JARL QRPクラブ会報 2015年3月16日発行 Vol.57-12

投稿者: | 2015年3月16日

JARL QRPクラブ会報 2015年3月10日発行 Vol.57-12


No. 2015年3月号 目次 コールサイン 筆者
1 60周年記念キット頒布プロジェクトの進捗 JE1ECF 斎藤 毅
2 60周年記念QRPハンドブック(仮称)編集の進捗状況 JA8IRQ 福島 誠
3 QRPなDXの世界 JA1KGW/JA2OP 青山 憲太郎
(Kentaro Aoyama)
4 ロランC雑感 JO1UBD 丸山 裕二
5 JARL神奈川県支部
支部役員・監査指導委員・クラブ代表者合同会議への参加
JE1ECF 斎藤 毅
6 編集後記&近況報告&アキバ散歩報告… JO1UBD 丸山 裕二
7 役員会報告&編集後記&近況報告 JA8IRQ 福島 誠


60周年記念キット頒布プロジェクトの進捗

#696 JE1ECF 斎藤 毅

 

 1月に公式発表しました、プロジェクトの進捗を報告します。まず、メンバーですが以下のとおりです。(当プロジェクトは全国展開したいと考えていますが1エリア以外からのメンバーエントリーは9エリアのみです。また、プロジェクト参加を期にクラブへの入会もすすめています。)

①主要メンバーは……
 JE1ECF 斎藤(プロジェクトリーダー)、JE1AHW 内田さん(キットメーカーCYTEC)、JE1UCI 冨川さん、JR2FNK/1 鶴田さん
② 公募メンバー【調整基板組み立て等】は……
 JR4IYF/1 武田さん、JR1KDA 岩崎さん、JA9RRH 中社さん。
③秋葉原QRP懇親会【キット構築に伴う技術相談、調整基板組み立て等】
 JR1QJO 矢部さん、7L3DNX 竹野さん、JK1LSE 本田さん、JA9TTT/1 加藤さん、JN3XBY/1 岩永さん、JG1SMD 石川さん、JG1CCL 内田さん。
④オブザーバー【クラブ役員】
 JA8IRQ 福島会長、JS1BVK/3 山田会計、JR7HAN 花野監査役。

 無線機キット頒布にあたり、クラブ員に事前アンケートを行いました。結果、意見が多様化したことで迷いがありましたがコンセプトは以下のとおりです。
「無線機を作る楽しみのきっかけを会員に提供し、自作物を活用してもらう」
1、自作の導入を目的とすることから、複雑な回路構成としない。
2、継続して自作を楽しめるよう「創造する余地」を残す。
3、活用の観点から一般的国内QSOが可能である周波数を選定したい。

 仕様は以下のとおりです。
 名称は「JA Pepper60(JA P60)」JAペッパー60 (注1)
 規格は21MHz・DSB 出力1W程度。
 希望のあったCWモードについては本来の予定していた規格外となることからおまけレベルの機能となります。
 発振回路は21.2500水晶を用いたVXO方式 (注2)
 受信部はダイレクトコンバージョン

注1:「山椒は小粒でもぴりりと辛い」の山椒(Japanese pepper tree)をもじり、且つ、JARL QRP CLUB 60周年の意を盛り込む。
注2:JARLコンテスト周波数にも対応することを視野に入れていましたが、
これについては創造する余地の観点からおまけ水晶をつけることにしました。
なお、発展性を考慮し発振回路用入力端子(ジャンパピンで切替)や周波数カウンタ用出力端子を基板上に設けます。

 頒布台数は記念モデルを60台【以後、CYTEC製品として普及版を販売予定。】
 頒布方法は技量を考慮し、①バラキットA(ケースなし)、②バラキットB(ケースあり)、
③初心者向け調整基板キット(ケース付)です。

 以上を踏まえ、下記の回路設計(案)がでております。
JA Pepper60
 【JA Pepper60回路図(VXO部)】
JA Pepper60
 【JA Pepper60回路図(受信部)】

会員の皆さんへのお願い
 現在、受信部において、21MHz帯上方の放送局の通り抜けが確認され、軽減対応ができておりません。BPFは効果ありませんでした。頒布価格に見合う対処法を模索中です。
よい案があれば、JE1ECFまでご連絡をお願いします。

