JARL QRP CLUB会報 2016年3月27日発行 Vol.58-12
JARL QRP CLUB会報 2016年3月27日発行 Vol.58-12
No. | 2016年3月号 目次 | コールサイン | 筆者 |
---|---|---|---|
1 | 【追悼】 ミズホ通信JA1AMH高田OMに感謝 | JE1ECF | 斎藤 毅 (Tsuyoshi Saito) |
2 | 【レポート】会員からのQRP交信実績 | JA8IRQ | 福島 誠 (Makoto Fukushima) |
3 | 【測定器】 ディップメータ | VE3CGC | 林 寛義 (Hiro Hayashi) |
4 | 【小ネタ】 周波数カウンタ用プリアンプ | JG3ADQ | 永井 正範 (Masanori Nagai) |
5 | 【レポート】 QRPなDXの世界 | JA1KGW/JA2OP | 青山 憲太郎 (Kentaro Aoyama) |
6 | 【告知】役員会からのお知らせ | JA8IRQ | 福島 誠 (Makoto Fukushima) |
7 | 【編集後記】 | JA5PSJ/9 | 小谷 一孔 (Kazunori Kotani) |
8 | 【編集後記】編集後記と近況報告 | JA8IRQ | 福島 誠 (Makoto Fukushima) |
【追悼】 ミズホ通信JA1AMH高田OMに感謝
電子工作、QRP運用のきっかけをくれたミズホ通信JA1AMH高田OMに感謝
#696 JE1ECF 斎藤 毅
【写真1】在りし日の高田OMと「ピコ」シリーズトランシーバ大型模型
(JG1CCL内田 裕之さんが2014年11月ころに高田OM宅を訪問した際に撮影)
私の開局は1985年12月です。電波を出したのが翌86年1月でした。開局前まではオールバンド、オールモードのリグに憧れており、開局はFT-757SX(アンテナはGP)でした。その頃、CQ誌に広告掲載されていたミズホ通信のピコトラは何これ?といった感じでスルーしていました。
しかし、開局して数ヶ月でただ箱に付いたツマミを操作することに飽きてしまいました。会員の皆さんはラジオ少年からHAMになったという方が多いと思いますが私の場合全く異なり、自作もラジオも興味がありませんでした。ただ、叔父の勧めでなんとなく始めたのがこのアマチュア無線でした。刺激が欲しくなりこんな私が自分の手でものをつくる「自作」をしたいと思いはじめましたが当時は何もすることが出来ずにいました。
こんなとき、目に留まったのがミズホのMX-21Sの調整済み基板キットでした。この年のゴールデンウィークに購入し、初交信は1986/8/23の大分の局と記録が残っています。あるとき、JD1YAAがでており、FT-757SX(10W)で呼んでみましたが呼べど叫べどQSOできませんでした。諦めかけてダメもとでMX-21S(2W)を使用してみるとなんとコールバックがありました。
以来、私はミズホのピコトラファンになり、ピコトラチャリンコモービルをやってみたり、QRP運用がメインになったことはいうまでもありません。そして現在の私がここにあります。
ある時、ピコ24が欲しくなりましたが時すでに遅しで完売しており、手持ちのピコ21を24MHzに改造していただいたことがありました。高田OMはこうしたユーザーのわがままにも真剣に向き合ってくれました。
また、他クラブでの開催でしたが2011年にはピコトラ30周年記念QSOパーティを立案した時にはご尽力をいただき、ピコトラファンにとっては楽しい思い出を作ることが出来ました。ユーザーに対しての温かいサービスのおかげでハムライフを楽しむことが出来た方は私を含め数多くいると思います。高田OM、本当にありがとうございました。
最後にクラブ60周年として「JA Pepper 60」の頒布準備をしていますが頒布形態に「調整済基板キット」を設けたのは私の自作・QRPの原点であるピコトラが影響しています。
ピコトラ誕生35年の年に産みの親である高田OMとお別れになるとは思っていませんでした。これまでたくさんの楽しみやきっかけを提供していただきありがとうございました。安らかに永眠ください。
編集部から
3月18日 hamlife.jpにミズホ通信株式会社(2012年事業終了)の創業者・社長の高田継男さん(JA1AMH)が、2016年2月6日に81歳で死去された、と報じられました。高田さんは本会の会員(#350)であり、またQP-7やVFO-7、ピコシリーズを通じて多くのQRP愛好者を育てた偉大な技術者でもありました。(JA8IRQ)
【レポート】会員からのQRP交信実績
#567 JA8IRQ 福島 誠
先月号で「QRP交信実績レポートを会報に掲載します」と告知したところ、少しずつですが集まってきました。
#383 JK1TCV 栗原さんのレポート
#383 JK1TCV 栗原です。
