JARL QRPクラブ会報 2015年1月16日発行 Vol.57-10
No. | 2015年1月号 目次 | コールサイン | 筆者 |
---|---|---|---|
1 | 年頭にあたり | JA8IRQ | 福島 誠 |
2 | クラブ60周年記念トランシーバーキット頒布 に伴うプロジェクトメンバーの募集 |
JE1ECF | 斎藤 毅 |
3 | 新バンド475KHz帯への挑戦 | JA1BVA/JD1AHC | 齊藤 正昭 |
4 | QRPなDXの世界 | JA2OP/JA1KGW | 青山 憲太郎 (Kentaro Aoyama) |
5 | DX短信 | JA2OP/JA1KGW | 青山 憲太郎 (Kentaro Aoyama) |
6 | Voice Keyをコンテストで使ってみて | JF1ISC/JA8DIQ | 大久保 尚史 | 7 | 6CL6 QRP 送信機 | VE3CGC | 林 寛義 (Hiro Hayashi) |
8 | 7MHz用 EFHW アンテナの製作と それを用いた移動運用 |
JA3HKR | 吉田 清和 | 9 | Michigan QRP Club – QRP Breakfast | 7K4VQV (AD7TN) |
坪井 望 (Nozomi Tsuboi) |
10 | PowerPoleコネクタの紹介 | JO1UBD | 丸山 裕二 | 11 | JARL QRP CLUB 2014年 QRPコンテストの結果発表 |
JF1ISC/JA8DIQ | 大久保尚史 |
12 | 編集後記&近況報告&アキバ散歩報告… | JO1UBD | 丸山 裕二 |
JA8IRQ | 福島 誠 |
年頭にあたり
JARL QRP CLUB会長 JA8IRQ 福島 誠
QRP愛好者の皆さま、新年あけましておめでとうございます。
本年もQRPを遊ぶことを通じて、アマチュア無線という趣味の奥の深さを楽しんでいただければと思います。どうぞよろしくお願い致します。
QRPクラブは1956年に創立いたしました。いよいよ来年は創立60周年を迎えます。クラブでは60周年を記念して、以下の行事・企画を行うことを検討しています。下記のテーマごとに分科会を作り、会員から実行委員を募って分科会ごとに進めることになります。QRPクラブ会員のみなさんのご協力をお願いすると共に、未入会の方はぜひこの仲間に加わってくださることをお願いいたします。
60周年行事・企画で現在検討中のもの
- 60周年記念式典(2016年秋)
50周年の時と同様、秋の全国集会を兼ねて行う。 - 60周年記念キット
QRPトランシーバキットを頒布する。 - QRPハンドブック60周年版を編集する
印刷物、またはDVD媒体でQRPハンドブックの新版を編集し、現在にふさわしい研究のまとめとする。(2016年夏目標)
※ 現在編集部員を募集中。 - JARL QRPクラブ会報の復刻版編集
過去の会報を画像データとし、DVDまたはWEB上に保存して会員に配布する。
※ 今後、バックナンバーの所在確認、スキャニングボランティアの募集を行う。 - 60周年記念アワード(保留中)
※ 今はアワード担当者不在のため、担当者を募集中です。
それぞれの企画については、会員専用メーリングリストやこの会報を通じて広報いたします。
それでは、以下、QRPクラブへ届きました年賀状を紹介いたします。
【JA1HTK】
【JH1FCZ】
【JA1AMH】
【JA1BVA/JD1AHC】
【JA3HKR】
【JF1ISC/JA8DIQ】
【JE1ECF】
【JO1UBD】
クラブ60周年記念トランシーバーキット頒布に伴うプロジェクトメンバーの募集
#696 JE1ECF 斎藤 毅
会員の皆さん、新年明けましておめでとうございます。副会長の#696 JE1ECF斎藤でございます。
記念トランシーバーのキットがほしいという単純な思いで60周年記念行事の1つとしてプロジェクトを立案しました。当クラブでは過去にFUJIYAMA(18MHz/SSB)、EQT-1(7MHz/CW)、634(7MHz/SSB)といったトランシーバーキットの頒布がありました。今回は全国的な会員間のQSOが可能であり、且つこれまで手がけていなかったバンド・モードをテーマに21MHz/DSB(受信部はダイレクトコンバージョンを予定)としています。頒布方法はバラキット、ならびに初心者向け調整済み基板キットをめざします。
かねてからMLにおいてリサーチしております、60周年記念トランシーバーキット頒布に伴うプロジェクトメンバーを募集いたします。なお、2016年まで時間がないことから再現性が高いと思われるDSBキット販売経験をもつキットメーカー(個人業)に予め協力をお願いしています。
【1】 メンバー募集
① 主要メンバー(仕様検討やβ版製作等を担当)
② 記念シールデザイン担当
③ 初心者向け調整済基板製作
④ 技術サポート(修理は行わずアドバイスのみ)※各エリアで1名以上
⑤ 余剰部品等の提供
※ 上記、担当は重複可です。
※ 仕様検討等はアイボール形式でも行いますがEメールで実施いたします。
※ 専用MLの開設を役員会で検討中です。MLのみの参加でも構いません。
【2】 募集のあて先
JE1ECF斎藤まで。
E-mail:je1ecfsaito@athena.ocn.ne.jp (@を半角に変えてください)
【3】プロジェクトの予定(案)
2015年1月 プロジェクトメンバー募集、頒布告知。
2015年4月 予約受付開始
2015年5・6月頃 β版製作開始(調整済キット製作含む)
2015年8月 ハムフェアβ版展示
2015年8月 頒布開始
2016年6月 創立月にQRPコンテスト開催
2016年8月 ハムフェア展示
クラブ60周年記念トランシーバーキット頒布告知(第1弾)
クラブ60周年に伴い、「作って運用」をテーマに記念トランシーバーキットを頒布します。
仕様:周波数は21MHz
モードはDSB
出力は実用を考慮し1W程度を目標とします。
※その他仕様についてはプロジェクト内で検討します。
頒布形態:(1)バラキット
(2)初心者向け調整済基板キット
※ケース付を検討していますが加工済とするか加工寸法シールのみとするかは未定。
頒布台数:60台(うち1割程度を頒布形態(2)としたい)
頒布予定価格:VXOとした場合ケース付バラキットで15k円程度
