JARL QRPクラブ会報 2018年 1月31日発行 vol.60-08





JARL QRPクラブ会報 2018年 1月31日発行 vol.60-08 The JARL QRP Club


JARL QRPクラブ会報 2018年 1月31日発行 vol.60-08

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JARL QRPクラブ会報 2018年 1月31日発行 vol.60-08


No. 2018年 1月号 目次 コールサイン 筆者
1 【製 作】 6360 QRPパワーアンプの製作 JA0IXX 赤羽 史明
(Fumiaki Akahane)
2 【小ネタ】 自作品の見栄えを良くしよう! JA3HKR 吉田 清和
(Kiyokazu Yoshida)
3 【お知らせ】  JA8IRQ 福島 誠
(Makoto Fukushima)
4 【編集後記】  JR7SOX 菊池 弘二
(Kohji Kikuchi)
5 【編集後記】  JA8IRQ 福島 誠
(Makoto Fukushima)


【製 作】 6360 QRPパワーアンプの製作

#1111 JA0IXX 赤羽 史明

 2017年のQRPコンテストで初めて3.5MHzにも顔を出しましたが、0.5W出力では少し物足りなさを感じ、急遽7MHzのFETアンプに即席の3.5LPFを付けてオンエアしました。その時、来年は2バンドで使える利得10dB/5Wアンプが欲しいなとフッと思い付き、それに10MHzも加えて3バンド対応のセットを作ることにしました。

 出力5Wですからデバイスは何でも良いのですが、今回は真空管を使いました。30年近く新たな管球式リグは製作していませんでしたが、自分も真空管世代の一人。ノスタルジーと言うか、久しぶりに愛着のあるタマに灯を入れたくなったからです。


70's CQ Hamradio

【図1】参考資料:70年頃のCQ誌のこのページは毎号楽しみでした

 6360は小型ながら一種格調のある送信管です。私は高校時代に随分いじくりました。低電圧でもゲインのある球で、元来VHFのプッシュプルパワーアンプ用に設計されたものですが、HFなら双4極パラレルもありです。
 低プレートインピーダンスの非同調でやってみようと、最初は伝送線路トランス方式にトライしました(Ep=140V)。しかしゲインが小さく、0.4Wで押しても出力は1W程度しか出て来ません。(一方スプリアスは二倍波が-5dB、三倍波は-10dBと半導体アンプ並みに派手に出てきます。)


16:1純伝送線路トランスでテスト中の6360アンプ

【写真1】 16:1純伝送線路トランスでテスト中の6360アンプ

 ゲインが小さいのはGB積一定の原則故なのか、タンク回路のフライホイール効果が使えないためなのか、それともトランスの設計が悪いのか。問題解決に難儀しそうな予感がしたので非同調は一旦ペンディングにし、有り合わせのコイルでπマッチを試したところ、Ep=140Vでもあっさりと3Wを得ることができました。

 プレートバリコンが同調するとビューンと出力が跳ね上がるフィーリング、非同調方式が期待値に届かない中でやっぱりLCタンクはいいなあと再認識です。スプリアスは二倍波が-47dB、三倍は-60dB以下(QL=15)で安定感もあります。タンク回路方式へ方針変更することにしました。

 セットを小さくコンパクトにまとめる為のポイントは、タンク回路と電源のサイズ(トランスとケミコン)です。タンクコイルはトロイダル化(手持ちT106-6を活用)して容積を下げ、430PF×3のロードVCは大きすぎるから廃止して固定キャパシタ化しました。QRPだから負荷を重くして出力を絞り出す必要もないし、これで特段不都合はありません。


T106-6のタンク回路

【写真2】 T106-6のタンク回路 固定キャパシタはディップドマイカ、白いシートはテフロン

 タンク回路の小型化でケース内に余裕ができたため、100V直接整流のトランスレス式B電源はよして、ジャンク箱にあった小さな100V10Wのアイソレーショントランスを使うことにしました。ヒーターは3端子レギュレータでDC12.6Vを作り直流点火しています。

 動作点はバイアスの深い通常のCクラスではなく、カソード抵抗220Ωを入れてAクラス相当の自己バイアスを掛けています。時定数を持ったキャリコンで動かすので、アイドリングでもキーダウンでもほぼ同じレベルのIpを保つようにしました。受信時はスクリーン電圧をゼロにしてカットオフしています。