編集担当から

 斎藤さん、プロジェクト推進お疲れさまです。
21MHz上方の放送局は、夜間帯の移動運用でフルサイズDPを使用した際に盛大に受信できた記憶がありますが、本日改めてベランダのモビホで受信してみますと無感でしたので、放送される時間帯が限定されているようですね。BPFでは隣接しすぎて効果無しとは、放送波ピンポイントにトラップ(LC並列共振回路を受信初段に直列に挿入)くらしか、対策が思い浮かびません。コンテスト時は、空き場所が無くバンド上限ギリギリまでQSYしていたので、気がかりです。
どなたか軽減策の検討や追試をお願いします。(JO1UBD)


60周年記念QRPハンドブック(仮称)編集の進捗状況

# JA8IRQ 福島 誠

 

 私たちのクラブでは創立40周年になる1996年に「QRPハンドブック」を編集し、CQ出版より発行いたしました。

QRP ハンドブック

 【QRPハンドブック1996年版の表紙】

 また、創立50周年には、クラブの歴史をまとめた小冊子を会員に配布したほか、CQ誌の別冊付録としてQRP特集を編集しました。

 QRPハンドブックは名著の誉れ高く、多くの人がこの本を読んでQRPへの道をたどりました。実は私自身も再開局を準備していた1998年ころにこの本に出会い、ここに昔からのアマチュア精神が残っていることに感激してピコ21で開局した経緯があります。
 残念なことにQRPハンドブックはかなり前から絶版であり、アマゾンでは中古本が高値で取引されるようになっております。

 そこで、来年に創立60周年を迎える時期に、これからアマチュア無線に興味を持つ人、再開する人たちにQRPの面白さを伝えるために、新しいハンドブックを作成したいと思っています。

  • (仮称)新版QRPハンドブック
  • 発行日時:2016年8月(ハムフェアで販売)
  • 形態  :B5版160頁程度(旧版と同様)

     現在、以下のメンバーが編集委員となり、すでに2回の編集会議を開いて項目の選定などを行っております。

    JG1EAD仙波(編集長)

    編集スタッフ
    JA9TTT加藤、JR8LJS豊川、JE1HBB瀬戸口、JM8CMU土坂、
    JE1NGI山西、JR6HK屋比久、JG1SMD石川、JG1CCLうちだ
    VE3CGC 林(カナダ在住)

    JA8IRQ福島(会長)、JS1BVK山田(会計・旧版編集委員)、JE1ECF斉藤(副会長)

     まずは、商業出版物として書店で販売できるものを目標としていますが、出版社との連携が難しい場合は自費出版としてでも本の形にしたいと思っております。今後、会員の皆さんには原稿の依頼などあるかと思いますがご協力をよろしくお願いいたします。

     

    QRPなDXの世界

    海外のQRPer

    JA1KGW/JA2OP 青山憲太鮱 Kentaro Aoyama

      ~大きいことは良いこと? BD6IF/QRP、Zhang(張宏)さんとのJT65でのQSO~

     2015年1月6日の早朝、28.076MHzのJT65でCQを出していてBD6IF/QRP、Zhangさんから呼ばれてQSOをしました。交換したレポートは、-08/-05でFBな信号でした。Zhangさんの使用リグは、FT-817ndとDPVの組み合わせでした。BD6IF/QRPは個人局で、中国的な特徴があるアマチュア無線局と感じました。

    1. カードの表は、赤を基調にした花(牡丹)をモチーフにしたデザインです。中国人は、赤は幸福の色と言うことで、何事にも赤色を用いますね。
    BD6IF/QRP
     【BD6IF/QRPのQSL表面】

    2. このQSLカードを挿入して送られてきた封筒の寸法が大きくて驚かされました。万里の長城、白髪三千丈と言いますが、兎に角大きな国土と人口の多さを誇る中国は何事にも大きな物を好むのでしょうか?縦が16cm、横が23cmです。通常我々が使用する標準的な封筒に比較して、面積で約3倍はあります。因みに、切手は4.2元と0.8分の2枚が貼ってありますから、5元(約96円)です。日本から中国へは、90円ですから略同額です。

    BD6IF/QRP,ZhangさんからのQSLカードの裏面です。
    BD6IF/QRP
     【BD6IF/QRPのQSL裏面】

     今までも、何度かデジタル・モードJT65による2WAY QRP QSOをした局のレポートをしましたが、このモードのQRPとは一体何W以下をQRPと言うのでしょうか? 未だに正解が得られていません。