※入手申込時に前金制を予定。
入手申込開始:2015年4月(予定)※キャンセル不可。
頒布開始:頒布形態(1)で2015年8月(予定)、頒布形態(2)で2015年12月(予定)
頒布入手条件:(1)入手申込時に正員であり2016年以降も正員を希望する方。
なお、DX局に対しては今後検討。
(2)21MHz帯のメーカーリグをもっていること。
(3)過去のクラブ頒布キットの購入経験のある方は頒布形態(1)のみの購入としてください。
(4)半田付けの経験をお持ちの方(自他共に半田付けのできる方)
(5)電圧・電流テスターをお持ちの方
今後の予定:2015年4月 予約受付開始
2015年8月 頒布開始
2016年6月 創立月にQRPコンテスト開催
2016年8月 ハムフェア展示
編集担当から
斎藤さん、プロジェクト活動お疲れさまです。このRigが出回ると、21MHz帯Phoneが賑やかになりそうですね。DSB機でQRO化すると、キャリア漏れが無視できず、1Wはちょうど良い出力かもしれませんね。このRigをベースとして、いろいろな改造が期待できるか思いました。皆さんオリジナリティな改造方法でそれぞれイジリ倒して、楽しそうですね。(JO1UBD)
新バンド475KHz帯への挑戦
#722 JA1BVA / JD1AHC 齊藤 正昭
皆さん、明けましておめでとうございます。
5年前の136kHz帯に続き、新年5日から新しい周波数「475kHz帯(472~470kHz)」の免許が開放となります。メーリングリストで会長のご紹介がありましたので、この周波数帯への挑戦に向けて、主な情報と計算例等をご紹介します。ただし、ここにある情報は、昨年12月25日現在のもので、筆者が個人的に行った関東総通への電話やメールで得た回答と他の同好の士からいただいた情報が混在しています。従って、(法律として)公表された内容でありません。
【1】従来の「設置場所」「常置場所」に加え「運用場所」という新しい用語が登場し、総通担当者が使っています。
【2】変更(免許)申請書に運用場所の地図を添付しなければなりません。手書きでも良い。
【3】運用場所から半径200m以内に住居、事業所がある場合は、全戸の代表者からの了解文書(同意書)が必要。無い場合は、不要。
(筆者の場合)200m以内に約4000軒の住宅があるので、4000枚の了解文書をもらうことは不可能なので、現常置場所(埼玉県鴻巣市)での運用は、断念しました。
【4】運用場所で検査(落成又は変更)を実施する。これは、移動する局(50W以下)、移動しない局(50W超)の区別はない。半径200m以内の住居、事業所の有無も無関係。
(筆者)小笠原村での運用場所は、半径200m以内に住居等が皆無なので、ここを運用場所として自作30W機で変更申請を計画しています。検査官2名(事務官と技官)が同行するらしいです。
【5】変更申請書に運用場所を記載し、検査合格後、その場所の住所が免許状に記載される。
(筆者)現常置場所から徒歩30分の河川敷には、半径200m以内に住居等皆無の場所があるので、この場所の地図を添付して、申請することを計画しています。複数の運用場所を変更申請書に記載すると、それぞれの場所で検査が行われると思われます。検査に合格した運用場所が免許状に記載されることから、免許後、運用に適した別の場所が見つかっても、その都度、運用場所の変更申請を行い変更検査を受けなければならない可能性があります。(まだ、想定の内容がありますが、1月5日以降に明確になるでしょう)
【6】技術的なお話をします。
この周波数帯は、136kHz帯と同様にEIRP=1W以下という条件があります。EIRPとは、等価等方輻射電力の略ですが、条件を簡単に表現すると「アンテナ周囲の電波エネルギーの固まりを、上下、左右、斜め上下のどの方向から見ても、1W以下であること」を示しています。
この値を直接、測定することは出来ません。送信した電波を電界強度計で測定し、送信側のEIRPを推定計算するという、間接測定が行われています。(JA8の総通はこの測定をやるらしい・・・という情報も)
【7】小笠原で計画しているアンテナは、10mの釣竿1本です。これに、アース抵抗Re=30Ω、ローディングコイルの損失抵抗Rc=10Ωを想定していますが、これらの数値を使ってEIRPを計算してみます。
【8】アンテナの輻射抵抗Raを求める
これも測定器で知ることはできません。475kHz帯の場合の計算式は次の通りです。
Ra=0.987×10×10 =98.7(mΩ) ・・・0.987(定数)に高さの2乗を乗算します。
(参考:136kHzの場合の定数は0.082です。逆L型の場合は、別の計算式を使います)
【9】アース抵抗、コイルの損失抵抗の測定
第7項の値は、昨年11月の運用の際に、475kHz帯の発振器等を使って測定した値です。
測定に必要な機器の自作、測定方法等については、機会がありましたら会報でご紹介します。
【10】EIRPの計算
空中線電力(送信機出力)P=10Wとして、EIRPを計算します。
EIRP={P÷(Re+Rc)}×Ra×3
={10 / (30+10)}×98.7×3=74mW となります。
P=50Wの場合は、この5倍です。P=135WでEIRP=1Wとなり、これが最大値です。
以上の計算式は、一部を省略した簡易式ですが、計算結果は最大値ですから、安心して使えます。
【11】ローディングコイルの設計
この周波数帯の波長は、約632mですから、フルサイズのDPやGPアンテナは(ほとんど)不可能です。このため、エレメントを短縮することになりますが、短縮してもなお、アンテナ全体を475kHzに共振させるため、延長コイル(ローディングコイルと書く場合が多い)を使います。
延長コイルに必要なインダクタンスを計算してみます。
(1)アンテナ・エレメントの静電容量Caを求めます。二つの方法があります。
(A)静電容量計を使って、エレメントとアース間を測定すると得られます。
(B)アンテナエレメント長の1mあたり6pFとして計算します。
10mですからCa=60pFとなります。(これは垂直の場合で、逆L型の場合は別の計算)
(2)475kHzにCa=60pFで共振するL(mH)を次ぎの簡易式で求めます。
L=112÷Ca=112÷60=1.87(mH)
(3)1.87(mH)を中心として、前後10%程度の可変Lコイルを作ります。
