JARL QRPクラブ会報 2020年5月31日発行 vol.63-02

JARL QRPクラブ会報 2020年5月31日発行 vol.63-02

qrp news title

JARL QRPクラブ会報 2020年5月31日発行 vol.63-02


No. 2020年5月号 目次 コールサイン 筆者
1 【製 作】 50MHz用AWXアンテナ[CB-505]製作記 JP2LOA 原畠 輝美
(Terumi Harahata)
2 【製作&運用】 お蔵入りしていた自作機を再調整したら大活躍 JG1SMD 石川 英正
(Hidemasa Ishikawa)
3 近況報告 JA5DIM 林 章二
(Shoji Hayashi)
4 【お知らせ】 新役員・監査役紹介 JE1UCI 冨川 寿夫
(Toshio Fukawa)
5 【お知らせ】 8/15~8/18 FT-817(ND)、FT-818NDユーザーQSOパーティを開催します JE1ECF 斎藤 毅
(Tsuyoshi Saito)
6 【お知らせ】 QRPクラブからお知らせ JN3DMJ 松本 貢一
(Koichi Matsumoto)
7 【編集後記】 JN3DMJ 松本 貢一
(Koichi Matsumoto)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された皆さま、および、影響を受けている皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
最前線で従事されていている医療従事者等の皆様に感謝申し上げます。

JARL QRP CLUB 役員一同


【製 作】 50MHz用AWXアンテナ[CB-505]製作記

#0505 JP2LOA 原畠 輝美

作りやすい50MHz用AWXアンテナ製作記です。
※AWX=All Wave & Shaped Like X.
切っ掛けは数年前QRP club関係の懇親会で、参加局からロッドアンテナが数本無償提供され、うち4本を頂いたことで、それを活用し製作しました。

【材料】

ほぼホームセンターやジャンクパーツショップで購入可能。
① 樹脂製まな板1枚 W150mm×H270mm×D13mm。
② ロッドアンテナ4本  最大径13mm 13段 短縮時290mm、最長時1,500mm
今回2種類混在ですが影響ありませんでした。
③ アンテナ固定金具8個 品名(株)アイストラップ ショウ 42穴径φ4.2mm


【写真1】 アンテナ固定金具8個 品名㈱アイストラップ ショウ 42

④ 金具固定ネジ+ナット 各16組 ステンレス皿ネジM4×15mm。ナットM4
⑤ リード線 4本 1.5sq(出力にもよるが太目が良い)。
長さは40mm~ ロッドアンテナとバラン間の寸法で算出する。
⑥ 圧着端子8個 4個は②のアンテナターミナル端子経と⑤のリード線径に合わせる。
残り4個は⑤のリード線径とバラン端子の経に合わせる。
⑦ バラン FCZスーパーバランキット(MAX.50MHz 50W)もしくは類似回路で自作。
⑧ Uボルトクランプ 支柱固定用
⑨ BNC-Mコネクタ変換同軸ケーブル(Mコネクタ側オスメスは測定器あるいはリグ側に合わせる)

[バラン製作]

FCZ寺子屋シリーズキット No.243スーパーアンテナバランをお持ちの方は説明書に従い製作して下さい。(材料、ケース、蝶ナット2個付属)
キットが無い方はインターネット検索で類似回路など参考に製作して下さい。適当(笑)

FCZ寺子屋シリーズキット No.243スーパーアンテナバラン
【写真2】 FCZ寺子屋シリーズキット No.243スーパーアンテナバラン(現在廃盤)

[組付け]

1.画像を参考にロッドアンテナをまな板へ取付け固定します。まな板は樹脂製のため電動ドリルでの穴明けは簡単です。
左右対向するロッドアンテナの角度は60度ぐらいで固定します。アンテナと固定金具に若干隙間が出来グラつきが出るので金具側をペンチなどで曲げて密着度を上げて下さい。

ロッドアンテナをまな板へ取付け固定
【写真3】 ロッドアンテナをまな板へ取付け固定

ロッドアンテナをまな板へ取付け固定(裏側)
【写真4】 ロッドアンテナをまな板へ取付け固定(裏側)

2.バランケースを4本のロッドアンテナの中心部にケース内側からビス×2本とナット×2個で固定します。(タッピングビスを使えばナット不要)

バランケースの固定
【写真5】 バランケースの固定

3.4本のロッドアンテナ側端子とバラン端子間をリード線で接続します。
左上下のセット、右上下のセット。
※当局は試していませんが接続の組み合わせを色々変えてみて水平垂直の違いの確認実験も面白そうです。
・左上と右下のセット、右上と左下のセット
・バランを横向きにして上左右のセット、下左右のセット…etc.

