JARL QRPクラブ会報 2018年11月30日発行 vol.61-06





JARL QRPクラブ会報 2018年11月30日発行 vol.61-06 The JARL QRP Club


JARL QRPクラブ会報 2018年11月30日発行 vol.61-06

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JARL QRPクラブ会報 2018年11月30日発行 vol.61-06


No. 2018年11月号 目次 コールサイン 筆者
1 【運 用】 イカ飯食って凧揚げて打電済ませて無事帰還の巻 JR3ELR 吉本 信之
(Nobuyuki Yoshimoto)
2 【製 作】 移動用144MHz 3ele エンドフェド八木の製作 JA0IXX 赤羽 史明
(Fumiaki_Akahane)
3 【製 作】 スモールループアンテナの試作 JA1XFA 田島 建久
(Michitaka_Tazima)
4 【小ネタ】 RH-770アンテナのケース製作 JA3HKR 吉田 清和
(Kiyokazu_Yoshida)
5 【お知らせ】 QRPクラブからお知らせ JA8IRQ 福島 誠
(Makoto Fukushima)
6 【編集後記】  JR7SOX 菊池 弘二
(Kohji Kikuchi)
7 【編集後記】  JA8IRQ 福島 誠
(Makoto Fukushima)


【運 用】 イカ飯食って凧揚げて打電済ませて無事帰還の巻

#0333 JR3ELR 吉本 信之

 年初から台風・地震・天災と移動運用が5回も衝突した挙句、地震津波から25年経過した奥尻島渡海打電を企てたら何と成田空港カウンター目前で地震による空港閉鎖&欠航メールが届く。リベンジを仕掛けたら今度は台風25号でフェリーが欠航して断念。仕方なく台風の中、函館空港を起点に道南一帯を一周して打電してきました。

北海道で台風に出会うなんて

 函館空港に着く前に三日続くことになった奥尻航路の欠航が決まりました。あてもなく今晩台風避難する場所を探して太平洋側に抜ける台風を避けてレンタカーを津軽海峡沿いに日本海側に走らせると大陸からの風が強くなって打電は到底無理な状態になりました。
 江差で日本海沿岸地帯をあきらめて内陸に入ると風が収まり森町の大沼で泊まりましたが台風の通過時にアンテナが飛ばされる恐れがあり展開できず、窓を打つ風と雨の音&余震が翌日未明まで続く一晩になりました。

 翌朝は森町の太平洋側にある道の駅で木の枝にひっかけた20mLWで北海道発打電を開始しましたが、中華ジャミングでつぶされ7MHz/4局との交信でお仕舞になりました。(写真1)

森町打電

【写真1】森町打電

 その次の運用地は定休日で店が閉まっていてスタンプが押せなかった道の駅恵山でした。
 海に向かって高揚力のラムスレッド式の凧を揚げ、マルコーニ大西洋横断時の受信アンテナの再現実験を企てたものの、台風が通過した後は急速に風が弱まって凧揚げアンテナが上昇してくれません。(写真2)

恵山凧揚げ

【写真2】恵山凧揚げ

 仕方なく地上の廃屋まで伸ばした1.5mH20mLWで打電すれども交信は又7MHz/4局で打ち止めになってしまいました。
 釣果無しは免れても流石に交信合計8局では意気消沈してしまいます。森駅前の柴田商店で買っておいた「いかめし弁当」を喰ってから(写真3)
函館空港の東の端、河口から500m程上ったところに建つ今回の地震の際に活躍した本州北海道直流送電線函館側陸揚所に立ち寄り移動運用の〆としました。(写真4)

恵山いかめし弁当

【写真3】いかめし弁当をエネルギー源に打電中


函館ケーブルヘッド

【写真4】函館ケーブルヘッド

 天災と衝突しても幽閉缶詰を回避して無事帰還するのは毎回大変です。敵艦見ユの次は凧アンテナでマルコーニの大西洋横断まで時空旅するぞ!!HI

【編集部から】

 今回はわりと函館の近くまで来ていたのですね。次回の挑戦時にはぜひ同行させてください。(JA8IRQ)
 


【製 作】 移動用144MHz 3ele エンドフェド八木の製作

#1111 JA0IXX 赤羽 史明

 移動運用のため、2m用の軽量なビームを作ることにしました。QRPで適当に楽しむのが目的なので重装備は不要で、選んだアンテナは八木の基本形とも言える3エレ八木です。組みバラシが簡単で、「数分あればセッティングできる」ものを目指しました。

