QRPクラブ会報 2013年5月号 Vol56-1 5月25日発行
国際QRPデー特別記念局の運用始まる
JI3BSB 山本 節也
既に運用が始まっていますが、既報の通り今年も4月26日から6月30日まで、1、4、6、8、9の各エリアでQRP記念局VLPが開局しています。開局、運用に尽力されている皆さんに敬意を表します。
運用等のスケジュール等は下記HPをご覧下さい
8エリアの運営委員長のJA8DIQ 大久保尚史さんより原稿をいただきました。
JA8DIQ 大久保尚史
札幌QRPミーティングを運営母体として8エリア初のQRPデー特別記念局を立ち上げました。昨年10月頃、JARL石狩後志支部のJA8DKJ三井さんともども、北海道総通に開設のお願いに行ってまいりました。8エリアは、なかなか記念局の開設が許可されない、との噂でしたが、開設の趣旨をご説明すると非常に好感触で若干拍子抜けしました。
当初、JA8ZRLの呼出符号の変更ということで開設準備を進めてきましたところ、今年は記念局ラッシュとなり、石狩後志エリアで同時期に3つの記念局が開設されることになったために、新たに局を作ることになりました。
さて、8J8VLPは他エリア同様4/26に開局。初日の運用場所は常置場所になっている拙宅マンション。ベランダに14MHzと50MHzのダイポールを張り、10-24MHzは14MHz DPをチューナでマッチングし、50-430は50MHz DPにその まま乗せてしまうということで、とりあえずHFハイバンド以上はなんとか出られるようにしました。
4/26 0830JSTに144MHz FMでファーストコール、JA8JDQ三部さんがQSO第一号でし た。その後、21MHzでピコ21のQRHと格闘するJA8IRQ福島さん、18MHzで4eleを回すJK1TCV栗原さん、ALL JAでは14MHzにて念力で電波を飛ばすJA4MRL北尾さん他、全国の馴染みの QRPerと続々とQSOができて大変うれしく思います。
コンディションイマイチ、常置場所のアンテナはpoorということで、4/29現在では、まだまだ多くの局にサービスできていませんが、今後、北海道ならではのビッグアンテナから、これがQRPか、という信号をお届けすることもあるかもしれません。運用スケジュールについては8J8VLPのHPにて適宜アナウンスしますので、是非ともお声掛け下さい。
最後に、8J8VLP立ち上げにご支援いただいた前出のJA8DKJ三井さん、JARL十勝支部長のJH8HLU正村さんに深謝いたします。
QRP/CW送信機の製作
JA8CXX/高野
昨年12月から少しずつ作っていた7メガと21メガのQRPモノバンドCW送信機がようやく完成しましたので ご紹介します。
21メガQRPモノバンドCW送信機の回路図
当初トランシーバとして計画しましたが、受信部の動作確認段階で希望する性能が得られず、なかなか完成にこぎつけないので、今回はとりあえずセパレート型の送信機としました。
送信機外観
送信機内部
7MHzは20MHzの水晶のVXOと12.96MHzの水晶の局部発振を混合、21MHzは16MHzの水晶のVXOと5.068MHzの水晶の局部発振を混合して作りだしています。
VXOだけでなく局発にも複同調回路を採用、ファイナルには3段のLPFを採用しました。(測定器はテスターしか持ってないので、スプリアスに留意したつもりです。)
VXO、局発両方とも常時発振として、周波数変動の低減を図りました。
送受切替はフルブレークインとしましたが、ヘッドホン使用時にキークリックノイズが大きくて悩まされました。送信の立ち上がりにオンディレイ(5mS)、受信のミュートにオフディレイ(5mS)タイマー回路を使用して改善しました。
いままでは、スタンバイスイッチ方式での送受切替だったので、相手局をコールして受信に切換えると、既に他局との交信が始まっているということが多かったのですが、これでそういうことはなくなりました。
ドライブは2SC1959、ファイナルは2SC1957を使用、これは敬愛するミズホ通信のQP-7やCQTX-7のDNAを継承しています。
ドライブ段の半固定のVRによって、出力を0.1W~1Wまで可変、QRPpでの運用もできます。
設計、製作にあたっては、JF1DMQ/山村OM著「トロイダル・コア活用百科」、JF1RNR/今井OM著「ランド方式で作る手作りトランシーバ入門」(*編集部注)を参考にさせていただきました。またJG3ADQ/永井OMのホームページ、JA9TTT/加藤OMのブログを訪問し、アドバイスを頂きました。ありがとうございました。