4.Uボルトクランプを取付けます。支柱の負荷が掛かるのでボルト穴にガタが無いこと。

【完成】

各固定ネジの緩みが無いか、バラン回路に間違いが無いかを再確認します。

50MHz用AWXアンテナ[CB-505]の完成
【写真6】 50MHz用AWXアンテナ[CB-505]の完成

【SWR調整】

測定器が準備できる方はロッドアンテナを最長の1,500mmでSWR最小を目指して下さい。短いと130MHz辺りで同調してしまいます。
測定器の持ち合わせが無い場合は無線機のSWR計にて小パワーで調整して下さい。
※最長で合わせておけばメジャースケールなどが不要で運用の際に悩む必要が有りません。

SWRアナライザ MFJ-259B
【写真7】 SWRアナライザ MFJ-259B

【運用テスト】

愛知県北西部の自宅マンション8FからJimピコ6 SSB1WでCQ

Jimピコ6 で運用テスト
【写真8】 Jimピコ6 で運用テスト

●2020年4月28日(水)午前中 晴天
1.岐阜県可児市(北北東→直線距離30km) RS59/59テスト交信成立。
応答に興奮して早口なQSOであったが取り敢えずホッとしました。

●2020年5月4日(月)午前中 曇天
1.岐阜県可児市(北北東→直線距離30km)RS59/59 ※4/28とは別の局
方向性は相性良い。
2.岐阜県各務原市(北→直線距離15km) RS59/53 ※指向性?
20年ぶりの交信!
3.愛知県岩倉市(北東→直線距離6.5km)RS59/55 ※近いのに…指向性?

ブロードなアンテナかと思いきやそれなりの指向性はあるようで、自宅から可児市向けの方向固定のため、サイドの局とはレポートに大きく影響する印象を持ちました。(当たり前ですかね)
今回は手軽に作れてデッドストック部品も活かすことができ大変満足です。
更にまな板に風抜けの穴を追加すれば風力抵抗と軽量化ができそうです。

最後に[CB-505]の命名由来は、まな板=CHOPBOARD(チョップボード)のCBに当局のQRP CLUB会員No.505を冠しました。Hi.
それではVY TNX 72

【編集部から】

4月29日号に引き続き投稿ありがとうございます。アンテナ製作にプラスチックのまな板はいいですね。しっかりしていて加工が容易で水にも強い。持ち運び用の取っ手もついています。(JN3DMJ)


【製作&運用】 お蔵入りしていた自作機を再調整したら大活躍

#0988 JG1SMD 石川 英正

新型コロナウィルス感染症のおかげで外出自粛の日々が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。私の職場は公共交通機関の現場ですので、なかなか自宅での仕事というわけにもいかず週の大半は出社しています。しかしなんとなく気乗りのしない雰囲気の毎日。残念なことに秋葉原の部品屋さん巡りにはもうひと月半行っていません。

そんな中で気分一新、過去の製作物にもう一度向き合ってみることにしました。一番の懸案が6mSSB/QRPpトランシーバーです。これは7年ほど前に作り始めたもので、JF1RNR今井OMの著書の回路図を参考にして組立てたもの、受信感度がよく気に入っています。しかし送信部は自分なりに調整したつもりでもいざQRVしてもみると、「音がヘンだよ」「何を言っているか分かりにくい」などなど恥ずかしくなるようなコメント続出で、お蔵入りさせていました。キャリア漏れチェック、キャリアポイントずれ調整、送信部と受信部の鳴き合わせ、各段の出力調整などを行い、FT817で送信音を聞く限りは大丈夫かな?という状態にたどりつきました。

自作機の外観
【写真1】 自作機の外観、テプララベルの出力は製作当時の出来のよくない調整の結果…

6mSSB/QRPpトランシーバーの送信部系統図
【図1】 6mSSB/QRPpトランシーバーの送信部系統図 (図をクリックすると拡大します)