【八木の設計】

 Kent/WA5VJBが設計した一連の八木群(原題は「Controlled impedance “Cheap“ Antennas」)の中で、5.6dBdのゲインと23dB≦のFB比(水平偏波)を持つ3ele八木を一度作ってみたいな、とかねてより考えていました。
 この八木はARRLアマハンにも掲載されており、WやEUでは代表的なローコストシンプルアンテナ(の一つ)になっているようです。


参考図

 

図1.WA5VJBの原典(https://www.wa5vjb.com/yagi-pdf/cheapyagi.pdf)より144MHz八木の部分抜粋

 優れた放射パターンとゲインを持つビームを、どこでも入手できる材料だけで容易に作れるところが広く支持されている理由でしょう。


WA5VJB

【写真1】Kentには1995年に10GHz用の導波管パーツ入手でお世話になった。左はG3WDG/Charles(1994年撮影) 

 このアンテナの輻射器は片側フォールデッド構造となっており、それが大きなセールスポイントになっている訳ですが、これを移動用のコンパクトな形に落とし込むのは少し厄介かなと思います。
 いくつか思案して、代わりに1m長のロッドアンテナを使ったエンドフェド型ダイポール(従来ピコ2専用で使っていた1/2波長電圧給電ホイップ)を使うことにしました。
 2mバンドで常用するのは垂直偏波なので、給電ケーブルをラジエターエレメント下端に接続できるメリットがあり、移動セッティング時のフィーダー引き回しはとても楽になります。

 反射器と導波器はオリジナルではφ4.7mmですが、持ち運び時の強度に不安が有るので少し太いアルミパイプ(φ7~10)を使うことにしました。
 先ずオリジナルのエレメント長のまま直径だけを変えてMMANAで計算してみたところ、FB比が6dB 悪化するとの結果。そこでGain&FB比優先で最適化し、φ10mmの反射器長は原典通り1041mmでOK、φ7mmの導波器は20mm短い920mmとの結果を得ました。この時、輻射器長は990mmで直径はロッドアンテナの平均径5mmを入力、エレメント間隔は原典通りで、Rad-Ref間216mm、Dir-Rad間292mmです。

 シミュレーションの結果は、自由空間でGain7.7dBi、FB比18dB、垂直偏波/地上高5mリアルグラウンドにてGain11.7dBi、FB比18dBですが、バックのパターンは大変クリーンです。


垂直偏波時の放射パターン

【図2】垂直偏波時の放射パターン(H=5m)

水平偏波時の放射パターン

【図3】水平偏波時の放射パターン(H=5m)

【輻射器のインピーダンスマッチング】

 10年ほど前に1mロッドアンテナを電圧給電して遊んだ時のインピーダンスは1~1.5kΩだったと思います。今回の整合方法は、その時と同じLマッチ方式とJG3ADQ永井さんのH/PにあるLC共振方式の両方を比較しながら試しましたが、Lマッチでは八木に載せた時に良い整合状態が得られず四苦八苦。
 一方のLC共振方式の方は、単体でも八木アンテナにした時でも大変安定したリターンロスが得られたのでこちらを選びました。

LC整合器

【写真2】 ラジエター電圧給電端のLC整合器

 調整手順ですが、先ずラジエター単体の状態でロッド長を990mmにセットし、バリコンを回して予め目的周波数で整合を取っておきます。これを八木に取り付けると、パラレルエレメントの影響で同調点が1MHz以上ズレますから今一度バリコンを調整し直し、地上高2~5mにてリターンロス17±1dB(VSWRで1.3~1.4)が得られました。
 アンテナ組みバラシや設置環境の違いでVSWRの不安定さが起こらないか、そこに注目しながら数回に渡り測定しましたが、最適点にセットして以降の結果は常に安定しており、整合に関して不安を覚えることはありませんでした。


完成した3エレ八木(H=4m)のリターンロス特性(144±10MHz)

【図4】完成した3エレ八木(H=4m)のリターンロス特性(144±10MHz)