送信出力 | 1W ( 0.1W~1W可変 ) |
周波数範囲 | 7,000~7,045kHz |
21,000~21,072kHz | |
電源電圧 | DC12V |
送信時電流 | 230mA |
付属回路 | サイドトーンモニタ |
4月13日、14日のJapan International DXコンテストCWに、この送信機と傾斜ダイポール(4m~12mH)で、実用性の試験を兼ねて参加しました。受信機はALINCO DX-R8を使用。
7メガで28局、21メガで32局と交信できました。
微弱な信号をキャッチして下さった各国のOM、ありがとうございました。
*編集部注参考文献はCQ出版の発行で現在も入手可能です
JF1DMQ/山村OM著「トロイダル・コア活用百科」の最新版
JF1RNR/今井OM著「ランド方式で作る手作りトランシーバ入門」
【FT817 私の使い方】
FT8x7用オプションフィルタの工作
#993 JO1UBD丸山裕二
FT-817/857/897等のオプションは高価ですので、初心者ならではの節約しながらコリンズメカニカルフィルターを入れてみました。
基板は以前オークションで購入していた基板を利用しました。(現在はHobbiesさんで販売中)
(画像はコリンズのサイトより)
同様の基板は、八重洲からも販売されています。(*)
(上記画像は八重洲のサイトよりオプション基板)
メカニカルフィルタは、AOR社のオプション部品を選択しました。(アマゾン経由で岐阜の有名販売店より購入)
(画像はAOR社より)
選択したフィルタは、次の2個です。
300Hz :526-8733-010
2,500Hz:526-8694-010
(八重洲純正 500Hz) 526-8686-030
到着したフィルタが、純正フィルタ代わりに使えるか比較するために、コリンズ社HPの仕様を参照しましたが、純正フィルタに使用されているメカニカルフィルタ型番が不明(コリンズ社HPに載って無かった)でしたので、通過損失10dBが心配でした。
また、純正フィルタは基板上に Z=1.7KΩ / 2dBのPadが入っていますが、減衰量が少ないのでPad調整でのレベル補正は不可能です。
しかし、八重洲の基板説明では、Padは一種類でしたので、そのままのPad値で作りました。
手元にあったフィルタ基板と純正基板では、ジャンパ抵抗によるフィルタIDの位置が異なりましたが、FT-857ではきちんとフィルタIDを読み取ってくれました。(ただし、SSBでは2.3Kと表示されてしまいますが)
短時間での使用感は、300Hzは当然狭くなって選択度が上がりました。2,500Hzは、若干の受信レベルの上昇があり、音質変化は良くなった感じはします。送信についてはまだ試してません。
今シーズンは、これらのフィルタでQRVしようと思います。
(おまけ)
同様に、TCXOのキットも作ってみました。異常なく動作していますが、チップ部品のハンダ付け時は、拡大鏡が必要でした。
写真1:300HzフィルタとFT-817(500Hzを実装済み)
写真2:純正フィルタと以前入手した基板比較
写真3:2,500HzフィルタとFT-857(300Hz、500Hzを実装済み)
写真4:フィルタ(左から300Hz、500Hz、2,500Hz)
写真5:リファレンス基板(左から標準品、純正TCXO、TCXOのキット)
【*追記】現在は八重洲無線からのフィルタ基板の販売は終了しておりました。
DX短信
JA1KGW 青山憲太郞
SWC 宇宙天気情報センターのHPに記載されている黒点数の“最近10日間の観測値”を見ますと4月29日から原稿を書いている5月5日迄、連日SSNが100を越して、4月30日には、165を記録して居ます。最近の情報では、2013年秋頃がサイクル24の最盛期とのことです。気まぐれ屋で最近元気がない太陽が本当に頑張ってくれるものやら?これこそ神のみぞ知るです。
最近、友人の紹介で文藝春秋の常田佐久著の“太陽に何が起きているか”と宝島社の“太陽と太陽系の謎”を読んでみましたが、太陽を地上と宇宙から観測により、次第に謎が解明されているが、サイクル24はどうなるかは、サイクルが終わってみないと判らないと言うのが本当のようです。
4月の2way QRP QSOは、36局(14MHzが5局、21MHzが16局、28MHzが15局)で、1ST 2WAY QRP QSOは、21局でした。
QRPなDXの世界 海外のQRPer
JA1KGW 青山憲太郞