コイルの製作は、実践編になりますから、別の機会とします。
【12】TSSやJARLのHPには、136kHz帯、475kHz帯についてのEIRPが1W以下となるアンテナの高さやエレメント長が示されていますが、これは参考にしていません。
理由は、コイルの損失抵抗を考慮していないこと、アース抵抗にプロの無線局並みの値を使っていること、空中線電力が2倍変化しても同じエレメント長になっていることです。
コイルの損失抵抗を考慮していないことは、この資料の致命的な欠陥です。一般的には、10~100Ωで、各局の環境により大きく異なります。
アースは、小笠原の運用場所では、約40年前に地下埋設した水運搬用タンク(硬質アルミ製)をアースとしていますが、これでも30Ωです。
また、この資料では例えば、エレメントの最大高11mの場合、5W超10W以下でEIRPが1W以下となる、と書かれています。
最大値のP=10Wの時、EIRP=1Wであるとすると、5Wの場合は、EIRP=500mWですから、いずれも1W以下になることは間違いないのですが、5W運用時のEIRPを1Wに近づけるため、アマチュアとしては、エレメントをより高く(長く)したくなります。
11m高の1.4倍=15.4mのエレメントを使うとEIRP=1Wを確保することが可能です。
【13】これから475kHz帯へ挑戦される方は、上記7~11項を参考にされて下さい。
このバンドは、136kHzと同様に、波長に対するアンテナ・エレメント長が極端に短いので、アンテナ効率は非常に小さい値(0.00数%)になります。
これを補い、円滑な交信を行うため、出来るだけ大きな出力の送信機が必要になりますが、我々のQRP=5W以下でも、免許申請、そして運用は可能です。
しかし、5WでEIRP=1Wを達成することは、困難性が大きいと思います(垂直部が50m程度?)。
筆者は、JD1では自作真空管30W機を予定していますが、運用計画時期まで時間があるので、100W化を考えています。
これでもEIRP=740mWです。送信機はQROでもアンテナから飛んで行く電波エネルギーはQRPpの世界です。
7メガのGPアンテナと500mWのQRPp機から飛んで行く電波エネルギーEIRPは、およそ500mWと考えて大きな間違いはありませんが、送信機の違いは大きいですね。
また、EIRP=1W以下という制限は、次の視点からもその本質を知ることができます。
このバンドに八木アンテナの使用を想定します(不可能ですが、想定は可能です)。その利得を10dB(電力で10倍)とします。この八木アンテナに5Wの送信機を接続すると、その主ビーム方向には、5Wの10倍、すなわち50Wに相当する電波エネルギーが輻射されます。
これは、EIRPの1W以下を大きく越える値となり、規定に違反することとなります。
HF帯では当然のようにより高利得のアンテナを求めますが、このバンド(136kHz帯も同様)では制限を受けます。
利得10dBの八木アンテナを用いてEIRPを1W以下に抑えるには、送信機は0.1Wが最大値となります。
しかし、八木アンテナの使用は、受信については、大きな効果があります。
【14】地球温暖化を促進!!
昨年11月、136kHz帯で8交信に成功しましたが、この時は、P=200W、EIRP=600m Wでした。
では、200-0.6=199.4Wのエネルギーはどこへ行ったのでしょうか。これはコイルとアースで熱となりました。アース抵抗の発熱で、地球を暖めてしまいました。
編集担当から
齊藤さん、報告ありがとうございます。新バンドは相当な敷居の高さですね。都心部では、近隣からの同意書を得るのは、ほぼ不可能かと思いました。それ以上に技術適合内容も敷居が高く、EIRP値の計算書作成が難儀ですね。また、申請を受理する側も混乱?しているのか、それとも擦り合わせが不十分な為なのか、手探りな印象です。進展がありましたら、続報をお待ち致します。(JO1UBD)
QRPなDXの世界
海外のQRPer
#377 JA2OP/JA1KGW 青山憲太郎(Kentaro Aoyama)
~過去に2WAY QRP QSOした海外QRPerとQSO回数のビッグ3~
2015年を迎えたのを契機に、当局が過去に2WAY QRP QSOした海外QRPerとQSO回数のビッグ3を現在使用中のTurbo Hamlogで調べてみました。
順位 | 局名(OP) | 1st QSO | 回数 | QSOバンドとQSO回数 | 相手局の出力とアンテナ |
---|---|---|---|---|---|
1 | OH6NPV (RAUNO) |
19/10/2000 | 95 | 14MHz-16 21MHz-63 28MHz-6 |
5Wと2Ele Quad、 G5RV、LOOP |
2 | GM3OXX (GEORGE) |
05/09/2000 | 33 | 14MHz-13 18MHz-5 21MHz-14 28MHz-1 |
1WとDP、LOOP |
3 | IT9QAU (FERDI) |
21/02/2006 | 31 | 14MHz-28 21MHz-2 28MHz-1 |
5Wと3Ele Yagi |
因みに、以上の3局は、今までに機関誌に“海外のQRPer”として何れも紹介記事を掲載しました。QSOの数が多いと言うことは自慢になりませんが、この3局とはクリスマスカードの交換をしています。各局の特記事項は次の通りです。
OH6NPV・・・Raunoさんとは、2003年5月5日、22:17(JST)、21.060MHzで双方の出力250mW同士のQSOをしました。兎に角、残す5回のQSOができれば、記念すべき“2WAY QRP QSO 100回”となりますが、何時達成できるか楽しみです。
【OH6NPV】
GM3OXX・・・Gerogeさんは、常に自作の出力電力1Wリグを使用してQRVをしています。QSLカードは、特徴ある“ドッグ”のイラストで首輪に①=1Wを示すメダルをぶら下げています。Georgeさんが犬の鳴き声を日本では、“ワン=one”云うのをご存じかどうか知りません。
【GM3OXX】
IT9QAU・・・Frendiさんとは、2006年2月21日の1st QSO以来既に31回の2WAY QRP QSOをしていますので、近い将来には、GM3OXX Georgeさんを抜くQSO回数になると思います。当局は、どちらかというとロケーションは北方向に約±90度の展望が開けていますが、アンテナをEU向けてQRVする機会が多く、イタリー局とは何故か相性が良いようです。カードにも書いているように太陽電池を使用してFT817、5Wと3エレ八木アンテナでQRVしています。