 参考に図5~7を添付しますのでご覧ください。パラレルエレメントの存在が、アンテナ共振点やVSWRにどんな影響を与えるかが分かり、興味深いものがあります。

八木から反射器だけ取り外した時のリターンロス

【図5】八木から反射器だけ取り外した時のリターンロス


導波器だけ取り外した時

【図6】導波器だけ取り外した時のリターンロス


反射器も導波器も取り外した時

【図7】反射器も導波器も取り外した時のリターンロス

 ラジエターはロッド長さが990mmの時に実測で144.3MHzに共振していますが、10mm伸縮で同調点は500KHz上下します。従い、ロッドを15㎜ほど縮めればFMの周波数帯にうまくアジャストできます。この辺りがロッドアンテナの便利なところです。
 なお、フィーダー給電端にはシュペルトップを入れてあります。エンドフェドと言っても動作は平衡給電のダイポールですからバランは必要です。

【構造その他】

・ブームは18㎜×18㎜の木製です。ラジエターの固定用にブームに縦穴を開け、二段目のロッドを圧入で固定できるように穴径を現合で調整しました。アンテナの重心位置はラジエター位置にピッタリ重なりましたから、そこにカットした塩ビパイプ(内径1/2インチ)をサドルバンドでブームにねじ止めし、釣竿マストの受けにしてあります。

マスト受け

【写真3】ラジエーター圧入部とマスト受け


エレメントクランプ

【写真4】エレメントクランプ

・導波器と反射器のエレメントクランプは一般的な目玉クリップ方式。
・ラジエターを圧入でブーム固定している都合上、エレメントの中点がブームより上方に70mmほどオフセットしているので、他のエレメントのクランプ位置もその分平行移動してあります。
 ブーム上に電流腹が来ない点に、精神衛生上の引っ掛かりは有りますが、絶縁型ブームなので特に悪影響は出ていないようです。
・コイルは1㎜スズめっき線内径φ6に7tスペース巻(タップ1.5回)、トリマーバリコンの容量は7PF(250V 耐圧)。

【アンテナの評価】

 先ず裏庭でF/B比のデータを取りました(使用した機器は発振器にピコ2、受信機はスペアナ+ATT)。
 測定結果は送受アンテナ距離4~6mにおいて最大25.2dB(西向ビーム)、最小21.1dB(東向ビーム)。
 測定バラツキの原因は主に東隣家の影響と思われ、そちらにフロントを向けると反射のためFB比が悪化し、逆に隣家の無い西側に向けると3dB以上数値が良くなる、といった結果でした。
 いずれにしてもFB比の実力は20dB≦のレベルにあるようです。

完成した八木のFB比を測定中

【写真5】完成した八木のFB比を測定中

 その後高台の公園に行き、実際の移動運用スタイル通りにセットアップしました。組み立て~仮設は数分で終了、アンテナ本体重量は僅か270gなのでビームを振るのも至極容易です。
 それにしても、往時はあれほど混雑していた2mバンドですが、当地松本でもオンエア局がメッキリ少なくなってしまい、日曜日でもなかなか相手局が見つかりません。そこでローカルのJA0BZC矢花さんに電話して相手をして頂きました。
 結果は垂直DPとの比較では5dB程度のフロントゲインがあるとのレポート。また、フロントでS8→バックでS1以下に落ちるとのことで、やはりF/B比は十分取れているようです。


アンテナテスト

【写真6】高台の公園にて、松本市内~安曇野を遠望しながらアンテナテスト


分解した3エレ八木。エレメントを分割できれば更にコンパクトに

【写真7】分解した3エレ八木。エレメントを分割できれば更にコンパクトに

 後日ですが美ヶ原に移動した時は、横須賀、土浦、日光、新潟など距離にして200~250kmほどの局がFBに聞こえていましたので、ワッチしながらダイポールに切り換えたり戻したりでその性能差を体感できました。印象に残ったのはバックでは消感するくらいのF/B比の良さです。
 持参した送信機が60mW のミニパワーだったのでQSOできたのは100㎞離れた1局だけでしたが、パワーを10dB増やせばそれなりに楽しめそうです。

【編集部から】

冒頭の片側フォールデッドダイポール給電の八木アンテナに見覚えがありましたが、以前、私が試作して会報2015年6月号に掲載したものでした。(かんたん3エレ八木アンテナ)その後、同軸ケーブルのはんだ付けが外れたままで放置されていますが、冬のうちにBNCコネクタを取り付けて春の移動の準備をしようと思っています。(JA8IRQ)


【製 作】 スモールループアンテナの試作

#1078 JA1XFA 田島 建久

 SLA(スモールループアンテナ)の試作をしたのでレポートします。

 以前からHFでの移動用に小型アンテナが欲しくSLAは候補の一つでした。
 今回、材料が揃ったので、試作してみました。
 同調バリコンの固定が全く仮設なので、ここをちゃんとしないと使えなさそうですが、動作そのものは確認できました。