DL1AUM/QRP、Dieterさんとの2WAY QRP QSOと彼のOHR 100A>1Wと、モノ・ダイポール
サイクル24で最もエキサイチングなオープンは、皆さんもご承知の通り、一昨年、2011年の9月~12月頃と思います。2011年11月13日、28.060MHz、08:12UTCでDL1AUM/QRP、Dieterさんと2WAY QRP QSOができました。最近、ビュロー経由でのカードが届きました。
(DL1AUM/QRP、Dieterさんのカード)
彼のリグは、Oak Hills Researchの100Aと言うキットを組み立てたものでした。出力は、<1Wでモノ・ダイポールとの組合わせでした。レポートは559/569交換しました。
私のOak Hills Researchとの出会いは、20年近く前に通販で名が知られている中部特機から当時、Oak Hills ResearchのQRP用の電力計のキットを購入して組立のが始まりです。其の後、直近では数年前に日本通信エレクトロニック(株)から14MHzのキットを購入して組み立てました。Xtalフィルターのバンド幅が可変できるの特徴です。DL1AMU・QRP,Dieterさんのシャックの写真で、3段に積み上げて使用している最上段がOAK 100Aトランシーバーです。本体には、周波数表示がありませんが、別売りの汎用のデジタル表示のDD-1, Digital Daialと言うキットがあり之も購入して組み立てて本体と組み合わせて使用しています。
会員からの手紙
QRPクラブ編集部 様
JH7OZQ/1 荒井です。
先日のクラブニュースへの記事掲載(2013年3月号 Vol.55-1 FT-817私の使い方)ありがとうございました。
その後の運用の方は、本日埼玉県比企郡ときがわ町堂平天文台付近で、同マイク接続器を使いFT-817+スクエアローにてSSBとAMモードで10局ほどの方とQSOしてきました。季節が逆戻りで、霰と霙の天気、しかしQSO中はHOTです。
関東から東北南部のQRP移動を時々楽しんでいます。
移動運用報告などにまとめることが出来ましたらお知らせします。
異常な気象が頻発しアンテナにも人間にも過酷な日もございますが、どうぞお気を付けてお過ごし下さい。
追伸
SP-MIC接続器関連の動画をYouTubeにアップしてみました。
よろしかったら御覧下さい。
FT-817のAMをRJX601で聴く | YouTube動画 |
ケースの加工方法 | YouTube動画 |
回路の作り方 | YouTube動画 |
回り込みのテスト | YouTube動画 |
接続器説明(怪しい英語版) | YouTube動画 |
JR4DAH 伊豆野です。
昨年参加したARRL DXコンテストの賞状が先日送られてきましたが、新デザインとなっているようです。
定期的に変わっているのでしょうか?
(ARRL DX コンテスト賞状)
今年の同コンテストはSSB/CWともパッとしませんでした。
前サイクルまでのようにバンドがワンワン唸っているような状態には程遠いコンディションです・・・。
次回は6月のオールアジア電信に参加の予定です。
役員会からのお知らせ
7/13 QRP全国集会(北海道)のお知らせ
下記の通り実施しますので奮ってご参加ください。
ホームページは こちら
7/13(土)
15時頃 宿集合
16時~ 集会(近況報告、ワークショップ他)
18時~ 宴会
20時~ オークション
14時30分頃 送迎バス(新千歳空港)を出しますが、自力で来れる方は自力でお願いします。
7/14(日)
9時頃 チェックアウト (送迎バス 新千歳空港へ)
オプショナルツァー 苫小牧市科学センター見学
アマチュアとして日本最初の自作SSB送信機があります。(ex JA1VX香取OTの作品)
宇宙ステーション「ミール」のホンモノも。
苫小牧科学センターについてはこちらのサイトをご覧ください。
ボランティア募集
下記のボランティアを募集します。必ず何かやっていただきたいと思います。
参加表明時に申出ていただけると助かります。
・買い出し
・オークション
・ワークショップ(大久保)
・その他(思いついた役割でご応募下さい)
アワードボランティアの栗原です。
アワードを4日21日に発行いたしましたので、お知らせいたします。
1000km/Total Power賞
No42 JA8CXX 高野順一 1818km/W
以上です。
編集後記
JA8IRQ 福島 誠
どうしてもスタッフの日程の都合がつかず、関ハムと同じ時期になりましたことをお詫び申し上げます。