右側面

【写真3】 右側面写真 送受切換えは古い4回路のリレーをキャリコンで動かしている


左側面

【写真4】 左側面写真 ケース下側にも放熱孔を忘れずに

 最終結果は、0.4~0.5Wドライブで3.5MHzが出力4.0W、7MHzは3.9W、10MHzが3.7Wとなりました(この時Ip45mA, Ep157V,Ig0.4mA)。キーダウン時のプレート電圧を180Vまで上げれば5W出ることは予め確認してありましたが、4Wでも構わないのでこれで妥協しています。
 プレート効率は3.5MHzで58%、10MHzでも55%とれており、カソード抵抗で10V食っている点を考慮すれば悪い値ではありません。

 6360はP.P動作用の自己中和内部電極を持っていますが、パラレル運転するとこの容量は単にCpgを増やす意味でしかありませんから、中和は省けないだろうと思っていました。ところが実際にはプレート電流ディップ点は出力最大点と一致しており、ズレは感じません。

 Cpgが0.1pF/unitと大変小さいことに加え、グリッドを低いインピーダンスでドライブしている(420Ωでスワンピング)こと、それと9Pソケット部で入出力シールドをきっちり行っていることが奏功しているようです。
 ちなみに6360を抜いてUHF用の双5極管6939を挿したところ、負荷インピーダンスが低すぎて出力こそ1.8Wしか出ないものの、やはり中和ズレは全く感じませんでした。


入出力関係図

【図2】 入出力関係図

 入力と出力の関係を上のグラフに示します。
 グリッド電流を流さないA級増幅領域では出力2Wが上限で、グリッド電流を流すと4Wまで伸びます。
 その時第二高調波スプリアスは各バンドとも50dB以上抑圧(3.5MHzは52dB、7MHzは50dB、10MHzは51dB)されており、第三高調波以上はスペアナダイナミックレンジには視認されないレベルでした。

 プレート負荷抵抗を当初1.3KΩと見込んで作りましたが、完成後の動作状態は1.7KΩとやや高めになっており、タンクのQLは15から19へアップ。その為だと思いますが、第二高調波のサプレッションは試作時より3dBほど良くなっています。

 入力側の整合は、3.5MHzは全く問題ありませんが、7MHzでVSWR1.2、10MHzでは1.3、明らかに球の入力容量(6.2pF×2)の影響が出始めています。14MHz以上で使うならリアクタンス分キャンセル用のコイルが必要でしょう。
 本機の回路図と外観写真を添付します。


回路図

【図3】 回路図


完成パネル外観

【写真5】 完成パネル外観

 ケース寸法は幅100×高さ65×奥行200mm、重量は1.4Kg。一応QRP運用に見合ったレンジに収まりました。
 完成後に先ず7MHzにオンエアし、JK7UST/QRPから0.4Wベアフットで439、4Wで579のレポートをもらうことが出来ました。イメージ通り働いてくれているようです。

お終いに一首
「漏るる灯の 姿懐かし新作の
  主(ぬし)は見えねど 熱電子かな」 史明

【編集部から】

6360といえば、昔のタクシー無線機などに使われていて、9ピンのミニチュア管ながら10Wの出力という驚くべき性能のものでしたね。私もジャンク球を持ってましたが使ったことはありませんでした。
 あえての挑戦に敬意を表します。(JA8IRQ)


【小ネタ】 自作品の見栄えを良くしよう!

#0982 JA3HKR 吉田 清和

 自作品の製作において、作った時はスイッチやランプの機能を覚えているのですが、しばらく経つと忘れてしまって、「これ何のスイッチだったかな」となることがよくあります。こんな場合のために文字などを入れておきたいですね。そんなときに私のやっている方法を紹介させていただこうと思います。


原稿例
【図1】 原稿例

 一口で言うとラベルを作って貼るだけです。まず図1のようにパブリッシャーやイラストレーターやCADなどの作図の出来るソフトで原寸大の原稿を作ります。上はタカチなどのケースの一面全面に貼るための例、下はアンテナチューナーのポリバリコンのダイアルの目盛りの例です。ソフトはイラストレータを用いました。


原寸大に印刷

表面に透明テープを貼る
【写真1】原寸大に印刷 【写真2】表面に透明テープを貼る

 次に、これを写真1のように原寸大でプリントします。用紙は写真用紙がきれいですが厚すぎるので、私はインクジェット用の普通紙を使っています。適当に切り抜いた後、写真2のように表面に透明テープを貼ります。テープは50mm幅の梱包用と思われるものを使用しています。厚さも丁度です。しわにならないよう注意します。これで多少の水滴や汚れに耐えることができますし、見栄えも良くなります。