    編集担当から

     青山さん、いつも報告ありがとうございます。
     確かに中国の方は、赤色を好みますよね。この色を見ると落ち着くのでしょうかね。
     ディジタルモード時のQRP出力ですが、悩ましいですね。
     ちょっと横道に逸れて、狭帯域波の場合は無変調キャリアの電力(尖頭値)を基準に、JT65よりも広帯域(例えば数MHzまで)に拡散変調した場合では、拡散して広帯域に分布した帯域面積の合計出力値(平均電力)から電力密度変換で定めていますが、いずれも送信機出力(エネルギー量)で免許されています。
     いろいろと考えてみたのですが、何らかの伝搬モデルみたいなものが必要かと思いました。例えば交信が成立(受信識別)する最大限の電波伝搬損失量(最小限の受信電界レベル)を求めて、それを基準値と定める。通常はギリギリな通信範囲ではあるが、コンディションが良ければ伝搬距離が伸びる。また、モードにより、どの程度の低受信電界レベルで識別=通信が可能なのかの比較順位では、ディジタルモードはCWよりも少ない電力で通信可能ですので、CWよりも少ない出力値は合理的ですよね。その分受信識別の時間を要していますので、ひょっとして、この受信識別時間を新たに加える必要もあるのかなと思いました。この辺りは、皆さんも意見を聞いてみたいと思います。(JO1UBD)


    ロランC雑感

    #993 JO1UBD 丸山 裕二

     2月号に吉本さんから報告されたロランC
    とはなに?な世代ですので、調べた範囲で少し報告したいと思います。

     毎号そうなのですが、2月号の編集作業時も、速やかに/内容に間違え無くを優先して行いましたので、その時は特に気付きませんでしたが、公開が終わってから読み返した際に、ふと過去の記憶や知っている知識との関係箇所に気付く機会があります。特に2月号のロランC局の閉局記事では、何か見覚えが有ったなぁーという曖昧な記憶でした。

     その後自室を整理していた際に目に触れたのが写真の雑誌でした(未だ卒業できず購読が続いています……Hi)。そーそーコレコレ、っとモヤモヤしていた原因が『電波受験界』2014年4月号の表紙、新島ロランC局の閉所式でした。巻頭カラー特集にはその模様が記されていました。今月はコテ休めを兼ねて、雑感をつらつら書いてみます。もう少し早く気付いていれば、2月号にてコメントすべき内容でした。(MLへ投稿すべき内容ですが、写真がありますので、こちらでご勘弁を)

    電波受験界(2014/4)
    【電波受験界 2014年4月号表紙】
    電波受験界(2014/4)
    【電波受験界 2014年4月号5頁】
    電波受験界(2014/4)
    【電波受験界 2014年4月号8頁】

     写真にあるようなサービス開始式や閉所式には何度か関わりましたが、セレモニーのボタンスイッチを押すと、その先にあるベルが鳴って、その音を聞いた操作員がコマンド投入や、スイッチ操作などの原始的操作かつ確実な手動操作で対応していました。表舞台ではその後は立食パーティーに移っているのに、舞台裏では意味不明なメッセージ出力に冷や汗をかいて格闘していた事もあり…… 。
     さて、吉本さんから報告のあった慶佐次の閉所式の模様は、次号の4月号に掲載されるのかは、まだ手元に届いてないので不明です。(3月14日発売)

     電波受験界誌で触れていた『写真で学ぶアンテナ』は、所蔵(積ん読)していましたので、早速該当ページを開いてみましたが、どういう原理で測位しているのかなどの解説が、僕には高度過ぎて理解できず、いろいろ調べた結果の報告が本稿の目的でもあり、また、過ぎ去っていった技術のメモリアルとして記録しておきたいとも思いました。
    写真で学ぶアンテナ
    【写真で学ぶアンテナ】
    写真で学ぶアンテナ
    【写真で学ぶアンテナ 249頁】

     さてさて、ロランCの中味についていろいろ調べてみると、まず海技士(航海)の口述試験にロランCに触れた設問がありました。例えば、
     Q:ロランCについて使用電波、測定対象、基線長、精度、有効範囲を述べよ。
     A:使用電波:100KHzの長波、測定対象:電波の到達時間差と位相差、基線長:約500~800海里、精度:0.2~0.3海里、有効範囲:夜間は約2,300海里、昼間は約1,400海里。
     Q:ロラン方式において空間波補正値(修正値)には誤差が含まれていることがあるといわれているが、その主な原因について述べよ。
     A:空間波を反射する電離層の高さは一定ではなく、多少変化しているため、地表波と空間波との各経路差は不変ではない。これに対し空間波補正値は、平均空間波伝搬曲線に基づき計算や統計により求めた値なので、真の値に対し誤差を含んでいる。
     このような海技士(国交省が実施)の問題を見ると、総務省が行う総合通信士や海上通信士の試験問題に比べて、より踏み込んだ実践的内容になっているかと思いました。