受信感度調整は実際に受信しながら進めるのが楽なので週末を待ちます。世間で在宅勤務が増えるとHamの交信も増えるかなと思っていたら6mは結構寂しいのですよね。しかし受信感度調整も終わり「なんとか使えるはず」の状態にすることができました。とはいっても過去のトラウマからなかなか送信に踏み切れません。
5/17(日)は朝からスカッと天気が良くEs日和の予感。2エレHB9CVのアンテナマストを伸ばし、自作機のスイッチを入れるとローカルラグチューが聞こえてきます。
厚木市移動運用局の信号が一番しっかり聞こえるので恐る恐る呼んでみると一発でコールバックがあり59-59で交信が成立しました。特に音がヘンというコメントもなく、「自作機なんです」というリグの説明をして終了。相手の方もFT818/2.5Wでの運用でした。
これですこし自信がつき、今度は茨城県内をよく移動運用してらっしゃるOM局のCQにコールしてみると同様に一発で返事がありました。内容が聞き取れない風はなくQSOが進みます。やっと安心しました。
昼食をはさんで午後になると6エリア局からCQが聞こえるようになりました。誰もまだ応答している様子がなく鹿児島局をコールしてみるとまた一発で応答有り。これを自信にCQを出している局をコールしていくと概ね正確なコールサインのコールバックがあります(余談ですが 私のコールサイン、よくJG1SDMとかJG1SMGってコールバックされるのです。海外局からこの手のミスコールはないので日本人固有の問題でしょうか…日本人は”Delta”というPhonetic Codeがよく聞き取れてないように感じます)。
この日は南九州から始まって可聴エリアが徐々に北上していきましたので、九州7県全部と交信ができました。“/QRP~”とコールしていると「出力は何ワットですか?」と聞かれます。「300mWですよ」と言うと、多くの方から「QRPだから5Wくらいのことを言っているのかと思ったら随分小さいですね」のリアクションがあり気をよくしました。
「QRPはワッチ、CQを出しはじめている局を呼ぶ」のが大事ですね~。那覇、うるま、宜野湾、石垣と何局も聞こえていた沖縄局と交信したかったのですが、既にかなりなパイルアップでなんともなりませんでした。
今回、香港の局とも交信できていますが、これは彼がCQを出し始めた時に呼んですぐにピックアップしてもらえたもの。出力やアンテナの話、名前や天気の話もできて交信を終わった後はパイルになってしまい、間一髪でした。
結局この日は下記のように13都道県+2か国と交信ができ、「ご満悦な午後」を過ごすことができました。(相手局に送信したHis RSは私の「耳S」に基づくものです。)
ご参考の距離はGoogle Mapを用いて計測し、相手局のいるエリアの大きいJR駅や役所などランドマークからの距離にしています。例)三鷹市の場合はJR三鷹駅からの距離

【表1】 2020/5/17 の交信記録

Callsign Time(JST) His RS My RS QTH Dist(km)
1 JI1WPV/1 11:17 59 59 厚木市鳶尾山 65
2 7L4SAM/1 11:44 57 53 茨城県猿島郡境町 49
3 JA6RPJ/6 12:57 59 55 鹿児島県伊佐市 956
4 JE6VDE 13:13 59QSB 59QSB 宮崎県小林市 929
5 JA6UYE/6 13:22 55QSB 55 長崎県東彼杵郡川棚町 975
6 JK1SPQ 13:32 57 53 三鷹市 41
7 JI6BEN 13:38 59QSB 51 宮崎県延岡市 834
8 JR6QJR 13:41 52 59 大分県日田市 870
9 JK6GPS 13:45 52 55QSB 鹿児島県曽於市 946
10 JF6HKQ/6 13:54 59 59 熊本県阿蘇市 875
11 JA5XPN 14:13 59 57 愛媛県大洲市 724
12 JM6EXB 14:20 59 55 熊本県菊陽郡菊陽町 901
13 7K4VPV 14:26 57 53 稲城市 46
14 JR6IGN 14:33 56 59 佐賀県西松浦郡有田町 969
15 JA6ITH/6 14:37 55QSB 57QSB 福岡県田川市 872
16 JA6RVX 15:41 59QSB 59QSB 佐賀県鳥栖市 907
17 VR2ZQZ 15:53 56 53 香港 2,909
18 7L3ETZ/1 16:15 59 51 山梨県南アルプス市 140
19 JA6ELQ 16:28 57 53 指宿市 999
20 JE6VLS 16:49 57 59QSB 大分県臼杵市 808
21 JH7IPR/6 17:37 58 59QSB 大分県玖珠郡九重町 852
22 JK8HXB/8 17:49 59QSB 55 虻田郡洞爺湖町 764
23 JM8FHH 17:54 59QSB 55 札幌市東区 830
24 JE8LIM 18:00 52 51 茅部郡森町 701
25 D73M 18:32 57 56 大韓民国光州市 1,193