【IT9QAU】
編集担当から
青山さん、いつも報告ありがとうございます。電子ログに記録していると、こういう集計時に便利ですね。それにしても2Way 0.25WでフィンランドとQSOとはビックリです。どういうコンディションで出来るのかなど、太陽の活動状況を肌で感じなければ出来ぬ技と感じました。(JO1UBD)
DX短信
#377 JA2OP/JA1KGW 青山憲太郎(Kentaro Aoyama)
太陽―地球データ(Solar―Terrestrial Data)として下のようなフリップをよくご覧になると思います。今年に入り久し振りに眺めてみました。相変わらず太陽黒点(SN)は89と期待が持てる数字でした。何時もHF帯、特にハイバンドの交信を考えますとA指数及びK指数も高くQRP、CW通信には期待が持てそうにもありません。且つ、ハイバンドの12m-10mでは、特に夜間は期待できない(Poor)になっています。私の個人的なQRP、CWでのハイバンド交信の目安は、A指数は5以下、K指数は3以下と決めてQRVしています。
しかし、モードが異なるとこの通りではありません。1月6日の夕方にJT65モード、5WでQRVして、28.076MHzでは、RV3UQ(-12/-09)、UY2LA(-08/-04)、RU3DK(-04/-11)、RK6MF(-11/-06)およびRA3TFG(-08/-21)などEuropean RussiaおよびUkraineとのQSOが出来ました。さて、OMの皆さんは、上のフリップのデータをどのように活用されているのでしょうか?
編集担当から
昔のCQ誌を入手して読み漁ると、QRPでも十分にDXが出来たという記事をよく目にします。最近の環境雑音により受信信号がかき消されてしまう以外にも、ハム人口が増えて受信機や空中線が増えた結果、伝搬途中でそれらに吸収されてしまうエネルギー量も当然増えたのではと考え込んでしまいます。それにしても神秘的ですよね、太陽の気まぐれによって電波伝搬の状態が大きく変わる現象。通信手段や技術が進歩した今日でも、太陽という自然界の掌で転がされているように思います。(JO1UBD)
Voice Keyをコンテストで使ってみて
#822 JF1ISC/JA8DIQ 大久保 尚史
【Voice Keyとは】
ハムフェア期間中に毎年開催される「QRPerの集い」では、各局が持ち寄った賞品を巡って「じゃんけん大会」という熱いバトルが繰り広げられます。今回も多数の賞品が出品されましたが、当局が特に興味を持ったのが、JA1IXI大和田さん製作の「音声ではたらくストレートキー(VOICE KEY)」。JARL QRPクラブのブースの展示品で、フリー部門一位となった作品であるということはもちろんのこと、いつもアイディア溢れる機器を、美しく製作されている大和田さんの作品を是非ともゲットしたいと思いました。QRP NEWSにレポートを書くことが条件だったことなど酒の勢いで忘れ、じゃんけんに参加、あれよあれよという間に勝ってしまいました。
Voice KeyについてはQRP NEWS 9月号 Vol.57-6に詳細が掲載されていますが、閾値より大きな音でONし、小さな音になるとOFFする装置で、口でモールス信号を喋るとキーイングできるという優れものです。写真は蓋を開けたところです。単4電池2本で動作します。基板もケースの実装もすっきりしていて素晴らしいですね。
【写真1】Voice Key外観
【とりあえず使ってみる】
さて、ゲットしたものの、なかなかまとまったQSOの時間がとれず、「札幌QRPミーティング」の例会や、「QRP全国集会」に持って行って参加者に披露するに留まっていましたが、先日行われたARRL 10m コンテストで実戦デビューしてみることにしました。
まず、どの程度の速さで口が回るのか調べてみました。コンテストですから、タラタラ呼んでいては迷惑を掛けますので、25WPMくらいは出したいところです。そこで、Reverse Beacon Network(RBN)を使って、どの程度のキーイング速度が出せるのか測ってみることにしました。
コンテスト前日、ツートツート ツーツートツー ツートト ト と無理のない程度の速度で喋ってCQを出してみました。ツートツートと連続して喋ると、結構息が切れますので、適宜息継ぎをします。
RBNは世界各地にSkimmerと呼ばれる受信局があって、CQを出している局をリストアップしてくれるのですが、当局の信号を運よくZL2RVに拾ってもらったところ、speedが18wpm(words per minute)と表示されました。DXコンテストには遅すぎる速度です。もう少し頑張ってキーイングしてみたのですが、あいにくコンディションが下がったのか、二度と拾ってもらえませんでした。しかし、コンテストで送るのはcallsignとcontest numberだけですから、一息でキーイングできますので、30wpmは無理としても、ちょっと頑張れば23~25wpmくらいいけそうです。そして、嬉しいことに28MHzのコンディションは全くNGでもないようです。
【図1】Reverse Beacon Network(RBN)にキャッチされた模様
【コンテストに参戦してみる】
さて、コンテストが始まりました。当局はアパマンですので、ひたすら呼びまわり。最初は大和田さんに添付していただいたコンデンサマイクを持って両手で口を覆ってボソボソとキーイングしましたが、両手が塞がってパソコン操作ができないので具合がよくありませんし、ボソボソやると息やら声の立ち上がり、立下りでチャタリングが出てしまいます。シャックには私以外いませんので、途中から、マイクを襟に留め、その代りVoice Keyのゲインを上げることにしました。外来雑音に極端に弱くなるかと思いましたが、BPFでうまく帯域制限しているせいか案外耐性があります。息でキーイングしてしまうこともありません。ただ、机に物をぶつけたような、ドスンドスンという音に対しては、反応してしまいますので、できるだけ音を立てないように注意しました。時々、マイクが拾った雑音でキャリアが出てしまいますが、実用上問題ない感じです。更に、電波の回り込みによる誤作動も全くありません。