     次にロランCの具体的な中味について報告されていたのが、日本航海学会と日本造船学会の論文誌でした。また、ロランCは、航空機にも具備されていたと思いますが、航空関係の資料にはその形跡は見付けられませんでした。(最近のヤフーオークションで、航空機用ロランCの受信アンテナが出品されていたのが唯一の軌跡かと思います)

     これらの資料類から理解したのが、主局(1局)、従局(例えば5局)が同じ周波数に対して同時にパルス波を発射して、観測された地点でそれぞれの遅延時間から測定地点の緯経度を弾き出す仕組みでした。いま風の表現にすると、一つの周波数に対して複数局から送信波により時分割多重された信号を受信して、それぞれの時間遅延を測定して受信地を割り出す。
    もっと具体的に言うと、少し前に世の中にあった、アナログ方式自動車電話システムの位相同期された呼び出し報知チャネル(P-ch)と同等な信号波(アナログ受信機で聞くと、シャシャシャシャ……という規則正しい繰り返し音で、数10局が同じ周波数で同時送信)と言ったところです。ロランCでは、主局1局を基本として、従局2局の合計3局分が同じ周波数上のタイムスロットとして認識できれば、主局の受信開始時点を起点に、従局2局のそれぞれの受信開始時点の遅延量を割り出して、予め作成された地図上にプロットして、測定地点の緯経度を測位する仕組みとのこと。
    その他、箇条書きで特徴を上げて行きますと、
    ★100kHz帯の伝搬特性として、山岳地帯上空では平面に比べて電波伝搬にはかなり遅れが生じ、その影響を受ける範囲は、山の高さの2倍程度まで。ただし、予測計算が可能。
    ★伝搬伝搬上は、地表波を基本として、電離層反射による空間波は、受信時の妨害になる。
    ★また、電波伝搬上の季節変動=位相遅れは夏に大きく、冬に小さいく、大気の屈折率に相関がある。気象による変動(前線の通過など)もある。
    ★ロランなどの測位システムの必要性が高まった背景は、200海里水域問題がきっかっけ。また、座礁による海難事故による海上汚染も。
    ★ロランの100kHzの上下、85kHzと113kHzにはデッカの周波数。
    ★米国におけるロランCは、米国沿岸以外は民間開放されて無い(別の代替手段を利用、デッカ、オメガなど)
    ★主局と従局は、パルスの数が1個違うので、まず主局のパルスを特定し、再度主局のパルスが受信出来るまでの時間で、チェーンを特定する。
    ★100kHzの電波が水中で1/eに減衰するのは、0.8mで水中伝搬には向かない。10kHzでは2.5m。

     いろいろ調べてみて、ロランCなどの測位機器は、古野電気など普段の生活では関わりの薄いメーカーが製品化していて、知らない事ばかりで少し勉強になり、無線の世界は広いなぁと感じました。会員の皆さんの中で、実際にロランCを利用されていた方が居りましたら、追加や補足をお願い致します。
     慶佐次のロランC設備は、3/2付けMLで吉本さんの報告の通り、既に空中線の支柱が撤去され空中線は無くなりました。

     『(電波の発射の防止)
    第78条 無線局の免許等がその効力を失つたときは、免許人等であつた者は、”遅滞なく空中線の撤去”その他の総務省令で定める電波の発射を防止するために必要な措置を講じなければならない。』の通り、遅滞なく措置されてしました。

     最後に、僕の電波受験界誌の卒業計画は、海通で科目免除を確保してから卒検(一総通)に挑戦したいと思いますので、今年はまずは四海通から順にメンコ集めをして行きますHi。