 アンテナの基本部分の材料としてQRP仲間のローカルさんから頂いたクーラーの冷媒配管の切れ端に長さ308cmの物がありましたので試作を試みた訳です。

SLA組み立て編

 後述のJA1HWO菊池OM作成のMLA.EXEで計算してみると7MHzではかなり低能率のアンテナになりそうです。
 18MHz以上で使えば、より有効かもしれません。
 この材料寸法でも直径は結構大きいし、能率を上げるには7MHzに拘ると複数巻きのループでないと駄目かもしれません。
 ドライブはループ給電型の方が広帯域になるらしいのですが、給電ループ部分の保持構造を作るのが面倒なので、安直なトロイダルコア給電で試しました。


給電部に使ったトロイダルコア

【写真1】給電部に使ったトロイダルコア

内径7mm 外形12.5mm 厚さ8mm
給電コイルは7t巻きました。巻き数の根拠はありません。
出身はジャンクのSW電源だったと思います。メーカーも特性も不明です。
巻き数、コアの特性が適切かどうか全く判らないけれど使えたのでラッキー。無精者式の給電方法?です。
広帯域で使うつもりなら、当然それなりのコア選定とか巻き数調整とかは必要でしょう。


給電部

【写真2】給電部

細い同軸付きのBNCコネクタをコアの巻き線に接続。この部分の黒い同軸は75Ωです。
マッチングとか考慮した訳では全く無く単に適当な長さの同軸付きBNCコネクタがジャンク箱にあったので使っただけ。


給電部2

【写真3】給電部その2

ホットメルトで固定兼保護。


給電部3

【写真4】給電部その3

コアに銅管を貫通させた感じ。見た目だけはぴったりでした。


VC

【写真5】バリコン

バリコン仮設の画像 メーカー特注品?なのか軸が短い。今後実装時には、つまみの取り付けに一工夫必要か?

 同調用バリコンは計算では1KV以上の耐圧の物が必要です。
 QRPでエアVCなら耐えうるかも?。でもポリVCだと溶ける?とかオソロシイ話がネットに溢れています。
 結局同調バリコンは以前ローカルさんが下さった(捨てて行った?)誘導雷で破損したFT-757ATというモータードライブ型ATUを分解してバリコンを転用しました。制御基板のICに穴が開いていたので・・修理は速やかに諦めました。
 一応100W対応のATUですが、使うつもりのVCは直列回路に使ってあり耐圧が心配ですが、タイトVCなのとQRP使用だし、新規に購入するつもりも無いので、部品を利用した訳です。結果的にはFT-817では“放電”しませんでした。
 バリコンは回路図では290pFとあったので、もう少し小さい物で良さそうです。
 現在はバリコンは希少部品らしいので、昔のように羽根(ロータ)を数枚毟って容量を減らして・・なんていうモッタイナイ事はとてもできませんけどね。


給電部の保護

【写真6】給電部の保護

庭木の枝に引っ掛ける為、上部の給電部を配管断熱材でカバーしました。


VC

【写真7】庭木へ設置

庭の松の枝に掛けました。この高さがちょうどVCに手が届く限界です。左側3mで私鉄の駅構内線路。ノイズの源・・。
同調を取ってから、少し上の枝へ移しました。

 取り付け方法の旨いアイディアが無いのでループ先端の高圧側の絶縁用プラスチック板に結束バンドで縛ってしまいました。
 ちなみにこのプラスチック板は“愛飲品の生協焼酎のPETボトルのハンドル部材”です。梯子フィーダを作るため?に収集してます。
 トロイダルコア給電がうまく行けば、エレメントを折り畳む方法を考え携帯性向上を図ります。

SLA試験運用編

 10/21 AM JCC-1325にて

 天気が良いので庭でSLAの使用実験を行いました。
 最も能率が悪い7MHzでやってみましたが、S9を振って入感する局ならタイミングさえ合えば交信できそうです。
 日曜で信号は多々入感しましたが、S8以上の局でもフラレっぱなし。やはりQRPだと蹴散らされるのか?
 7エリアの強い局が出ていたのでコールしたらQSOできました。FB!。
 日当たりが良く、風も無かったのでいろんなバンドでやりたかったのですが、薮蚊が大量に出てきたので、とにかく交信実績が得られたので早々に室内へ撤退しました。