今回、自作機には定期的なチェックが必要と痛感。部品の信頼性の違い、基板の造り、半田付けの質、防振・耐震対策などメーカー機との差は枚挙にいとまがないでしょう。これまでの作りっぱなしを反省しました。
また初めて数時間使用して、受信音にも工夫が必要なことを悟りました。今のままでは雑音が気になって疲れます。簡単でもいいのでAFフィルタを入れて改善しようと思います。
QRPでもよく飛ぶよ、と言われたJT65/FT8も数十Wは当たり前みたいですから、今夏はちょっと原点回帰で頑張ろうかと思います。今回交信して下さった皆様、ありがとうございました。
さて次回は沿海州ロシア交信したいなぁ、と欲を出しています。
今回交信した香港局のQTHが分かったのでQRPクラブの1000km/Total Powerアワードの条件をクリアできるか計算してみました。リグの消費電力は2.689W(鉛バッテリー使用), 距離が2916km(GoogleMap)ですので5%差異を見込んでも1032km/Wとなって条件をギリギリですがクリアしていました。

【編集部から】

5/17 は 50MHz の伝搬が良かったのでしょうね。当日午後 50MHz で沖縄本島、石垣島、南大東島、台湾が聞こえていたので、小生は久しぶりにポケロク 20mW でQSOしようとして、呼んだのはいいのですが、その日の午後はほぼポケロク専門だったので、Eスポは0局、地上波1局でした。
1000km/Total Powerアワードの条件を満たすQSOおめでとうございます。(JN3DMJ)


近況報告

#0645 JA5DIM 林 章二

QRPネタでは有りませんがご容赦ください。近況報告です。
今回は私の異動(移動運用では有りませんHi.)報告と、固定局アンテナの更新の投稿です。新スプリアス規制の問題も有って、自作の方はなかなかハードルが高くなってしまい、すっかり遠ざかっています。
6年間の単身赴任が刑期満了となり、常置場所である今治市に戻ってまいりました。仕事も3月末に関係子会社に転籍し、年齢的にも最後のチャンスと思いこれを機にアンテナシステムの更新を企画しました。無事設営が完了しましたので、簡単に報告いたします。

自宅常置場所のアンテナシステムは、1997年に建てたCD(クリエートデザイン)社のKT-15C自立タワー(地上高15.5m)に、同じくCD社製の714-Tトライバンダー八木、CD社製の830Vダイポール、ミニマルチ製の5バンドHB9CVそれに、UHF用のGPという構成でした。メインの714-Tが経年劣化で不安定になってきたので、新しく714-XWに更新することにしました。14MHzと21MHz Bandは4エレで以前と変わらずですが、7MHzが2エレから3エレにグレードアップしました。給電部のコイル切り替えでバンド拡張にも対応したトライバンドの短縮トラップビームアンテナです。ブーム長もエレメント長も一回り以上大きくなり、荷重も増加したのでワークバンド用の830Vダイポールは撤去してすっきりさせました。なお、18・24・28・50MHzはHB9CVで運用しております。

714T撤去前
【写真1】714T撤去前

4月25日の工事当日の応援は、ローカルのJH5GEN(JAG会長)さん、EMEerとして有名なJH5FOQさん、同じくJH5LUZさんというすごいメンバーが揃いました。快晴、微風という絶好の工事コンディションにも恵まれ、各局の連携のとれた動きのおかげで、撤去から新アンテナの設営を1日で完了することができました。
タワーはエレベーター付きでしたが、いっぱい下まで降ろしても714-XWのブーム取り付け位置は地上高4m程になってしまいます。各エレメントも長いうえに重量も結構重いことから、自分の年齢も考え脚立作業では安全が確保できないと判断し、LUZ局にも相談して「高所作業車」に活躍していただく事にしました。流石文明の利器というか、最新の高所作業車の威力はすさまじく、撤去から新アンテナの設営まで約5時間弱で完了し、調整や同軸ケーブルの取り廻しなど含めて夕刻までに全ての作業を安全に終える事ができました。LUZ局の獅子奮迅の大活躍を下から見上げて、流石プロフェッショナルのお仕事と、一同感心して眺めておりました。竣工したアンテナは7MHz Bandの端から端までVSWRは1:1.3以下で、高周波の吸い込みも良く受信感度もあがったように感じます。