ご無沙汰しております。
そういえば昔は、QRP交信記録を何回か送って掲載していただきました。その後掲載が無くなって、みなさんのアクティビティーがわからなくなってしまいましたが、また復活するということで、楽しみです。
私の方もその後、ぼちぼちやっております。
今のところ、DXCCはMIXモードMIXバンドで、
266
になりました。パワーは5Wです。
最近のQRPでのNEWはK5P Palmyraです。K5Pとは距離的に近いので、QRP5Wで14、18、21、24メガでQSOできました。
最近ではなかなかQRPでNEWエンティティーをゲットできることが厳しくなって、ついついパワーを上げてしまいます。
(ちなみに、QROを入れると310wkdです)
これではいかんということで、今年1年、0.5WでどのくらいのエンティティーとQSOできるかチャレンジしています。
今のところ、アジアロシアとニューカレドニアですが、はたしてどのくらい上乗せできるか、頑張りたいですね。
トランシーバーはK3や、FT-817、アンテナは4エレ八木です。
また、国内QSOもぼちぼち頑張っています。
全市交信(WACA)迄、残り4市
全郡交信(WAGA)は、残り3郡
全区交信(WAKU)は残り11区です。
すべて、QRP 5W CWです。
まだ先は長いので、のんびり頑張ります。
では。
#172 JR4DAH 伊豆野さんのレポート
ご無沙汰しています。JR4DAH/伊豆野です。
QRPランキングを以下の通りお送りします。
QRP交信記録 | JR4DAH | ||||
DXCC | QSL | QSO | Output(W) | Mode | Note |
260 | 5 | mix | |||
WAZ(CQ) | QSL | QSO | Output(W) | Mode | Note |
40 | 40 | 5 | MIX | アワード取得 | |
WAC | QSL | QSO | Output(W) | Mode | Note |
6 | 6 | 5 | mix |
#971 JA8CXX 髙野さんのレポート
JA8CXX 髙野です。
2013年に1000km/Total Powerアワード(No.42)をいただいておりますので報告します。
DXCCとAJDの記録も追加しますので、よろしくお願いします。
交信よりも製作している時間が長く、交信実績は伸びていません。
QRP交信記録 | JA8CXX | |||||
km /Total Power | Level L/R | km/Total Power | Watt /Total Power | BAND | MODE | ANT |
2013年4月21日発行 No.42 | R | 1,818km / 9.37W | 1W / 9.37W | 7MHz | CW | DIPOLE |
相手局 CE3CT |
QRP交信記録 | JA8CXX | ||||
DXCC | QSL | QSO | Output(W) | Mode | Note |
DXCC | 18 | 47 | 1~5W | CW | ALL |
DXCC | 10 | 41 | 1~5W | CW | 21MHz |
DXCC | 11 | 21 | 1~5W | CW | 7MHz |
QRP交信記録 | JA8CXX | |||||
AJD | Call | QSL | QSO | Output(W) | Mode | Note |
JA8CXX | 0 | 10 | 5 | CW | 7MHz 2015年11月3日QRPコンテスト OneDay 2Way QRP |
QRPアワード新規発行しました
JE1AZH小勝さん(非会員)よりQ、R、P賞の申請がありました。
精査したところ、それぞれのアワードの規定に合致しておりましたので発行します。
参考までにQ賞のアワード画像を掲載します。(アワード担当 野村/JH3VAA)
【図】QRPアワードの写真
【測定器】 ディップメータ
#906 VE3CGC 林 寛義
コイルやアンテナの同調周波数を測定する計器に、昔は、ディップメーター(またはグリッド ディップメーター, Grid Dip Meter )を使いました。この計器は昨今ほとんど使われていませんし、手に入れるのも困難となっています。以前はアンテナを調整したり、アンテナを希望の周波数に同調を取る作業には欠かせないものでした。
私はいま手元に骨董品(antique instrument)と呼ぶようなディップメーターが3台あります。
(写真1を見ていただければどんなものかお判りでしょう。)
(1) トリオ DM-801 (名前を聞いただけでも古いものと分かりますね,トランジスタ式で9Vの電池を内蔵しています。)
(2) Heathkit GD-1B (真空管式, 115V)
(3) EICO 710 (真空管式、 115V)
