤さんは有機ELを使った超小型オシロスコープを持参。正に夢のような物が自作できる世の中になったことを実感しました。

JA9TTT's handy Oscilloscope
【超小型オシロスコープ】

 まだ梅雨明まぢかの週末、二次回は冷たいビール片手で熱い語らいが続きました。

編集担当から

 ◆矢部さん、いつも報告ありがとうございます。
 真空管アンプは、オーディオ用でしょうか?最近は、雑誌付録のUSB-DAC+FETオペアンプを切っ掛けに、電子工作に入る方が多く、秋月電子さんにもその手の部品が多くなっていますね。
 ハンディーオシロは、もの凄く小さいですね。それも自作でとは驚きました。また次回の報告お願いします。(JO1UBD)

◆なお、この超小型オシロはトランジスタ技術誌2014年9月号(今月発売)の付録冊子、『トラ技Jr』誌の9・10月号に詳しい記事が掲載されています。(JA8IRQ)


編集担当より

 ◆7月号に米国のフィールドデー報告をいただいたVE3CGC 林さんより、製作中の真空管機の途中報告が到着しました。1940年代のシャーシーを使用して、タンクコイルの製作で苦労したとのことです。また、一報頂いてからの後の8月6日には、80mバンドで1st QSOに成功したとの事です(0.5W出力、相手局との距離は12km)。今月号では、その予告編として紹介します。続報にご期待下さい。(J01UBD)

 ◆6L6は元もとはG管(6L6G)で、のちにGT管(6L6GC)になったものと記憶してますが、この写真はG管、つまりダルマ管でキー付き8本足のものですね。日本ではこういう単球で発振即終段のものは認可されませんが、アメリカやカナダでは問題ないとのこと。国情の違いですね。次号の完成編が楽しみです。(JA8IRQ)


(予告編)自作単球6L6 QRP機

#906 VE3CGC 林 寛義(Hiro Hayashi)

 自作単球6L6QRPは今日、完成しました。
参考に写真を添付しますが、次号のQRP会誌に、記事としてまとめ、原稿を出します。今のところ、8月の中旬までに、提出したいと考えております。

バンド: 40m、80m 2バンド可能。
pwr:  40mで1W、 80mで0.5Wでます。  (テストQSOはまだしておりませんので、これから頑張ります。)
B+電圧:  288VDC 1941年度版のARRLハンドブックには B+450VDCで15Wくらい出る記述がありますが、私が以前これと同じQRPをつくりましたが、B+は400VDCで4Wくらいでましたので、288VDCで1Wでるのは、いいところかもしれません。

シャーシ: LAFAYETTE D26 、1940年製、6球スーパーヘテロダインのものを使いました。ペンキを黒に塗ってさびや傷を隠しました、Hi Hi。
その他の部品は全部手持ちのものを使用し、コイルは自作です。

VE3CGC's Tube TRX
【単球6L6 QRP機】

VE3CGC's Tube TRX
【単球6L6 QRP機】


JARL QRP CLUB 全国集会2014のお知らせ

#288 JS1BVK 山田 哲也

日時:2014年11月15日 土曜日 ~ 2014年11月16日 日曜日
場所:兵庫県淡路市佐野1719ー5
   TEL 0799-65-0807
   ゲストハウス花野

会費:詳細は後日発表しますが、10,000円未満で済むように配慮します。

注意事項:あまり大きな宿ではありません。幹事を含めて定員を20名といたします。参加表明はなるべく早くお願いします。

幹事:#058 JG3ADQ 永井正範
   #288 JS1BVK 山田哲也
   #709 JR3TGS 稲田俊久
   #852 JA3JJE 南 政宏


Timetable
【下り時刻表1】

Timetable
【下り時刻表2】

Timetable
【下り時刻表3】

Map
【新神戸停留所】

Map
【東浦バスターミナルから佐野局前までの時刻表】

詳しいアナウンスは,9月以降に再び掲載を行います。


編集後記

JO1UBD 丸山 裕二

★急な投稿募集にも関わらず、ご協力ありがとうございました。

★今年は台風影響により、ベランダのアンテナを取り付けたり外したり、忙しい状態です。また、猛暑により、移動運用に出掛ける気力もなくなり、涼しくなる秋までは殆どQRT状態です。

★今月のハムフェアでは、ぜひQRPクラブのブースにもお寄り下さいませ。また、会場内で購入したジャンクなど、珍しい部品や機器の報告をお待ち致します。

★6D、FDの参加レポート、移動レポート、また、運用時の工夫など、皆さんからの投稿をお待ち致します。
投稿の宛先は、qrpnews@jaqrp.net です。(@を半角に変えてください)

JA8IRQ 福島 誠

★ 6月号にも掲載しましたが、 8月16日~17日をQRP RESPECT DAYSとして世界的なHFパーティをしようという呼びかけが届いています。日本ではお盆の後の土日ですが、2way QRP DXのチャンスかもしれません。

★ハムフェアでは、ぜひQRPクラブのブースにもお立ち寄り下さい。QRPクラブ会員(正員)には、クラブのロゴ入り名札を準備してお渡しする予定です。会場で直接お話しできることを楽しみにしています。