また、コンテストナンバーを599001と言っていては、口が疲れてきます。5NNTTAというように略してキーイングすることにしましたところ、疲労感なく快適にQSOできるようになりました。
ちなみに、コンテストの方は長時間の運用はできませんでしたので、50局、13州、15カントリーに留まりましたが、Voice Keyを使いながらの参加でしたので、とても楽しむ事ができました。
【写真2】運用風景
【もろもろ】
今回使ってみて、一番の利点と思ったところは、自由自在にキーイング速度を変えられることです。相手の速度に瞬時に合わせられますし、コピーしてくれないときには、瞬時にスピードダウン可能です。QRPでの運用では、右手でパドル操作、左手で微妙にスピードコントロールという場面がかなりありますので、両手フリーでこれができるのは大きな利点です。
また、回路自体の規模が小さいので、トランシーバに組み込んで、電信・電話を一つのマイクで兼用してしまえば、電鍵が要らなくなりますね。電鍵は結構重いので、移動の時は便利なように思います。
以上、コンテストという限られた状況での使用ですが、のんびりコンテストに参加するのなら、問題なく使い物になるなと思いました。他のシーンでも使って、ノウハウを積み上げたいと思います。最後に、Voice Keyをご提供頂いたJA1IXI大和田さんに心より感謝いたします。
編集担当から
大久保さん、報告ありがとございます。深夜の無線運用時に同居者からの苦情対策で、CWマンへ転向したという話題にたまに触れますが、このキーヤーは……「お父さん、うるさーいと」……Hi。運用風景を想像してしまいました。でも、運転中の操作には向いているかもしれませんね。iPhoneのアプリでも何方かが作りそうですね。(JO1UBD)
6CL6 QRP 送信機
#906 VE3CGC 林 寛義(Hiro Hayashi)
以前より自作したいと思っていた6CL6 QRP 送信機はインタネットに掲載されていて、次のURLをクリックすると、その配線図が見られます。
(または、Google で”AA8V”で検索すると配線図が見られます。)
The AA8V/W8EXI 6CL6 One-Tube Transmitter
by Greg Latta, AA8V
クリスタル発振(20mバンド)、6CL6、300VのB電圧でパワーは2ワットでますので、私のQTHからは北米大陸をカバーし、コンディションによっては十分ヨーロッパへ届き、DXも楽しめるQRP送信機です。目安となる伝搬距離としては、普通は1000kmから2000kmくらいでしょう。
K9FHJ,Perryさんより殆どの必要な部品をいただき、足りない部品は私の手持ちの部品を揃えて、7月に組み立てに入りました。
まず、この送信機を組むにあたり次の点を考慮しました。
(1) 上のURLの配線図には電源部も組み込んでありますが、私の手元に必要な部品、例えば、2次側350Vトランスがありませんでしたので、私が自作した真空管リグ用の電源より、300V DCを取るようにし、送信機本体は電源部なしとしました。
(2) デスクコンピューター用の電源が収まっていたケースを使い、まとめることにしました。
私の町にはラジオ部品を売っている店が無く、毎回自作のプロジェクトには苦労して部品を集めなければなりません。
特に真空管リグの場合は限られた手持ち部品をどう、うまく使うかを考えます。
(3) 私の自作真空管送信機のプロジェクトではコイルはほとんど自分で計算し、銅線を巻き、手づくりですが、今回はK9FHJ,Perryさんよりいただいたタンクコイルを使いました。
(4) 送信機には、外付の電源から6.3Vと300V DCを供給しました。また、スイッチを入れるとLEDが点灯するように、その電源は真空管のヒーター電圧の6.3Vから取りました。
【工作と加工】
真空管と抵抗、コンデンサー等の部品の取り付けは古いユニバーサルボードを利用し、6CL6周りの部品を取り付けた後、ボードをケース内部にネジで止めるようにしました。
私が所有している工具は特別なものではありません。 電動ドリル(もう30年くらい古い物です)、仕上げ用のやすりセット1式(1000円で買いました)、リーマー、半田ごて、ネジまわし等自作には普通必要なものだけで特別なものはありません。
ユニバーサルボード(プラスチックの板、厚さ約2mmくらい)に真空管ソケットとタンクコイル用のソケットをドリルで穴をあけ、ソケットが取り付けられる大きさにリーマーとヤスリで仕上げました。
ケースはデスクコンピューターの電源が収まっていた金属板の箱を利用し、前面に可変コンデンサー、スイッチ、クリスタルソケット、CWキーのジャック、後部にはアンテナに接続する同軸ケーブルのコネクターと電源接続の4端子ターミナル(B+, 6.3V)を取りつけました。この時出来るだけ工作する手間を減らすように、ケースにあいている穴等を出来るだけ利用しました。
【写真1】PCの電源ユニットをケースとして利用
【写真2】基板(裏面)
【写真3】基板(表面)
【写真4】正面
【写真5】内側
【写真6】背面
【組み立て】
一応ユニバーサルボードに抵抗などの部品類、ワイヤーを取りつけてから、ケースに取り付けてある可変コンデンサー、クリスタルソケット、スイッチ、同軸ケーブルのコネクター、電源の4端子ターミナル等にワイヤーを接続し、送信機全体が機能するようにして完了しました。
ユニバーサルボードはケースと少し長めのネジで固定しました。真空管3本、タンクコイルをソケットに差し込み、スモークテストが出来る状態となります。
【写真7】内側(実装状態)
【写真8】内側(実装状態)
【写真9】動作時は水晶を取り付け
【スモークテスト】
今まで自作の送信機やアンプ類を沢山組み立てましたが、スモークテストの時、一発で動作したことありません。必ず何かあって、動作出来ませんでした。このとき最も注意するのは、煙が出ないこと、どこかが加熱して、燃えないこと、その他何か異常があったらすぐにスイッチを切り、電気を止めることなど、に十分注意します。
今回も1発で動かず、でもがっかりはせず、気を取り直して、もう一度配線、部品の取り付けなどを確実にチェックしました。前からの経験で、だいたいどこか配線に不都合がある場合が多く、今回もタンクコイル周りのワイヤーの接続が間違っており、これをやり直して、送信機は正常に動作しました。