反射器の取り付け
【写真2】反射器の取り付け

高所作業車より俯瞰
【写真3】高所作業車より俯瞰

714XW調整
【写真4】714XW調整

714XW完成
【写真5】714XW完成

外出自粛のなか、QRPでパワーを絞った分アンテナで稼いで自宅に籠っての無線運用を楽しんで、コロナ危機を凌いでいくつもりです。宴会自粛で新アンテナ竣工記念祝賀会は後日に延期しましたが、落ち着いたら施工関係者一同で盛大にお祝いするつもりです。Hi.
さて、耳のほうも以前より少し良くなりましたので、弱い電波でどんどん呼んで下さい。こちらもパワーを絞って応答いたしますので、よろしくお願いします。

【編集部から】

いや~、うらやましいですね。FBなアンテナ更新おめでとうございます。ちなみに小生の家の屋根上の小さなアンテナは 2018/9/4 に襲来した台風21号の影響で倒壊して撤去後未復旧なので、いまだに無事だったアンテナと、仮設の8バンドダイポールで運用しております。ようやく、今月、建て直し用のミニマルチアンテナ UMX42A (以前と同機種)を購入したところです。(JN3DMJ)


【お知らせ】 新役員・監査役紹介

4月29日号に引き続き、2020年4月から3年の任期の新役員・監査役の自己紹介を掲載いたします。(JN3DMJ)

監査役 #0315 JE1UCI 冨川 寿夫 (失敗したHP8242Aの改造)

皆様よろしくお願いいたします。監査役の冨川です。新役員・監査役紹介という事で月遅れになりますが、自己紹介ついでに小ネタ記事を書いてみました。
JE1UCIは1972年4月に横浜市で開局しました。現在は栃木県の最北に移転しています。一応元祖のJE1です。開局した当時は、真空管を使った自作ばかりをしていました。当然のように、申請したのは自作機です。6AQ5シングルの50MHzAM送信機で、今から考えれば出来栄えは最低です。それでもそれなりにQSOは行っていました。この頃の様子が写真1です。TX88D(塗装とツマミ交換済)の上にあるのが6AQ5シングルです。社会人となってからは暫く無線を離れ、5年間ほど写真2のような事をしていました。今も見た目は・・・全く変わりません。

開局した当時のシャック
【写真1】 開局した当時のシャック

室戸岬でのJE1UCI
【写真2】 室戸岬でのJE1UCI

そして1980年頃ですが無線に復活し、CQ誌やモービルハム誌に自作記事を書くようになりました。今はアイコム社のBEACONで工作室の連載記事を書いています。CM的には、20年程前から300kWの超QROの短波送信所に勤務しています。QRPとは無縁の仕事ですが、これも残すところ僅かになりました。この送信所を案内した方の話では、「QROの仕事とQRPの趣味、この対比が面白い・・」らしいです。本人としましては、趣味は趣味、仕事は仕事ですので、全く違和感は持っていません。
最近になっても写真2の頃からの放浪癖は全く治っていません。札幌や名古屋のQRPミーティングには良く顔を出しています。そんな事もあって「北海道ハムフェア」とか「東海ハムの祭典」にも出かけます。不思議に大阪方面には行っていませんが、これに他意はありません。今度世の中が落ち着いた時に、おじゃまします。

このようにして、2018年には日進市で行われました「東海ハムの祭典」に行きました。ここで入手したのが写真3です。これはHP時代のパワー計です。本体の437Bとセンサーの8482Aで、8k円でした。本体の電源は入るけど動作不明でケーブルは無し、という「超危険」な感じでした。このセンサーは、100kHz~4GHzを-30~+20dBmの範囲で測定できます。使用できれば超ラッキーとなります。帰って試してみると、確かに本体の電源は入ります。しかしケーブルを借用してセンサーを試すと、キャリブレーションが完了できません。やはりセンサーに問題があるようです。調べてみたところ、センサーが入力を全く検知していないようです。そこで入力のリターンロスを測ってみました。この製品であれば、リターンロスが40dBや50dB程度はあるはずです。ところが0dB、つまりSWRが無限大です。熱電対を使ったセンサーですので、この辺りが怪しいと考えました。