【写真1】 手元にあるディップメータ達
古い計器なので、当然ながら最新式の計器のように周波数の表示はデジタル式ではなく、周波数】を読み取るのは計器についているダイアルのメーターの目盛りをたよりに読むようになっています。したがって精度もまあまあのもので、当時としてはこれで結構実用になりました。しかしながらディップメーターの計器自身の精度はいまでも十分信頼できるものです。つまり、少し工夫すれは最新式デジタルメーターつきの計器と同じように使えます。ディップメーターでもっと正確に測定した周波数を読むやり方を以下に書きますので、機会があれば試してください。
このやり方は上の3台のディップメーターの取り扱い説明書には書いてあり、決して新しいやり方ではありませんが、最新式のトランシーバを使って、デジタルで表示される周波数を読むのがポイントです。1960年代、1970年代の受信機は当然ながら、周波数を示すダイヤル表示の目盛り、いわゆるアナログ式で読み取るので正確さにかけるのは想像できるでしょう。
ディップメーターは簡単なオッシレータ(発信機 oscillator)ですので、同調周波数をしめすメーターの針がぴくっと動くところで、ディップメーターから発信される信号音をトランシーバーで受信し、その時の受信周波数を読めば、いいだけです。この方法は一番簡単で、お金もかからず、手持ちの機材でこの古い計測器 ディップメーター をこれからも信頼して使う方法です。私のブログ(https://ve3cgc.wordpress.com/) の2016年2月3日にある「ディップメーター その2」を読んで下さい。
近年QRPerの方々はQRP送信機やQRPトランシーバーを自作したり、移動運用のアンテナを自作される方も増えています。この状況では簡単な計器を使えば自作プロジェクトも楽しくまとめられるようです。私がディップメーターを使うときは以下の状況です。
- (1) 私は真空管式クリスタル発信のQRP(0.5wから2wくらい)送信機を自作し、コイル類、特にタンクコイルは売っておりませんし、手に入れるのは困難な状況ですので自作しなければなりません。組み立てるときの配線図は1950年代、1960年代のARRLのThe Radio Amateur Handbookやインターネット上のサイトより見つけます。このような時、自分の手で巻いたコイルをディップメーターを取り出して必要な周波数の確認に使います。
- (2) また、アンテナの自作にもトラップコイルの同調周波数の確認を取るのにディップメーターを使います。今年は6年がかりで自作中のW3DZZマルチバンドのダイポールアンテナを完成させ、フィールドデイに使うため新しいトラップコイルを同軸ケーブルを使ってつくり、所定の周波数の確認をしました。4月にはカナダでも外に出て作業できる気候となりますので、まとめたいと思います。
ハッピー QRP !!!。
【小ネタ】 周波数カウンタ用プリアンプ
#58 JG3ADQ 永井 正範
秋月のキットで「水晶発振子周波数測定キット」に興味が沸き1950円で購入しました。水晶やセラロックの発振周波数を表示するのがメーカーの売り文句なのですが、測定範囲は1Hz~50MHz、LED5桁表示でオフセット機能があるためトランシーバの周波数表示装置として使うことも出来ます(写真1)。周波数測定用の外部入力端子はPICに直接接続されており、説明書では「+2.5Vを中心に、インピーダンスが低く、P-P5Vの振幅がある信号源」と書かれています。ここに小さな信号源をつないでも周波数を表示する力は無いため3石のプリアンプを作ってみました。この回路で20kHz以上は表示できますが、更に測定範囲を低周波まで下げたいときは結合コンデンサおよびバイパスコンデンサ103と並列に100μFの電解コンデンサをつなぎます(図1)。
【図1】 周波数カウンタ用プリアンプ回路図
【写真1】 周波数オフセット機能を利用してトランシーバーの周波数(21.200MHz)を表示
編集部から
「任意の周波数でオフセットが可能」ということですから、ジャンクのクリスタルで作ったフィルタでも正確な周波数表示をすることができますね。もちろん加藤さんの世羅多フィルタを使ったRXでも使えるでしょう。永井さん紹介ありがとうございます。(JA8IRQ)
【レポート】 QRPなDXの世界
海外のQRPper
#377 JA1KGW/JA2OP 青山 憲太郎(Kentaro Aoyama)
~ IK4DCS/QRPper、Francoさんの500mWとのQSOの紹介(No.10)~
IK4DCS/QRPper、Francoさんを紹介します。
QRPハンティング熱に浮かれて、許される限り毎日のかなりの時間を費やしてQRVをしていた2002年(平成14年)頃でした。私のQRP運用の恩師でもあるJA6PA 原田OMに色々と指導を戴いていた時期でもありました。面白いように多くの海外局と2WAY QRP QSO、しかもこのQSOの中に2WAY QRPp QSOができた頃です。