試験運用

【写真8】試験運用中

ノイズレベルは低いです。でも当局QTHは私鉄の駅の傍なので目の前にインバータ制御電車が来ると振り切れます。

判った点

1.同調点は受信ノイズレベルで明確に判ります。体感的に使用可能帯域はとても狭いです。
2.ネット記事ではアンテナ直下付けの正確なSWR計を使え、とかアンテナアナライザで精密に同調点を合わせて・・という記事ばかりですが、私の場合は受信時のノイズレベルが最大になるようバリコンを回せば、そのままでOKでした。
 この状態でFT-817内蔵のSWR表示ではバーは立ちませんでした。
 “人力移動”では荷物は最小にしたいので、これはとてもありがたい点です。とはいえ、ループがまだデカイです・。
3.本来の指向性のせいか、狭帯域のせいかは不明ですが、ノイズが減って聞き易いです。
4.ループの分解と組み立てが簡単にできるように工夫すれば、移動時や仮設時の良いアンテナになるでしょう。
 使用周波数で同調操作が必要ですが、多バンド(2バンドしか試しませんでしたが)で使えるので便利です。
5.使うときは、やはり高い位置にループを上げた方が当然FBです。VCの調整に延長軸などの工夫が必要になりますが。
6.高地等のFBロケーションでも、もう少しパワーが必要。局数を稼げるアンテナとは思えないです。
7.私的には“無名トロイダルコアによる安直励振”方法が順調に動作したのが、最も嬉しい発見でした。

 最初は“こんな簡単な小ループに7MHzが乗るのか?”と半信半疑でしたが、製作(まだ試作段階ですが)してみて、SLAも案外使えるのが判って更に興味が深まりました。
 10MHzも明確な同調点を見つけたので、いずれ運用実験をやってみたいと思います。
 計算上では7~28MHzまで使えそうです。

 21MHz以上では、計算上ではゲイン低下も殆ど無いし、狭い範囲(例えばCWバンドのみ)で使うなら頻繁な調整も不要と思われますので、VCの取り付け方法を工夫して丈夫にすれば扱い易いアンテナになるでしょう。

おまけ

 SLAの諸データを計算するBASICプログラムEXCELの表です。
 シャープのポケコンPC-G850とEXCEL-2000に入れて動作を確認しました。
 実際には過去のCQ誌の付録CD-ROMにあったJA1HWO菊池OM作成の“MLA.EXE”を使ってみたら、とてもFBだったのですが、菊池OMがCD-ROMに載せた以外の再配布を禁止しているので、国内出展元のCQ誌1998/SEPに出ていた計算式をポケコンBASICにしたものです。
 ポケコンへ移植した理由は屋外でのアンテナの実験にフィールドへ持ち出せるWindows PCが手持ちに無い、という為です。
 良いPCをお持ちならEXCELのシートの方が融通が利くかも?。
 どこでも再計算が簡単に出来るツールがあれば実験製作が楽しくやれます。
 各パラメータを更に詳しく計算するならW5QJRさんのサイトに詳しい計算式が出ているので、こちらを参考にどうぞ。
 ただし、計算結果にはかなりバラつきがあります。いずれにしても実アンテナでのカット&トライは必須です。
 内容は適当に弄ってください。“自作品(^ ^;)”ですので、使った結果については責任は持てませんけど。

 SLAは難しい?と考えている方の参考になれば幸いです。

【編集部から】

 菊池OMのツールは私もいろいろ使わせていただいてました。ちなみにBASICのプログラムは動作確認をしておりません。今やポケコンを持っている方も多くはないと思いますが、スマートフォンという高性能計算機はみなさんお持ちでしょう。スマホの表計算アプリでもエクセルの表を開くことができますし、その気ならBASICもあるようですね。(JA8IRQ)


【小ネタ】 RH-770アンテナのケース製作

#0982 JA3HKR 吉田 清和

 いつものハイキングコースの展望台で、愛用している第一電波工業RH-770アンテナをリュックから取り出したところ、写真1のように中央のローディングコイルの部分が壊れてしまっていました。
 今日の目的地はこの季節「鷹の渡り」が観察できる所で多くの野鳥観察者が集まるところです。私も欲をだしてリグだけでなく一眼レフと望遠レンズもリュックに詰め込んできました。そのため、リュックの中で曲げ応力がかかって壊れたと思われます。
 そこで、今後のことを考えて、製作というほどのものではないですが保護ケースを作りましたので紹介させてください。