【写真10】スモークテストは暗闇でチェック
【QSO】
出来上がって初めのテストQSOは12月1日にWB7TOK、N9ZXL/QRPと2W出力で交信を行いました。
アンテナは20m自作バズーカ垂直アンテナを使いました。このアンテナは以前CQ誌に私の書いた記事が掲載されたものです。
このアンテナはSWRが広い範囲で低くおさえられ、メーターの針がほとんど触れず、ストレスがたまらず気分良く使えるアンテナです。
私のブログでも紹介していますので、興味のある方は見てください。
【コメント】
今回組み立てた2W CW クリスタル発振の送信機は6CL6真空管1本の簡単な送信機で、組み立て後の動作もよく、運用していても楽しい送信機です。
パワーは2WですがCWで十分使え、コンディションが良ければ私のところから、ヨーロッパにも届く期待が持て、バンドをワッチして、QRP DXを是非、達成したいものです。
また、K9FHJ,Perryさんには、必要な部品を殆どいただいたうえ、いろいろなコメント、情報をいただきました。誠にありがとうございました。
編集担当から
林さん、報告ありがとうございます。林さんほどのOMさんでも、スモークテストで発見する事もあるのですね、安心しました。僕も正月早々に、ICの逆接でやらかしました、Hi。他のバンドやモードなど、今年も活動的ですね。続報お待ち致します。(JO1UBD)
7MHz用 EFHW アンテナの製作と
それを用いた移動運用
#982 JA3HKR 吉田 清和
移動運用では、自宅では展開が困難な7MHzのフルサイズのアンテナが使用できる醍醐味があります。この場合のアンテナとして、フルサイズのダイポール、EFHWアンテナ、バーチカル、バズーカなどいろいろなものが考えられますが、このなかで場所によってはダイポールより設営の容易なEFHWアンテナを製作してみました。
今まで、メーカー製のものやトロイダルコイルとポリバリコンで作ったQRP専用のものなどを使ってきて、その動作には満足しております。今回はすでに上記二つを持っているので、メーカー製より小型で「QRP + いざというとき 50W」でも使用可能なものを作ることにしました。
参考になる具体的なデータとしては、JAIAのホームページの情報コーナーから、PDF版の「楽しい 移動運用 アンテナ大研究」を読むことができます。これによりますと、26φの塩ビパイプに 31Tのコイルと39pFを組み合わせたマッチングユニットの作り方が掲載されています。まずはこのデータどおりに作ってみました。
ところがどうしてもSWRが2程度しか下がってくれませんでした(原因後述)。コンデンサを変えたりいろいろ模索しても解決しなかったので、直径の少し太いVP30のパイプでもう一つ作ってみましたが結果は同様でした。
ここで測定している環境が原因であろうと気づき、別の場所で測定を行ったところ、SWR1.2と良好な結果が得られました。最初の場所は鉄筋の建物の傍で行っていたのが原因だったようです。
製作
ではここではこの二つ目の製作例を紹介したいと思います。 コイルはVP30の塩ビパイプを適当な長さに切ります。両端のキャップはペットボトルのキャップがほぼ内接しますが、ここでは専用のものを作ってみました。コネクタは BNC です(図1)。
【図1】コイル組み立て前
コイルは 1.2φのエナメル線を19T巻きました(図2)。
【図2】コイル組立て後
7MHzに共振するためのコンデンサは30数pFですが、14pF 3kVのもの2個並列と、容量調整用にRG58U同軸10cm程を並列に接続しました(図3)。
【図3】コイル内部のコンデンサの様子
同軸は1pF/cm程度の容量なので、少しずつ切ることにより共振周波数の調整ができます。ディップメーターで共振周波数が7080kHz程度になるよう少しずつ切っていきます。
ここで注意することは、同軸コネクタのところは短絡しておく必要があること、ワイヤーエレメントはまだ接続しないことと、コンデンサの代わりの同軸は位置によって共振周波数が変わるので最終的な位置(パイプの中)にして測定しないと切りすぎてしまう場合があることです。
調整が終われば熱収縮チューブを被せておきます。ワイヤーは、ウエダ無線のアンテナワイヤーがあったのでそれを用いました。全体の外観を図4に示します。
【図4】全体外観
右側のユニットは前述のJAIAの製作例のものです。回路図は図5です。
完成したものを、建物が近くにない場所で立木を利用して4~5m位の高さに張り、(図6)SWRを測定してみました。ワイヤーの長さを何度か調整した最終結果を図7に示します。バンド全体がカバーできていると思います。
【図5】回路図
【図6】設営後の様子
【図7】測定結果
運用
完成後、早速手応えを試してみることにしました。リグはFT-817の5W設定、電源は本クラブ会報 2013年7月号で紹介した Li バッテリーです。
日没直前でしたが空き周波数をさがしてSSBでCQをだすと1回で応答がありました。その後も立て続けに応答があり 5分間で4局交信できました。
QRMがでてきたので呼びまわりに切り替え、記念局を含む3局と交信したところで雨がひどくなってきたので撤収としました。
相手局からはQRPと言われなかったらわからないと何度か言われました。実際に呼んだときの手応えもかなりよかったので、機会をみてさらに運用してみようと思います。
編集担当から
吉田さん、報告ありがとうございます。バランやカウンターポイズ、良好なアースが不要そうで、ちょっと興味が出てきました。それにしても、綺麗にSWRが落ちてますね。ハムを始める以前に、80MHz帯FMトランスミッターで飛距離を伸ばす際にいろいろ手探りでイタズラしていた時に、トランスミッター出力をLC同調回路に入れて、その片端にワイヤーアンテナを繋いぐともの凄く伸びたのを思い出しました。今回報告頂いた回路図をみると、なるほどーと思いました。(JO1UBD)
Michigan QRP Club – QRP Breakfast
#525 7K4VQV(AD7TN) 坪井 望(Nozomi Tsuboi)
QRPクラブのみなさん、明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
仕事の都合でアメリカのミシガン州に転勤になって早4年半、趣味の仲間が欲しいと思ってミシガンQRPクラブ(以下MI QRP)に入会して2年が経ちました。