当時のログからIK4DCS/QRP、Francoさんとの2WAY QRP QSOをピックアッしたのが次のリストです。全部で17回の2WAYQRPQSOをしていますが、この中で4回の2WAY QRPp QSOをしています。尚、Frncoさんは、QSOの時に使用するハンドルは”FRANK”です。
彼のリグは、IC775DSPを使用して、アンテナはDelta Loopでした。当局は、FT850とハイゲインのTH6DXXを使用していました。ログから判るように運用周波数は、”QRP Window Frequency”、14.06および21.06MHzでの運用でした(図1)。
【図1】IK4DCS/QRPper、Francoさんとの交信記録
今回、個々に掲載したQASLカードは、共に1W 出力の2WAY RPp QSOは、19-Jul-2002と06-08-2002です。共に0.5W出力の2WAY RRPp QSO は、4-Aug-2002および10-Sep-2002のQSOです(写真1、2)。
【写真1】IK4DCS/QRPper、Francoさんから受領したQSLカード (裏)
【写真2】IK4DCS/QRPper、Francoさんから受領したQSLカード (表)
【告知】役員会からのお知らせ
#678 JA8IRQ 福島 誠
★ 会員継続手続のご案内
3月1日より新年度の会員継続の受付をはじめています。
2016年度も正員としての継続を希望する会員は、JARL QRP CLUB のウェブサイトの「クラブ紹介」内にある『新規入会・会員継続申込』から所定事項・近況報告をご記入の上、申込をお願いします。
会員継続の手続きがない場合、4月1日より準員となりますが、申込みがあった時点で正員に戻ります。
当クラブは4月~3月までの年度単位で活動しており、正員としての会員資格も3月末でリセットされます。
☆ 過去に会員だったことがあり、会員番号がわからないが再入会したいというかたは、こちらで会員番号検索ができるようになりました。
☆ 毎年継続手続きをするのは面倒だが何とかならないのか、という問い合わせを時々受けますが、以下の事情があります。
☆ この会は、会員が全国に分散しており、活動はメールやブログでの交流が中心で「バーチャルなクラブ」である一方、役員選挙は郵便による投票で行うという「全国を対象とする地域クラブ」としての側面も持っています。連絡が取れなくなる会員が多数になると役員選挙が成立しなくなるかので、会員本人とメールや郵便、電話で連絡を取ることが可能である、ということはクラブとしては絶対に必要なこととなります。
☆ 新規入会をご希望の方もこのリンクから申し込むことができます。
☆ JARL QRPクラブの会員の義務は「役員選挙に投票すること」「毎年度、会員の継続登録をして、その時に近況報告すること」の二つだけです。どちらも会を存続させるために必用なことです。ぜひ、ご協力ください。
なお、事情があって退会したいという場合は役員会あて連絡ください。パソコンが苦手な方は福島あて直接の郵送でもかまいません。(住所はMLや紙版会報などで確認してください。)役員会のメールの宛先は qtc@jaqrp.org (@は半角@に)です。
☆ なお、規約上は会費をいただくことになっておりますが、会費は現在無料(ゼロ円)であり、会費の代わりに任意の寄付を受け付けております。例年100名以上の会員から、20万円以上の寄付(ドネーション)をいただいております。詳細は会員向けMLなどで公表いたしますが、多大なるご協力をありがとうございます。
編集後記&近況報告
#961 JA5PSJ/9 小谷一孔
今月は高田OMの訃報に驚き、在りし日のOMとの思い出を偲ばれた方も多いかと思います。私は高田OMとは直接お目にかかったことはありませんが、ピコ21の補修部品について電話でお話しさせていただいたことがありました。穏やかな口調で丁寧に説明してくださり、ピコ21は部品交換して復活し現役です。ご自身が手掛けた無線機が後世に残る。アマチュア無線に関わるエンジニアとしてお幸せであったろうと推察します。高田OMのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
VE3CGC 林OMが記事を書かれているディップメータはとても便利な測定器で、私はDELICAのWB-200というモデルを使用しています。これは400kHzから使用でき、455kHzのIFの調整などに重宝していたのですが、ある時、この低い周波数側が発振しなくなりました。メーカに問い合わせると、発振部のQが低下したのが原因だろうとの回答をもらいました。コイルとバリコンが経年変化? と思案していると発振部に使用されているFETの2SK19は経年変化でゲートの漏れ電流が増加して入力インピーダンスが低下するとの記事をwebで見つけました。これが原因でQが低下したのか… FETを交換したところ無事発振し、周波数表示のダイヤル目盛りもだいたいOKで復活しました。しっかり設計されている測定器は古くても部品さえ入手できれば長く使えます。