壊れたRH-770アンテナ

【写真1】壊れたRH-770アンテナ

 壊れたアンテナの直径を測ると根元部分およびローディングコイル部分がそれぞれ15mmφでした。これが入るケースになるような出来るだけ軽い薄いパイプをさがします。釣り道具店に行けば何かありそうな気がするのですが、近くにないのでDIY店と100円ショップをさがしました。太すぎたり肉が厚かったりとなかなかピッタリの物が見つかりません。100円ショップの箒の柄など使えそうにも思えるのですが肝心の内径がわかりません。ようやく矢崎のイレクターパイプの細手を見つけ、安価だったので買ってきました。
 ハムショップに注文していた新しいアンテナが入荷したとのことで受け取ってきました。喜んで前述のパイプに入れようとしたら入りません。なんと写真2のように新型はローディングコイルの部分が2mmも太くなって17mmφになっています。

新旧RH-770アンテナ

【写真2】新旧RH-770アンテナ(上が従来品)

 結局振りだしに戻ってパイプさがしからやり直しです。今度は写真3のような外径21mmφ内径18mmφのアクリルパイプを見つけました。

アクリルパイプ

【写真3】アクリルパイプ

 前回は太すぎると見送った物ですが、今回はピッタリです。透明で中も見えるし軽いです。次に両端のキャップになるものをさがします。椅子の脚キャップなども見てみましたが、ネジ売り場で写真4のようなものを見つけました。六角をしていますが先ほどのパイプにはぴったりでした。

ボルト頭部キャップ

【写真4】ボルト頭部キャップ

完成品

【写真5】完成品

 完成というほどではないですが、出来上がりを写真5に示します。
ずいぶんと労力と時間を費やしましたが、これも物作りだと捉えることにします。

【編集部から】

(JA8IRQ)

アンテナ関係の記事の3本目はアンテナ収納ケースでした。材料をさがして加工するのも楽しみだったりしますね。投稿ありがとうございます。 


【お知らせ】 QRPクラブからのお知らせ

#0678 JA8IRQ 福島 誠

◆ 11月3日にQRPコンテストが行われました。今回も多くのQRP局のエントリーがありました。集計にはかなりの時間がかかる予定ですが、得点結果はこちらに発表される予定です。

◆ 11月17日~18日に全国集会が行われました。詳細については次の会報で報告いたします。
全国集会2018


編集後記&近況報告

#1099 JR7SOX 菊池 弘二

◆アマチュア無線家にとって大事な電源、家庭のAC100Vの話を。
 自宅のコンセントを取替えようとカバーを開けると、なにやら変な雰囲気でした。
 中身を出すと接地側電線(白)と非接地側電線(黒)が逆に接続された器具でした。(電工試験では欠陥として不合格です)

逆接続

【写真1】右側のWと表示がある方に白い接地側電線を接続するのが正しい

 こんなもので良いのかなと思い、一階部分のコンセント全部の極性を検電器でチェックするとなんと18ヶ所中11ヶ所の接続が逆で、正しかったのは7ヶ所だけでした。
 グラウンド側と思っていた方がホット側だったとは。感電しなかったことがラッキー。
 家中の極性がある器具全部をチェックするというのも面倒臭い気がしています。


編集後記&近況報告

#0678 JA8IRQ 福島 誠

◆当地函館ではもう初雪が降って、いよいよ冬になりました。今回はアンテナ関係の記事が多くなりましたが、部屋にこもって無線機器の自作を始めるかたも多いのではないでしょうか。実験の投稿をお待ちしております。

◆本業と別の趣味が忙しくて、ここに報告できるようなネタがありませんが、そういえば最近、「はこだて検定初級」というのを受験しました。昨年落ちて今年はリベンジだったのですがなんとか合格したようです。函館山のふもとにたくさんある坂の名前などご当地ならではの問題が出ます。

◆出張で江別市に行ったときに、「四季の道」という遊歩道を歩きました。元は夕張鉄道の線路敷地で発電所への引き込み線だったそうで、今も機関車が飾ってあります。

四季の道

四季の道

発電所の高圧・大電流用の遮断器(ブレーカー)も陳列してありました。北海道で話題の新しい本屋は、そんなところにあります。
四季の道

◆12月号、1月号の原稿を募集中です。あなたの実験、製作、運用レポート、小ネタなどを12月20日ころまでに編集部あてお送りください。パソコンが苦手な方は福島あて直接の郵送でもかまいません。(住所はMLや紙版会報などで確認してください。)宛先は qrpnews@jaqrp.net (@は半角@に)です。

 






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