    日本造船学会誌第721号
    【日本造船学会誌 第721号(平成元年7月号) 437頁】

    <<参考文献>>
    (1)岡本幸雄(1989)「最近の航海用測位装置」『日本造船学会誌』第721号、1989年7月、pp.40-48
    (2)樽美幸雄(1974)「各種航法システムに関するアンケート調査結果について」『日本航海学会誌』1974年9月、pp.16-23
    (3)井澗健二(1977)「電卓によるロラン測位」『日本航海学会誌』1977年9月、pp.31-36
    (4)田口一夫(1977)「よみがえったロランCシステム ~現状と展望~」『日本航海学会誌』1977年9月、pp.37-46
    (5)米沢弓雄・三好一雄(1977)「電子航法装置に対する要望についての調査 ~米国商船と米国商船の比較~」『日本航海学会誌』1977年2月、pp.27-31
    (6)栗村静男(1977)、「ロランC受信機」『日本航海学会誌』1977年12月、pp.6-9
    (7)渡辺泰夫(1987)、「100kHz電磁波エネルギーの流れに及ぼす山岳の影響 ~三角形山岳モデルによる~」『日本航海学会第75階講演会にて講演』1987年3月、pp.69-75

    編集担当から

    私も調べてみました。ネットにある情報では、以下の航海訓練所のロランAについての説明がわかりやすかったです。ロランCはもっと複雑だとも。

  • 独立行政法人 航海訓練所のWebより 航海に関する知識
    双極線を利用する(ロラン)

  • 海上保安庁の公式ページですが、まだ「慶佐次ロランC局」の廃止については触れられてません。
    海上保安庁 ロランCとは

  • 古い論文が出てきました。なんと1963年の論文のpdfです。双曲線航行法の現状と将来

    結局のところ、ロランC(測位精度約500m)はGPS(測位精度約10m)にとって代わられたということのようです。(JA8IRQ/福島)


    JARL神奈川県支部
    支部役員・監査指導委員・クラブ代表者合同会議への参加

    #696 JE1ECF 斎藤 毅

     QRPクラブはJARL神奈川県支部の登録クラブ(専門クラブ11-4-15)ということで3月1日に出席しました。

     各クラブ近況報告では、2016年に60周年をむかえるにあたり、「QRPハンドブック」の発刊準備、「記念トランシーバーキット」の頒布準備をPRしました。
     また、クラブ員でもあるJA1KJW局の所属する大和AMCではサモア・ペディを行う旨のPRがありました。
     当クラブは全国規模であることから神奈川県支部の細かな事業結果報告・計画は割愛しますが、年2回行っているミーティング5月17日開催のフィールドミーティング(宮が瀬ダム湖畔)と11月1日開催のハムの集いについては、前者がジャンク市、フリーマーケットをメインとし、後者は内容において金銭の授受を拒む施設が増えていることで純粋展示とすることが告げられ、登録クラブに対し出展依頼がありました。

     支部からの報告・連絡では、2015年はJARL創設90周年となることから、ハムフェアの1日目に記念式典を行い、ハムフェア入場券と式典参加をセットにして6千円程度のチケットを販売するとのことです。
     また、1エリアでは90周年記念局(8J190Y)を6月12日~12月7日の間に開設し、
    神奈川担当は9月15日~10月5日で、登録クラブでのオペレート希望者を募るとのことです。
     ハムフェアについては90周年を記念し、今回は入場券を会員限定価格9百円で販売するとのことです。なお、これまではJARL NEWS誌に割引券をつけていたが、今回から会員証の提示により割引するとのことです。
     1月5日から新バンドプランが施行されており、バンド逸脱(例えば7.048Mhzなど……)には注意するよう求められました。
     新スプリアス規制については、総務省の新たな動きが無いことからアマチュア機のみがどうこうという単独行動ができないためJARLは動くことができないとのこと。
     ただ、JARDとして、測定は可能であることから活用してくださいとのPRがありました。
     2アマ講習会については、Eラーニングを採用し、7月を目処に開始したい。価格は50,000円程度を予定しているとのことです。
     2015年は、ARDF世界選手権大会が日本で開催されるとのPRがありました。

    編集担当から

     斎藤さん、出席&報告ありがとうございました。
     JARDの測定サービスは、ハムフェア会場内に測定器を持ち込んで、実施していましたね。今度利用してみようかと思います。
    JARLの記念局の持ち回り、支部毎に1ヶ月弱とは抽選制になりそうですね。(JO1UBD)


    編集後記&近況報告&アキバ散歩報告…

    #993 JO1UBD 丸山 裕二

    ★3月号をお届けいたします。

    ★ケース加工にハンドニブラを使った際に、AC変調状態で行ったので刃先が良く見えずに曲がって穴明けをしてしまいました。外見からして自作品と一発で判る利点でもあります。僕も電圧計を取り付けてみました。