MI QRPは年4回の会報発行、QRPコンテストが主な活動ですが、今回はクラブのミーティングを紹介します。
QRP Breakfastは、毎月第1土曜日ミシガン州ホリー(Holly)という小さな街のダイナーで行われています。
ダイナーの大部屋を貸りて行われる朝食会には、毎月15名前後の方達が集まります。
会は午前10時に始まり、各自好きなものを注文して食べ、食事が終わるとお待ちかねの「Show & Tell(ショー・アンド・テル)」の時間です。
時には何もない月もありますが、自作品、キット、新しい無線機、時にはジャンク品放出、部品の交換など
当日になるまで何が出てくるかは分かりません
【写真1】食事中の皆さん
12月の会には、W8XW Ernieさんが昨夜完成したばかりという、7Mhz用スパイラル型オフセンター・フェッドDPを持ってきました。塩ビ管を利用して中央の給電点からエレメントが上下にきれいに張られています。
室内でアンテナをK3に繋いでワッチすると結構信号がよく聞こえていました。
【写真2】「あれは何だ?」アンテナがトラック荷台から降ろされて様子
【写真3】アンテナとクリスマスツリー
【写真4】KX3でワッチ中のW8XW Ernieさん
【写真5】渦巻き状に巻かれたエレメント
【写真6】平行フィーダーで給電されています
XYLさんが一緒にクラブの集まりに来るのも、この朝食会の特徴です。
最近読んだ本や制作している手芸のことなどで、XYLさん達は盛り上がっています。W8MEG Heleneさんがキングサイズベッド用のカバーを紹介しました。無線の自作に繋がるところがありますね。
【写真7】写真左からK8SEW Sueさん、W8MEG Heleneさん、K8MEG Richさん
ワイワイガヤガヤ… 2時間の会は、あっという間に終わってしまいます。
100% QRP運用、自作専門、DX好き、最近無線のアクティビティ低下気味、免許取りたてこれから開局…
色々なメンバーがいますが、「余りルールで縛らず、やりたいことがあったら提案する」というのが、
このクラブのモットーと聞きました。
これからもアメリカからQRPの話題を発信してゆきたいと思いますので、宜しくお願いします。
【写真8】12月6日の参加者。写真右から
WB6NST Bruceさん、K8MEG Richさん、W8MEG Heleneさん、AB8DF Edさん、W8XW Ernieさん、KD8QNZ Ricさん、
K8NWD Timさん、K8SEW Sueさん、KB8TXZ Jimさん(クラブ会長)、KJ8O Joeさん、筆者
(KD8FCB NedさんとXYLのAnnさんは写真撮影前に帰られてしまいました)
編集担当から
坪井さん、報告ありがとうございます。ハム仲間が集まってのワイワイガヤガヤでは、様々なアイディアが飛び交って、学び場(真似び場)の宝庫ですよね。これまで気付かなかった事も改めて発見したり。また報告をお願いします。(JO1UBD)
PowerPoleコネクタの紹介
#993 JO1UBD 丸山 裕二
【写真1】これがPowerPoleコネクタ
Elecraft製品で初めて目にした”PowerPole”コネクタについて、正月休みに少し遊んでみました。
無線機の電源コネクタには、いくつもの種類があって、ちょうど良い長さの電源ケーブルを作成する際には、そのコネクタ自体の入手性に挫折しそうになります。最近では、ネットオークション経由での入手が容易な印象です。お台場のハムフェアでの調達が安かったです。古いRigには6Pコネクタ、最近のRigは4Pコネクタが主流ですが、6Pでは形状は似ているけれど丸と三角の位置が異なっていて接続出来なくてジャンク箱入りしたり、4Pはメスのハウジングだけが余ったり、コネクタ部分への入線で2本抱き合わせ処理が汚くなったり……。
【写真2】PowerPoleコネクタ(The ARRL HANDBOOK 2015、29.6頁)
PowerPoleコネクタは、以前にARRL HANDBOOKで見たことはあっても、実際に手にする無線機器には6Pか4Pばかりでした。そこにElecraft機器が加わり、初めてPowerPoleコネクタの実物を目にしました。最初の印象は、コネクタを秋葉原で見た事が無いので入手性に困ったなぁーという印象でした。これまでも製品に添付された電源ケーブルは長過ぎるので、丁度良い長さの50cm程度まで切り詰めるたケーブルを自作していました。添付ケーブルを単純にカットしてコネクタ成端すると、中間ヒューズが入らない構成になってしまうので、最初から作る必要がありました。電源ケーブル口径は、これまでに1.25sqまたは2.00sqでコトは足りていました。(QROな方は5.5sqを並列にしたり等、電圧降下を防いでいるようですね)
【写真3】WiMo Antennen&Elektronik
さて、PowerPoleコネクタと圧着工具は、やはり海外通販を利用するしか手が無いようで、検索サイトの最初に出て来たドイツのWiMo Antennen&Elektronikから購入しました。確かに米国から購入する方が安いかもしれませんが、このサイトにある他の製品にも興味があり、また、日本語の親切なページがあり、初めての注文でしたが無事に到着しました。同じ時期に別の商品を英国PEAK社からも通販しましたが、3日程度ドイツからの方が速く到着しました。
【写真4】スタータキット
【写真5】コネクタ部分
コネクタ構造は、写真を見てもらうとして、凄く合理的に考えられていて、特に感心するのが延長をする場合です。例えば、写真1のような電源ケーブルを作成したとします。作成当初はちょうど良い長さであったけれど、そのうちにシャック内レイアウト変更等で、もう少し長尺なケーブルが必要となった場合は、PowerPoleだと単純に延長が出来てしまうのです。その理由は、コネクタ自体にオス/メスの区別が無く、コネクタ同士を結合する場合は、それぞれ裏と表をひっくり返すだけなのです。さすが合理主義ですHi。
【写真6】延長時のケーブル(両端にPowerPole)
【写真7】勘合部の様子
コネクタには、15A、30A、45Aなど電流容量による製品区別がありますが、これは、圧着端子に接続するケーブル口径による区別になります。例えば、15Aと30Aでは写真の通りの違いになります。また、オープンバレルな圧着端子もありますが、裸圧着端子が主流なようです。