編集後記&近況報告
#678 JA8IRQ 福島 誠
◆ おまたせしました、3月号をお届けします。今年度の最終号となります。
ミズホ 高田さんの思い出
私が最初にミズホ製品に出会ったのはDC受信機のDC-7Dで高校生のころでした。ただし、これは作って動作の確認をしただけで就職とともにQRTしてしまったので使わないまま終わり、ケースはもったいなくも捨ててしまいました。基板だけはまだ持っています。
2000年に再開局した際は21メガ用のピコ、MX-21Sだけで開局申請を行いました。屋根の上2mくらいのところに銅線を張ってダイポールを作り、初交信したのは熊本のYL局でした。
その後MX-7S、MX-2、MX-6Z、MX-14S、AN-14、AN-21、純正スピーカーマイクなどを入手しました。今はミズホ以外の無線機も持ってはいますが、やはりピコ21がメインの機種です。アマチュア無線は通信できない不便さを楽しむものと思っているので、ピコくらいがちょうど良いように思います。(逆に便利で高性能な無線機を使うと自分の運用技術のなさにガッカリすることになるかもしれません)
【図1】手持ちのミズホ関連製品
再開局前後からは本や雑誌で高田さんの文章を読むことも多く、高田さんに導かれるようにしてQRPの世界に入りこんだと思っています。実際にお会いしたことは多くないのですが、ニコニコして部品の説明をしていたのを記憶しております。昨年の1月号には年賀メッセージもいただきました(再掲)。
高田さん、ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
【図2】2015年1月号会報に寄せられた高田さんからのメッセージ
オペアンプICを使ってスピーカー付きミニアンプを作る
簡単にできる低周波増幅器の代表が386(LM386,NJM386など各社あり)というICを使ったアンプですが、密閉容器に入れた386アンプ(スイッチ付きVRと電源切り忘れ防止のLED、電池とスピーカーをセットしたもの)を愛用しています。
【図3】NJM386Sを使ったミニアンプ
このミニアンプはゲルマラジオやmp3プレーヤーにつないで聞くのに最適で、自作ラジオのトラブルシューティングの時にも便利に使っています。
これに使っているNJM386Sは、たしかQRPクラブ50周年のパーティの時に高田さんに格安で分けてもらったものだったはずです。
【図4】SIP9ピンのNJM386S
通常のNJM386はDIP8ピン(両側4本ずつ計8本足)ですが、このICはSIP9ピン(片側で9本足)のため、ピンの役割がわからずに困ったこともありました。実はICと一緒にデータシートをもらっていたのですが、使うときに見つからなかったのです。正解は中間の5ピンがグラウンドにつながるだけで1~4は同じ、6~9はDIPの5~8ピンが一つずつずれているだけでした。
お店で初心者向け電子工作会のイベントを
ところで私の勤務先の書店では、「スタッフがお客さま向けに面白いイベントをやる」ということを推奨されてます。
いつもは子ども向けに「クリスマスツリー」「ゲルマラジオ」などを作っていますが、今回はこの386アンプの応用で、大人向けで実用にも使えるNJM2073のステレオミニアンプを作ることにしました。NJM2073は1個でステレオになるうえ、386が4V以上の動作であるのに対し1.8Vという低電圧から動作させることができるすぐれたICです。
小細工はせずにメーカーの推奨回路そのままで部品をそろえてに穴あき基板に組み、ダイソーで調達した木箱に入れました。
【図5】ステレオミニアンプの回路図
バラックでつくったら盛大に発振したのですが入力のミニジャック→VR→基板をシールド線にしたところ安定して動作するようになりました。木箱は薄いのでキリで簡単に穴が開きます。残念ながら木箱もスピーカーも安いのでHifiというわけにはいかず、音はそれなりです。
【図6】ステレオミニアンプの基板
【図7】木箱に入れたステレオミニアンプ
当日の参加は男女一人ずつのお二人。電子工作は初めてだがやってみたかったということで、ビニール線の被覆むきに苦労したり、はんだごてに触れてやけどをしたりしながらも4時間近くかかって組み立てが完了しました。楽しかったので次も企画してという感想をいただきました。
◆ 4月号の原稿を募集中です。あなたの実験、製作、運用レポート、小ネタなどを編集部あてお送りください。パソコンが苦手な方は福島あて直接の郵送でもかまいません。(住所はMLや紙版会報などで確認してください。)宛先は qrpnews@jaqrp.net (@は半角@に)です。