HP パワー計 本体437Bとセンサーの8482A
【写真3】 HP パワー計 本体437Bとセンサーの8482A

まず写真4のようにセンサーを開けてみましたが、これでは何も解りません。更に入力の部分、つまり熱電対をNコネクタの根本から引き出してみると、写真5のような超小型の基板が出てきました。この回路をネットで調べ、内部を確認してみると図1のような回路です。これを追うと、思ったとおり熱電対の断線と解りました。熱電対と言うと長い線のイメージを持っていたのですが、極めて短いワイヤーがダミー兼熱電対になっているようです。高周波的には2組の熱電対のパラで受け、直流的にはシリーズになって直流電圧を出す回路です。写真5の中央にある、黒くて四角い中に2組の熱電対が入っています。これでは米粒どころか砂粒です。写真6にするとサイズが解ると思います。異種金属が接触して電位差が作られないように金メッキのオンパレードで、要所にはハンダ付けすらも使っていません。センサー本体の基板では、437Bからのチョッパ信号で220Hzの矩形波に変換します。熱電対と言えばダミーの温度を測るイメージがあり、表示の変化が遅いと勝手に思っていました。こんな小型のダミーが熱電対そのものなのですから、瞬時に追随できるのでしょう。さすがにHPの製品と思いました。

センサー8482Aの内部
【写真4】  センサー8482Aの内部

センサー8482A内部の超小型の基板
【写真5】  センサー8482A内部の超小型の基板

超小型の基板の回路図
【図1】  超小型の基板の回路図

超小型の基板と10円硬貨との大きさ比較
【写真6】 超小型の基板と10円硬貨との大きさ比較

このように心臓部の熱電対が破損していますので、どう考えてもセンサーの修理は無理です。一般的に考えれば入力過大によって熱電対が破損するのですから、ジャンクは最初にこの破損を疑うべきなのでしょう。しかし、そこで終わっても仕方ありません。次に同じ系列にあるダイオードセンサーの「モドキ式」を目指して、写真7のようにチップのダイオードを付けてみました。しかし、これは明らかに無謀な挑戦だったようです。基板は金箔だと思いますが、これを削ってまでダイオードとダミーの50Ωを付けたのですが無駄でした。ダイオードがチップ部品とは思えないような、大型の部品に見えてしまいます。「ダイオード式だよ」というジャンパー部分もショートしたのですが多少表示が変わっただけでした。削った金が勿体なかったです。

チップダイオードの取り付け
【写真7】 チップダイオードの取り付け

残ったのが本体です。いずれどこかで入手できるセンサーを待つと同時に、今使えるのは基準の出力です。もちろん校正していないので現状の精度は不明ですが、家にあるものの中では一番正確と考えられます。しかも50MHzの0dBmが出力されますので、自作にはピッタリの周波数です。この基準のON/OFFの方法が良く解らなかったのですが、PWR REF(SHIFTの⇒)で操作ができると解りました。センサーが無くてもこの操作はできますので、簡単に使う事ができます。
この基準を使って校正をするマイクロワットメータを作っている最中ですので、どこかで(BEACONか?)紹介しようと思っています。

【編集部から】

自転車で室戸岬に行かれたのですね。今も見た目は変わらないということで、そうだと思いますが、読者の方で比較してみたい方は会報2019年11月号の「【レポート】 第6回北海道ハムフェア」をご覧頂ければと思います。(JN3DMJ)


【お知らせ】 8/15~8/18 FT-817(ND)、FT-818NDユーザーQSOパーティを開催します

#0696 JE1ECF 斎藤 毅

JARL QRP CLUB では昨年に引き続き、「第2回 FT-817(ND)、FT-818NDユーザーQSOパーティ」を以下の通り、開催いたします。

1.目的

QRP運用の代名詞を引き継ぎ、メーカーのロングセラー販売に敬意をはらうとともに、FT-817、FT-817ND、FT-818NDを活用しQRPer同士のQSOによる親睦をはかる。

2.開催日程

2020年8月15日(土)9:00 (JST) ~ 2020年8月18日(火)21:00 (JST)