【写真8】電流容量の違い=圧着する電源ケーブルの口径の違い
なお、圧着工具は、専用を用意しなくても上手く作業をすれば代用は可能かと思います。その場合は、写真の通りに圧着する必要があります。
なかなか良く出来たコネクタですが、いまのところ採用Rigは限られているので何の参考にもなりませんが、もし将来に採用Rigを手にした際は思い出していただければと思います。
最後に、圧着後に半田付けをするかしないかは、皆さんそれぞれの手法があるかと思います。僕は、リング状の裸圧着の場合は半田付けは無しで、ファストンなどのオープンバレルでは屋外使用目的な場合のみ抜け防止の為に薄く半田付けをしています。
【写真9】裸圧着端子は半田無し
【写真10】オープンバレルは軽く半田付け
JARL QRP CLUB
2014年 QRPコンテストの結果発表
(コンテスト係)#822 JF1ISC/JA8DIQ 大久保尚史
2014年QRPコンテストにご参加いただき、ありがとうございました。今回は他にバッティングしたコンテストがなかったこと、コンディションが良かったことなどで、154局(QRPクラブ会員は31局)と例年になく多くの皆様にご参加いただきました。下記の結果となりましたので一位の各局には賞状をお送りいたします。
また、参加各局の詳細な得点および順位、また、コメントや力作の写真等につきましては、当クラブホームページにアップしておりますのであわせてご覧ください。
バンド・種目 | 自作 | 一般 |
---|---|---|
マルチバンド | 7K1CPT/1 | JJ1NYH |
1.9MHz | JA3TVF | JA3TVF |
3.5MHz | JF6LIU/1 | JR1UJX |
7MHz | JK7UST | JH1ASG |
14MHz | JN3DMJ | JK8PBO |
21MHz | JA8CXX | JG8NQJ/JD1 |
28MHz | エントリなし | JA3HKR/3 |
50MHz | 7L1WRK/1 | JS1UEH/1 |
編集後記&近況報告&アキバ散歩報告…
JO1UBD 丸山 裕二
★2015年最初の会報をお届けいたします。本年もどうぞ宜しくお願い申しあげます。
★正月休み中のHAM活動は、ほとんどがハンダコテを握って終わりました。大晦日からの年跨ぎ工作は、キャリブレーションより販売されている6m DSB TRXキットになりました。初心に帰った気持ちで作りました。最初の粗調整時は、VXOの周波数がどこに居るのかが見付かれば、後は難なく調整が可能でした。今年は、コレをベースにイタズラしたいと思います。
★PCに接続して使用するスペアナ(138MHz~4.4GHz)を最近オークションで良く見るようになり、どういう物なのかと好奇心で注文してみましたが、Mac用のソフトが付いて無いために死蔵になりそうです、Hi。今年も新年早々にやってしまいました。
★秋月電子通商より販売されているスイッチング電源基板(12V/100W、3,000円)を正月休みにイタズラしていました。個体差があるかもしれませんが、基板上のVR調整で13.8Vになりました。配線系を全てを圧着端子(今月号報告分の写真素材収集の為に片っ端から圧着遊びをしていた為)だけでケーシングまで完了しました。何の手直しもせずにリップルは感じられず、ファン無しの実験用電源として活用しようかと思います。
秋月のスイッチング電源(VS100E-12。入出力のコネクタは、JSTのVHR-5Nと8N)
★11月号で報告した2SK241-GRが、200個で10,000円という少し前の価格で販売されていましたが、すぐに品切れになっていました。いつまでもディスコン品に拘らず、代替部品を探すのが…..チップ部品がキツい年頃になってきました。
2SK241-GR(200個入り)
★年末に八重洲無線の新製品FT-991のデモ機を触ってきました。KX3+PX3では当たり前と思っていた、受信とバンドスコープ表示の同時使用が出来ない事に驚きましたが、FT-1200持ちなローカル局からは、同時に出来ないのが当たり前と諭されました。
★為替の円安相場が続くと海外からの通販は値段を見て踏み止まるなど、すぐに影響を受けますが、日本メーカー製品も海外生産な物は、値引きが渋くなるのではと思います。逆に原油価格の値下がりによる影響として、同軸ケーブルが安くならないかと期待しています。
★NYPは1,200MHzだけで20 QSOを粘りましたが未達で、ラスト30分は430MHzへQSYして何とかノルマクリアをしました(20 QSO目が1/3 20:57開始という滑り込み)。430MHz/DVシンプレックス、1,200MHz/SSBなど、普段から静かなところは、NYPでも静かでした。新バンドプランになりDV呼び出しCHとなった433.30MHzを聞くようになりましたが、まだ静かですね。
★皆様からの投稿をお待ち致します。月末締め切りの翌月中旬の公開予定です。
投稿の宛先は、qrpnews@jaqrp.net です。(@を半角に変えてください)
JA8IRQ 福島 誠
★ 新年号をお届けいたします。QRPクラブは4月が年度始まりですが、やはり新年ということで意識してみました。
★ お気づきになったでしょうが、このブログに使っているWordpressのバージョンが変わり、表示が変わっています。Webの中身もすこしずつ手を入れていきたいと思っております。
★ QRPクラブの創立は私がまだ10か月の赤ん坊の時です。日本のアマチュア無線の愛好者グループの中でもかなり古株の方に入るのでしょう。QRPクラブの中には、「アマチュア無線」の「アマチュア的」と言われる成分が、かなり色濃く残っているように思います。この濃い楽しさを、より若い世代に渡していくために何ができるのか、というのが私たちの課題です。
★ 年に一度発行している「紙の会報」も、そろそろ会員(正員)に届くころと思います。元会員だった方、準員の方の正員復帰はいつでもお待ちしています。新規入会・継続登録の申し込みはこちらのページからお願いします。会費は現在のところ無料ですが、生存証明として毎年度末までに継続登録と近況報告を出すことが義務付けられています。
元会員の復帰の場合は元の会員番号を「近況報告」欄に明記ください。わからない場合は「〇〇年ごろの会員でした」でもよろしいです。