    【穴明け失敗】

    ★「完全ジャンク」との誘いに釣られて、2月末にオークションで入手したジャンクのHF/50MHz機(DX-70、5千円)、到着してから電源は入れずにまず分解。部品の破損状態を調べましたが、不良箇所は見付からず。改造構想は、IFにコリンズフィルタを追加する事です。夏までには修理を完了させて、会報にて報告したいと思います。
    DX-70
    DX-70
    【5千円のジャンク機】

    ★春一番対策としてベランダのアンテナを殆ど撤収しているので、50MHzと1,200MHzだけがQRV可能な状態です。今年は釣り竿にも挑戦してみたいので、シーズンが待ち遠しいです。


    ★皆様からの投稿をお待ち致します。月末締め切りの翌月中旬の公開予定です。
       投稿の宛先は、qrpnews@jaqrp.net です。(@を半角に変えてください)


    役員会からのお知らせ&編集後記

     JA8IRQ 福島 誠

    ★ 今年の9月に第4回北海道ハムフェアが開催されます。

     2015年の9月5日(土)6日(日)札幌で第4回北海道ハムフェアが開催されます。1991年に第3回があってから24年ぶりということです。
    私たちJARL QRPクラブ、および友好関係にある札幌QRPミーティングも出展する予定です。
     夏の終わりの札幌は爽快でビールも美味しい季節です。ぜひ札幌でお会いしましょう。

    ★ 会員継続手続のご案内
     3月1日より新年度の会員継続の受付をはじめています。
     2015年度も正員としての継続を希望する会員は、JARL QRP CLUB のウェブサイトの「クラブ紹介」内にある『新規入会・会員継続申込』から所定事項・近況報告をご記入の上、申込をお願いします。
     会員継続の手続きがない場合、4月1日より準員となりますが、申込みがあった時点で正員に戻ります。
     当クラブは4月~3月までの年度単位で活動しており、正員としての会員資格も3月末でリセットされます。

    ☆ 毎年継続手続きをするのは面倒だが何とかならないのか、という問い合わせを時々受けますが、以下の事情があります。

    ☆ この会は、会員が全国に分散しており、活動はメールやブログでの交流が中心で「バーチャルなクラブ」である一方、役員選挙は郵便による投票で行うという「全国を対象とする地域クラブ」としての側面も持っています。連絡が取れなくなる会員が多数になると役員選挙が成立しなくなるかので、会員本人とメールや郵便、電話で連絡を取ることが可能である、ということはクラブとしては絶対に必要なこととなります。

     ☆ 新規入会をご希望の方もこのリンクから申し込むことができます。
     ☆ JARL QRPクラブの会員の義務は「役員選挙に投票すること」「毎年度、会員の継続登録をして、その時に近況報告すること」の二つだけです。どちらも会を存続させるために必用なことです。ぜひ、ご協力ください。

    ☆ なお、規約上は会費をいただくことになっておりますが、会費は現在無料(ゼロ円)であり、会費の代わりに任意の寄付を受け付けております。今年度も現時点で100名以上の会員から、30万円近い寄付(ドネーション)をいただいております。詳細は会員向けMLなどで公表いたしますが、多大なるご協力をありがとうございます。
     


    ★ 88 シンプルトランジスタ回路図集

     私はミニ回路図集というタイプの小ネタ集が大好きで、今でもトラ技の付録についていると購入してしまいます。
     思い起こせば中学生のころ、CQ誌1971年1月号の付録としてJA1BHG岩上篤行さんのの88シンプルトランジスタ回路図集が発行されました。これは今でも持っていますが、QマルチとかALCとか意味がよくわからないままに愛読したものでした。読んでいると(自分に技術のないことは忘れて)あれこれ作れそうな気になるのが楽しくてつい読みふけっては妄想してしまいます。私の小ネタ集好きはこのころからだったことを再確認しました。

     そう思って88シンプルをめくっていると、はじめに、の下にある出典に「103 Simple transistor Projects」とあります。どうやらこれが大元のネタらしい。
     さっそくgoogleさんに聞いてみました。
     どうやら、1964年に出た本のようです。ありがたいことに Open Libraryに自分のメールアドレス、IDとパスワードを登録すると無料で読めるようになるようです。

    この本です。→103 simple transistor projects

     ★ このQRPクラブ会報でも、こんな風なちょっとした便利な回路などを特集したいと思っています。みなさんのノウハウ、便利なあれこれを教えてください。
     ☆ 投稿の宛先は、qrpnews@jaqrp.net です。(@を半角に変えてください)