裏面に両面テープを貼る

切り抜く
【写真3】裏面に両面テープを貼る 【写真4】切り抜く

 次に写真3のように裏側に両面テープを全体に貼ります。写真のような事務用のものを使っていますが粘着力も丁度良いようです。最後に写真4のようにハサミやカッターで必要な部分を切り抜きます。これを慎重に位置を合わせて貼り付けて完成です。ケースにスイッチなどを付ける場合は一面に貼り付けてから部品穴部分をカッターなどで切り抜いてから部品を取り付けないと作業が面倒になります。

 写真5は最近製作したQRPアンテナチューナーのバリコンダイアルに貼り付けた例です。目盛りを記録しておくことができるので、次回のチューニングが容易になりました。


完成例

【写真5】完成例

【編集部から】

自作品にはパネルなどのデザインが大事なことはわかっていても、つい不要な穴だらけだったりパソコンでプリントしたラベルを貼るだけだったりでカッコよいものになったためしがありません。JARLの自作品コンテストでもデザインが重要なようですね。(JA8IRQ)


【お知らせ】 

#0678 JA8IRQ 福島 誠

東京・名古屋での懇親会の案内が届いておりますので紹介いたします。

第223回 秋葉原QRP懇親会のご案内

■日時
 2018年 2月 3日(土) 16:00~ 18:00

■場所
 東京都千代田区外神田1-16-10
 ニュー秋葉原センタービル地下1階
 喫茶室ルノアールニュー秋葉原店マイスペース
 TEL: 03-3251-0210
会場は、二次会を実施している天狗と同じ通り沿いの地下です。

こちらに地図が掲載されておりますので、是非御覧下さい。

■お問い合せ先
 JR1QJO/矢部 ichiro_yabe@nifty.com(@は@に置き換えてください)
 可能でしたら、早目に矢部宛に参加表明メールをお願いします。
お店側が事前の人数確認を求めていますので宜しくお願いします。
■その他
 この懇親会には(QRPクラブ会員だけでなく)どなたでもご参加いただけます。
 会場はルノアールの「会議室一号室」です。

 二次会から参加者はニュー秋葉原センター並びの
 天狗 ニュー秋葉原店 或は
 和民 秋葉原電気街口南店
 のいずれに会場を移していることが多いので覗いてください。
■注意
 「JA QRPクラブ」の名で予約してあります。
幹事
JE1ECF  斎藤さん
JR1QJO  矢部
よろしくお願い致します。

第36回 名古屋大須QRP懇親会

  • 日時 : 平成30年3月31日(土)13:00~16:30
  • 場所 :名古屋市中生涯学習センター 3階 第三集会室
    名古屋市中区橘1-7-11*駐車場(19台。有料1回300円)

  • 交通機関 : 地下鉄「上前津」駅下車。6番出口より徒歩7分。
  • 参加資格 : 小さな電力で交信することに興味をお持ちであれば、
    どなたでも参加可能です。申込みは必要ありません。

  • 当日、施設使用料としてお一人200円をご負担ください。
  • 内容 :
    □ 自作品、回路図、部品交換など製作に関する話題
    □ アンテナ、移動など運用に関する話題などQRPに関する様々な情報交換をしています。

  • その他:遅れての参加、中途退室も可能です。なお館内は禁煙です。
    参加の意思表明・連絡は必要ありません。


    編集後記&近況報告

    #1099 JR7SOX 菊池 弘二

    ◆皆様、本年もよろしくお願いいたします。
     降雪のせいかコンディションがあまり良くなく、バンドをワッチしていてもなかなかきれいな信号を聴くことができません。どこまでもノイズだらけなのです。
     メーカー製のトランシーバーを使っていてもノイズからなかなか逃れられず、QRP機に切り替えるとさらに悪くなってしまいほぼノイズだけを聴いているようです。
     なにか良い方法はないものかと思う今日この頃です。


    編集後記&近況報告

    #0678 JA8IRQ 福島 誠

    QRP愛好家のみなさま、今年もよろしくお願いいたします。
    今のところ原稿依頼が全くできてないので、今月は投稿2本のみです。

    ◆2月号の原稿を募集中です。あなたの実験、製作、運用レポート、小ネタなどを2月15日ころまでに編集部あてお送りください。パソコンが苦手な方は福島あて直接の郵送でもかまいません。(住所はMLや紙版会報などで確認してください。)宛先は qrpnews@jaqrp.net (@は半角@に)です。






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