ルール、詳細については決まり次第クラブHPのコンテストのコーナーに掲載します。


【お知らせ】 QRPクラブからのお知らせ

#0650 JN3DMJ 松本 貢一

★アワード発行のお知らせ

JH1IBT 金丸嘉幸さんから申請がありましたQRPアワードR賞(50局)について、
精査しましたところアワード規定に合致しておりましたので発行いたします。

アワード担当 野村/JH3VAA

★QRPクラブに関する連絡先のメールアドレスは以下のとおり

◆ QRPクラブの活動全般についての質問、ご要望、ご意見は qtc@jaqrp.org (@は@に置き換え、以下同じ)までお願いいたします。このメールは役員と監査役に届きます。メールには役員から必ずお返事を出します。
◆ コンテストについての問い合わせ先はコンテスト担当へ contest@jaqrp.org
◆ 会員情報(メールアドレス等)の変更はこちらへ kaiin-info@jaqrp.org 事務局長などに届きます。NEW
(ただし、ご意見等がある場合や、退会連絡は qtc@jaqrp.org にお願いします)
◆ アワード関連についての問い合わせ先はアワード担当へ award@jaqrp.net
◆ 会報への投稿などについては編集部へ qrpnews@jaqrp.net
(jaqrp.org と jaqrp.net の2つのドメインを使用していますので、お間違えの無いようお願いいたします)


編集後記

#0650 JN3DMJ 松本 貢一

◆ 4~5月に参加したコンテストの状況(一部)を報告します(決して多いものではなく、入賞にはほど遠いです)。
コロナの影響で移動している局が非常に少なく、STAY HOME になっていました。
例年と比較して、減った局としては(表のコンテストに限らないのですが)都道府県をまたいで移動して参加している局、VU で移動している局、マルチオペの局のようです。逆に STAY HOME で多くなっている部分もあろうかと思います。
小生のQSO状況としては、和歌山コンテストと ALL JA コンテストで 7MHz CW と 3.5MHz CW 中心に 5W 以下で簡易なアンテナでもそこそこ日本全国と QSO できました。
また、4つ合わせて当クラブ会員のみなさまと 17 回 QSO できました。この場をお借りして御礼申し上げます。

【表1】 4~5月に参加したコンテストの状況(一部)
(注)CW-TRX-6:50MHz CW QRPp シンプルトランシーバ

コンテスト名 QSO数 最大出力 使用した自作機(あくまで一部のQSOです)
和歌山コンテスト 136 5W なし
ALL JA コンテスト 154 5W SST40 (2W)、SW-20+ (2.5W)、
MFJ-9315K (1W)、CW-TRX-6 (50mW)
QRP Sprint コンテスト 20 0.5W SST40 (0.5W)、CW-TRX-6 (50mW)
関西 VHF コンテスト 19 5W CW-TX-2 (0.2W)

50MHz CW QRPp シンプルトランシーバ外観
【写真1】 50MHz CW QRPp シンプルトランシーバ外観

50MHz CW QRPp シンプルトランシーバ内部
【写真2】 50MHz CW QRPp シンプルトランシーバ内部

◆ JG1SMD 石川さんの記事の「編集部から」にも書きましたが、Eスポが出たときにはたまにポケロク 20mW でQSOしようとしています。写真を掲載します。
スピーカ仕様に変更しており、VXO の可変範囲は 50.148 ~ 50.312 MHz、オリジナルと同じプラスチックケースですが内側の一部を銅板でシールドしています。
ポケロクの基本設計は「手作りトランシーバ入門」の著者でもある、JF1RNR 今井 OM で、CQ誌2006年10月号にも掲載されています。
Eスポシーズンですので、いつもお使いのリグに加えて、しばらく使っていなかった 50MHz 機があれば出してきて QSO されてはいかがでしょうか?

JN3DMJのポケロク外観
【写真3】 JN3DMJのポケロク外観

JN3DMJのポケロク内部
【写真4】 JN3DMJのポケロク内部

◆ 会員のみなさま、6月号の原稿を募集中です。あなたの実験、製作、運用レポート、小ネタなどを6月20日までに編集部あてにお送りください。宛先は qrpnews@jaqrp.net (@は半角@に)です。
パソコンが苦手な方は JN3DMJ 松本あて直接の郵送でもかまいません(住所はメーリングリスト、JARL会員局名録などで確認してください)。
特に素晴らしい Website をお持ちの方、当クラブの Website は(個人の Website と比較して)ご覧頂いている方も多いので、ぜひ会報にも投稿してアピール頂きたいと思います。
(内容によりまれに採用できない場合があります)
(会報は状況により、6月号を飛ばして7月号の場合もあります)

以上、至らない点もあるかと存じますが、今後ともよろしくお願いいたします。


Proudly powered by WordPress | Theme: Cute Blog by Crimson Themes.